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    キノモト

    公に載せるには難しい絵を上げるためにはじめました

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    キノモト

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    HELLHOUSE 31〜45
    あらすじ

    ##HELLHOUSE

    HELLHOUSE 31〜4531*オ年頃32*偽狂人、本物への道33*本物、偽狂人への道34*素晴らしい成長っぷりですね35*かえりみち36*聖夜の晩酌はシャンパンとシャンメリーで37*偽狂人、本物への道 セカンドチャンス38*人肉愛好家達の話39*宮井と塩見と1番40*僕らの愛は一方通行41*年末ババ抜きデスゲーム42*ピアス開けるよ43*ドキワク品定めタイム44*し、死んでる……45*HELLおせち31*オ年頃秘密組織幹部 コードネーム: ヘルメスが常に所持する
    ノートパソコンは陰謀が隠されたトップシークレット。
    ……という名目のもと、ブラウザのR-18ゲームを攻略中。
    ヘルメスについて話している†琉魔†、話を聞いた恐が、
    「見てみりゃいいじゃないか」
    †琉魔†、知りたくてもグッと我慢してきたのに…
    今度は2人がかりで暴こうと襲いかかってきた!

    32*偽狂人、本物への道あんな見た目して実は指名手配犯、ザイオン。
    日本にいることまでがバレてしまい、学校では
    その話でもちきり、帰り道の交番には見覚えある姿
    (クソ派手空港写真)……
    まずいなと思いつつ立ち往生する†琉魔†。
    だが、交番の人から話しかけられてしまう!
    「本物」は事情を隠し通せるかどうかから始まる。
    がんばれ†琉魔†!

    33*本物、偽狂人への道だめじゃないか†琉魔†!!
    「「シェアハウスにお巡りが来る!?」」
    クール気取りの宮井も「参ったな」と漏らすほど大騒ぎ。
    夜逃げ?いいや、無闇に動くと目立つし、半端に終われば
    目をつけられる。
    ……その場を乗り切るしかない!?そうだ、みんな揃って
    「狂人のふり」をしよう!
    シェアハウスの住民で知識を総動員して、無害なあたおかを
    貫き通そう!……中でも、お前達が頼りだ。田中兄弟!

    34*素晴らしい成長っぷりですねシェアハウスでなんとか生き抜いてしばらく経った頃。
    マフラーを巻いて2人、公園に立ち寄って紙を開く。
    渡された通信簿に書かれていたひとこと
    「"異能"といった表現ができるほどの
    何かものすごい成長を感じます」
    …何故?2人は、思い当たりそうな出来事を次々と
    思い返していく……
    体育の球技でギリ避けを30連発する竜真。
    パソコン室での授業、先生のパソコンをその場で
    直してしまう叶人。
    勉強ではなく推理で解いたテストを提出した竜真。
    化学の授業が異様な点数の伸び率の叶人。
    とんでもない佳境を乗り越えてきた2人は、
    とうとう"本物"の力を手にしてしまった……?
    素直に飛び上がりそうな気持ちをグッと堪え
    「とうとう"普通のフリ"もできなくなってきたな」と
    冬空の下で悪い笑みを浮かべる田中兄弟だった。

    35*かえりみちちょっと頼られたのか、珍しく居残りをした叶人。
    外はすっかり暗くなっていた。だが偶然、
    駅に降りた所で真っ白い頭髪……塩見の姿を見つけた。
    「いつもと装いが違う。…ということは…」
    真っ黒い喪服のような姿で頷く塩見。
    「…昔、宮井の代わりにやるようになった時、
    正面からやってた」
    「…人が殺される直前は、いつもの何十倍の念が
    流れ込んでくる。それも、ほとんどいいものではなく」
    「嫌になった。やるたびに疲れて。
    それから背後から一撃で仕留めるようになった。
    今はもう平気」
    (…やっぱり言うほど悪いやつじゃなさそうだ)
    (ナチュラルに殺人してるけど)
    「冷蔵庫の中身切らしてて、各自買ってねとオニクスが」
    ちょうど見つけたバーガー屋に入る2人。
    「先に選んでいいよ」
    ところが、塩見はレジで注文した経験もないらしく……結局2人横に並び、叶人がまとめて注文した。
    それから背丈の高い弟を連れ、座らせ、二つのトレイを運んでくる。さりげない兄貴力。
    ヘル……叶人はポテトとフィレオフィッシュのセット、塩見はダブルベーコンバーガー。
    意外と食欲あるんだなと思う叶人。色々と頭の中で独り言を巡らせる。全部聞こえる塩見。
    「……あのさ、その……殺った後だったよね……今更申し訳なくなってきたけど……悪い思いした?」
    頬張っていたのを飲み込んでから喋る塩見。
    「宮井と2人の頃は、レストランでステーキをご馳走してもらってた」
    「え、何で?」
    「解剖学を専攻する学生は、実習後に食堂へ行った時は肉料理を選びがち……つまり、そういう事」
    「ああ〜……そういう事、ちょっと…怖いね………。」
    視線を逸らし、冷や汗をかく叶人だった。

