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    excPh2_

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    基本的には夢絵をあげます。すけべ込。

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    まだまだ加筆も削除も修正もする進捗

    風呂。私とは無縁のそれは、身体を清潔に保つ他にも、気分転換のためや、心を休めるためにも入ったりする。また、人間のパートナー同士ならば、愛を深めるためにも共に入ることがあるらしい。

    「ふ〜、気持ちよかった」
    頭からまだほんのりと湯気の上がる彼女が機嫌良く浴室から私の部屋へ戻ってきた。彼女の髪から滴る雫を私はぼんやりと眺めていた。
    「また適当に髪を拭いてきたな。風邪をひくと何度も言っているだろう」
    そう、ここには医者が居ない。もし風邪をひかれれば、下手をしたら生死に関わりかねない。そのため、何度もよく拭きなさいと伝えているが、彼女は適当に済ませてきてしまう。
    「どうせ乾かすんだし大丈夫だよ」
    そう言って、部屋の隅の引き出しから慣れた手つきでドライヤーを取り出す。もちろん私が使うわけもないので、これは彼女の私物だ。彼女が私と生涯を共にすると宣言した日から、少しずつ私の部屋に彼女の物が増えてきた。彼女が居ない時でも、部屋を見渡せば彼女の片鱗が見える。私はこれを嬉しく思う。
    「乾かすのは私だがな」
    彼女の手からドライヤーを取り上げ、鏡台のコンセントにプラグを挿す。
    「それはラマットラが勝手にやってることでしょ?あたしは自分で出来るって言ってるのに」
    彼女は不満げな声を上げつつも、きちんと鏡台の前の椅子に腰掛けた。
    「出来ていない。適当に乾かして髪が湿ったままなことが多々あっただろう」
    「気にしすぎだよ、もー…」
    まだ雫の滴る彼女の髪を軽くタオルドライし、私は目の粗い櫛で彼女の髪を梳かした。
    「風呂の面倒まで見てやらんと駄目か?」
    「見るの?ラマットラ濡れちゃうけど」
    彼女は私に身を委ね、私はドライヤーの電源を入れた。部屋にドライヤーの大きな音が響き渡り、私たちは会話を切りあげた。しっとりとした彼女の髪が、段々と柔らかく、ふんわり仕上がっていく。絹のようなさらさらとした手触りとは違い、彼女の髪は綿のように柔らかい。短く切りっぱなしにしている後ろ髪はすぐ乾き、少し伸ばし気味のサイドと、前髪を整えればいつもの彼女の完成だ。
    「終いだ」
    「ありがとう」
    そう言いながら彼女は私の手からドライヤーと櫛を取り上げ、片付けを始める。そして私は切り上げた会話の続きを始めた。
    「濡れるのは構わない。それと風呂に入るという行為には興味がある」
    カランと音を立てて櫛が彼女の手から落ちた。
    「えっ、あっ、そ、そうなの?」
    私の発言に動揺して落としたらしい櫛を彼女は拾い上げた。
    「身を清潔に保つ他にも、愛を深めるために一緒に入る事があると聞いた」
    「なにそれ…どこでそんな情報仕入れてくるの…まあ、確かに身体の洗いっことかね、触れ合いなわけだし深めるのかもだけど」
    そう言いかけて彼女は口を噤んだ。みるみる赤くなる彼女の顔を私はじっと見つめ、噤んだその先の言葉を待った。
    「気になるなら一緒に入ってみる…?…その、想像とは違うかもしれないけど」
    データとしてどのようなものかは把握しているものの、実際どのように入浴するのかは見たことがなかった。未知のものへの興味が勝り、私は彼女と共に風呂に入ってみることにした。

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