相手を知りたいなら、自分の心をさらけ出すべきだ。
あたしが彼に拾われてから数日、そんな事をぼんやり思う。
キングスロウで彼と出会ったのは、同行していた家庭用オムニックの彼女が壊れてしまったからだ。四肢は砕け、頭部は顔が認識出来ないくらい潰されてしまった。そんな彼女を膝をつき、背を丸め抱きかかえながら、あたしは蔑み罵る人々から、せめて彼女の亡骸を守りたいと思った。背に投げつけられた石は、小石ほどであっただろうに、酷く痛む。助けなんかは来ないし、それが当たり前で、あたしは早く時間が過ぎるのを待っていたはずだった。ふと、人影で視界が暗くなる。あたし達を隔てるように誰かが立ち塞がっているようだった。
「ラ、ラベジャーユニット……!!」
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