    36*聖夜の晩酌はシャンパンとシャンメリーで修羅のプレゼント回しやら云々あったものの、クリスマスパーティが終わってから兄弟は仕切りを外した部屋の中で非公認二次会を開いていた。
    夜更け頃まで起きているとノックが。
    「可愛い格好はしたまんまなんだ」
    ほろ酔いの宮井は、シャンメリーの残りがあると言う
    ついでに自室に案内した。兄弟の部屋と同じく大部屋に間仕切りがされた宮井の一室、向こう側で塩見が静かに寝ている姿が見える。
    「塩見、一旦寝ると騒音の中でも起きないくらいだからね」
    幼い寝顔から感傷に浸ったのか、宮井はシェアハウスに越してくる前のことを語り始めた…
    「僕らが一緒に過ごし始めたのは7年前くらいの事だ。当時の僕はまだ若いし今のような立場でもない。まあ、足を洗えるレベルかというと、既にそうではなかったんだけどね。そういう事で、たくさん働いている分手が足りなくなったんだ。そんな時に、病院から出てくる塩見を見つけた。雨が降る夜だったかな……当時は制服姿だったよ。よく目立つ真っ白い髪と肌が気になって、しばらく追いかけていたんだけど、やけに人を避けるような歩き方をしていた。『そんなに人が嫌いかな』と思った瞬間、振り返った目が僕と合った。すごい偶然でね……何か事情があれば、ゆすることができると踏んだ当時の僕は、塩見に仕事場へ『同行』してもらったんだ。」
    「……あの、それって同意の上の『同行』なんですか」
    「同意?塩見の事だからわからないけど、僕の話は怖がらずに聞いてくれたよ」
    誘拐だと察した兄弟。そう喋ってる間に夜は更けていくが、過去に絡んでさらりと出てくる重罪に重罪の数々。ムショの宮井を想像すれば、無期懲役か死刑囚レベルだと慄く2人だった。

    37*偽狂人、本物への道 セカンドチャンス「ヘルメスって人殺すイメージないよね」
    ドキリ。「そ、そう、恐のように直接手を下さないタイプ
    というかな」冷や汗とニコニコ。
    「ちょっと包丁持ってみてよ」「似合う似合う」「ははは」
    「え〜、一回直接殺ってみれば?」「は?」
    「今度、塩見に殺らせる事になってるのがいるんだけど。
    ヘルメス君やってみせてよ」
    「おーー」「ちょっとバラすのしくってもこっちによこせば
    平気平気〜〜」「ヒューヒュー!」「がんばれ〜(笑)」
    「ヒャるじゃねェかヘルメスゥ」
    汗だらっだらで塩見とスマイル・アイコンタクト。
    田中叶人、とうとう一線を越えてしまうのか!?

    38*人肉愛好家達の話オニクスの隣に『ペット』がいない。
    「今日も人肉料理だよ〜」
    各家庭と比べれば頻繁に出る変わった食材、容易く田中兄弟の吐き気を誘う。
    「今年は消費スピード早いね」
    宮井の一言。
    「いい子だったんだ!いい子だったんだけど、でも〜……あ、食欲湧かない?」
    不穏を醸しながら心配するオニクス、無言の塩見。
    「お前らさ、人の肉使った料理食べないよな〜」
    「割といけるよね!」
    ニヤニヤする恐に、ニコニコザイオン。汗ダラダラの兄弟。
    「気になっていたけど、1番と同じで生肉派とか、食べ方の好みが違うのかもね」
    「ああ〜、調理の仕方ってこと?」
    「おいしくない……」
    宮井とオニクスの会話をよそに、珍しく同席する1番がぼやく。
    (無理やり話を合わせながら)困惑する兄弟に、例として宮井、1番、オニクスがそれぞれ人肉の食べ方の好みを語り出す……。

