告白 トヨタにホンダ、いくつかスズキと日産。ちらほら外車。普通自動車と軽自動車が平和に並ぶ真夏の空港の駐車場で俺は涙ぐんでいた。でかくてゴツいアメ車がバンバン走る国で一年ちょっと頑張ってやっとの里帰り。全ての看板が一瞬で読めて意味がわかるだけで泣けてくる。ほら三井サン、あそこ「車高注意」って書いてあるよ。
「おう、わかったよ。お前とりあえずこれ飲んだら」
差し出されたひんやり冷たい緑茶のペットボトルにまた涙腺が刺激され、鼻をすすってありがたく飲む。うわおいし、これだよこれ。いや待ってこれ蓋開いてたな、三井サン飲んでるじゃん。え、間接キスじゃん。
俺が鼻をずびずびいわせたり顔を赤くしているのを横目に、三井サンは俺のスーツケースを奪って引きながらズンズン進んでいく。ちょこちょこと着いていくと前を向いたままの三井サンが声を上げた。
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