    39*宮井と塩見と1番ベランダの冬空で1番の背をさする宮井。
    「舌を噛みちぎって気絶しようとしたのは驚いた」
    「…………すみません」
    「そんなにまずかった?」
    星を見つめる宮井と、1番の顔を見つめる塩見。
    (1番は『会食するなんて人生で何度目だろう』って)
    「その……たまに、地下室開きっぱなしで、腐った臭いがする……」
    「ああ、ついつい!それは失礼したけど、そんなに悪い臭いでもないだろう?」
    「どう考えても近所迷惑になる……」
    「とは言いつつも、君も突発的に人を喰っては部屋を血の海にするじゃないか。尻拭いはいつも僕らさ」
    「それは……うーん……僕のためにわざわざすることなんて……」
    「シェアハウスじゃいい意味でも悪い意味でもお互い様なんだ」
    会話を繰り広げる2人を無言で見つめる塩見。
    「でも、今日まで君が欲求を思うままにできること、僕は良いと思ってるんだ。自分の中の幸福を一つも実現できないなんて、生涯辛いことだからね」
    (……とはいえ、着々と周辺の人口は減り続けているんですが)
    ニコニコガタガタで3人の様子を見ていたヘルメスが見つかってしまい、良い雰囲気()に気を緩めた1番が窓ガラスを蹴破って襲撃。「それはやめよう」となるのだった。

    40*僕らの愛は一方通行「早く新しい『ペット』連れておいで」
    「はいはい……」
    シェアハウスに住むみんなのことが大好きだが、みんなにとってはそうでもない存在の宮井。
    理想の『ペット』をずっと愛したいが、嫌われるわ始末してしまうわで実らないオニクス。
    そんなオニクスがどうしてこんなに『ペット』を欲しがるか。ひとときの気休めに宮井は聞くことにした。
    オニクスの気が済んだ後…
    「冷えるだろう。何か飲むかい?ジンジャーミルクティーでも淹れてあげるよ」
    「……こういうの、好きじゃないんだけどなあ」

    41*年末ババ抜きデスゲーム様子の違う田中兄弟の大部屋。家具が綺麗さっぱり片付けられており、カーテンは締め切られて真っ暗。
    宮井、塩見、1番、オニクス、恐、ザイオン、そして†琉魔†が囲む背が高めのテーブル。その上にトランプ、ノートパソコンの中に仮面をつけたヘルメスの姿があった。
    《私が今日用意した物だ。誰もが知っていて簡単なもの。トランプを使う遊びといえば?そう、ババ抜き。最後までババがあったら負け……?いや、デスゲームの勝者としようじゃないか!面白いだろう?》
    加工された音声が静まった部屋に響いていた。
    「………」
    「……」(わくわくわく)
    「おおーっ、それっぽいそれっぽい」
    静けさを破るように微笑み宮井と真顔の塩見の二人が拍手。
    「ヒャハハッ、たかがババ抜きなどの低俗な人間風情の遊びだが、今日だけは付き合ってやるよォ」(スッゲー楽しみ!!)
    嬉しさに緩むのを誤魔化すゲス顔の†琉魔†。
    ザイオンと恐とオニクスもちょこまか喋っている。
    「ガチで死ぬのはどお?」
    「宮井はいいが、それ以外が生き残ったらあっという間に人生の方が終わらないか?」
    「あー、マシンの維持費とか実験費とか宮井に助けられてるしなぁ……」
    「ボクは生活できるんじゃない?ほら、家事担当はボクでしょ」
    「『ペットがいれば』の話だろうが…」
    「そうだ!!脱落した人から、宮井のクサッた肉を口に入れられるってどおー?」
    「うん、それだ」
    「本当に嫌なんだけど」
    「僕の嗜好品を罰ゲーム扱いしないでほしいな…」
    「あ、ヘルメスこっちおいで。1番にババ抜きのやり方教えてあげて」
    《………え?》
    物理的な死の代わりに精神的な死が訪れる、主催者含めた8人のデスゲーム。ペアが揃って無くなればなくなるほど、甘美なる死臭が刻々と近づくスリル!
    さあ、誰が生き残る?

    42*ピアス開けるよ「ぴ、ピアス開けるのか、とうとう」
    「そう!それで近くで開けられる病院探してるんだよ。……いくら宿主とはいえ、一応安全なやり方でやらんと、オレもおじゃんだからなァ…」
    「そういうことなら〜〜。」
    にょっきり現れるオニクス。
    「「ヒェッ」」
    「おいで、琉魔」
    手招きで自室に案内される†琉魔†。
    (アア、オワッタ……!!)
    ガタガタのヘルメス。
    「そ、そうかぁ!オニクスはピアスたくさん開けてるもんなぁ」
    「そうそう、ペットにもね。ついこの前ファーストピアス開けたばかりなんだ……ほら!」
    「むうーーっ、う、うーっ!」
    「……それって、合意の上……?」
    「……………………」
    「合意………?」
    そんなこんなで、オニクスにファーストピアスを開けてもらい、すったもんだになる†琉魔†。
    「俺の気分はいい、痛いが!次の日何か愉快なことでも起こりそうって感じだぜ!」

    43*ドキワク品定めタイム†琉魔†がいつも使っている(と言うより持ち歩いている)カッターに錆びが……。
    「そろそろ刃を替えなければ」
    「琉魔君、それじゃ殺るのに時間がかかるんじゃない?」
    聞きつけニュッと現れてくる宮井。
    「ミ"!!宮井………さん」
    「越したての時、確か琉魔君はこう言ってたね。『血に飢えている 殺したい コロシタイ』って」
    「そ………ッスね」
    「今こそ替えるのは刃ではなく、武器さ。カッターとハサミじゃ十分な血を見られないだろう?僕は時たま"そういう類"を取引先から貰ったりしているんだけどね。君が困っているというなら、一つ譲ってあげるよ。」
    「たた、た、助かるぜ……」
    そうして地下室に招かれてしまう†琉魔†。「ボディーファーム」の中には宮井用倉庫、その中で繰り広げられる品定めタイム。
    うっかり貰ったら銃刀法違反で捕まるぞ!なんとかやり過ごせ、†琉魔†!
    「なんだか今日の君は柄にもない様子だね。僕のいつも愛飲してるモノでもよければ飲んで」
    「無理ッじゃなく、あ、ああ、生憎俺は生き血が好みでなあッ」

    44*し、死んでる……どういうわけか、シェアハウスは静まり返っていた。日曜の昼間だというのに妙だった。朝食も1番の部屋には運び込まれてない……
    異変にのそのそと部屋から出てきた1番が目撃したのは、ソファや椅子や床で野垂れている、†琉魔†、ヘルメス、宮井、塩見、オニクス(とペット)、恐の姿だった……
    「よし、うまくいったね」
    そんな死屍累々の惨状の中で満足そうに頷くザイオン。
    「…………何が?」
    「あ!1番やってなかった!」
    ひとまず床に倒れている恐の手首に指を添える1番。
    「………脈が、ない……」
    見回す1番。倒れている皆がピクリとも動かない。
    「ザイオン、君、皆を実験台にした……?」
    「そういうこと!SF作品でこういうのがあって真似してみたんだ。で・も!ただ死んでるワケじゃないよ!……オニクス、キッチンに向かって」
    「………動かない」
    「ああ、言い方を変えないと。オニクス、立って」
    正気のない目でいきなり立ち上がるオニクス。
    「うわっ」
    「歩いて、キッチンについたら止まって」
    あからさまに人間らしくない歩き方をして、キッチンの前で不気味に佇んでいる。
    「こう、命令とかは、極限までシンプルにしないと聞いてくれないんだけどぉ……」
    「……戻し方は?」
    「……考えてなかったかも」
    思いつきで動き、全くその先を見据えていなかったザイオン。ザイオンは性能を向上させることで「生きてるフリ」を正確に実現して事なきを得ようとするが、一方で1番は放っておいたら自分の身が危なくなる、と自身の生活スキルのなさから危機感を抱く。
    食欲と身の保持と板挟みになりつつ、もっとも人助けに向かない男こと1番、シェアハウスのシビト6人の黄泉がえりに奔走する!

    45*HELLおせち「あけおめ!おせち!朝飯おせちだよ!!」
    初日の出の時間に田中兄弟の部屋のドアをぶっ叩いてくるザイオン。2人は、朝から皆の足音が聞こえるリビングに出てきた。
    ひとしきり年明けの挨拶を終えた後、オニクスがテーブルにお重を運んできた。
    「前年まで僕が考えたメニューでお重の中身を構成していましたが、一部の人からあまり良くない評価をいただいていたので」
    恐の方をチラリと見るオニクス。
    「今年からみんなの要望を詰め込んだおせちになりました〜!」
    (俺だけ去年に取り残されたかった)
    既に鉄の匂いが漂ってくる、めでたさのカケラもないお重。2人を除いて賑やかにテーブルを囲む中、オニクスの手によって蓋が開けられる……

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