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    nabetoshichimi

    @nabetoshichimi

    ローコラ中心です。
    絵も描いていきたいなと思いました。
    全てにおいてですが特にデジタル、データ関連が初心者です🔰
    無断転載はご遠慮ください。
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    nabetoshichimi

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    11/2-3にpictsqare内で開催されますロー×コラソン+おにぎりのWEBオンリーイベント『おにぎりろこりん』様での展示参加小説です。

    ・一つ屋根の下の生活が始まってから、初めて迎えるコラさんの誕生日のお話
    ・ロー視点です。考えるより動け!に繋がる恋心の自覚、両片想い

    誕生日最高びっくり大作戦 する、よな。そこは別に確認はいらねェよな。それは間違いない。そうだよな。だって何よりもの誕生日だもんな……。
     おれは確認を重ねるように、そして自分に言い聞かせるようにそう心で繰り返した。正直に言ってしまえば、こうした祝いへの認識は今更だとも思う。それは言わずもがな「決まってんだろうが」と頷くしかない。ならばなぜ、おれは性に合わないようにこうもぐだぐだと悩んでいるのか。
     この中で軸にある一つの問題は、この祝いごとへの話題について、どちらからどのように話題に出すべきかってことにある。
     状況的には迷わずに祝う側、つまりはおれから声をかける。それが一番に自然だ。そうなれば自ずと答えは出てくる。「祝ってくれッ!」となるのも大歓迎だがらあの人はああ見えて案外と遠慮をするようなところがあるからな。おまけに……今は特に自分に重きを置きたがらねェ。どの方面から捉えてもおれが率先する必要がある。
     重ねて言う。それならばなぜ迷う必要があるのか。これを解決するには遠慮なく早々に告げて、話し合ってしまえば良いのだ。コラさんは当日は何が食いたいか、何が欲しいか。その他にもおれが出来ることはあるか? 何でも言ってくれ、とそう食ってかかれば良いのだ。
    「そんな気を使うなよ。ローが想ってくれるだけで嬉しいって。それがおれは何よりだ。あ、お前のその顔は納得してねェな。それなら……気になるなら、一番におめでとうって言ってくれ」
    「決まってるだろ。むしろおれかおにぎりかどちらが先にコラさんの元に行くかって話だ。それは当然の話だから、そこからを考えるべきなんだよ」
     いくらコラさんが自分に構うなと言っても、おれは譲らないと抑え込む。おれは考えたい。どう動くのが一番にコラさんにとって良いものになるかを考えたいんだ。


     七月十五日。おれの大好きな人が――コラさんが生まれた最高の日。やはりこの日には特別の輝きがある。


     おれたちは当然にお互いの誕生日を知っている。それをいつからだ? と聞かれたら「昔っから」と答えるより他ない。今までだって、誕生日の祝いを理由にコラさんがおれの実家に来て飯を食って帰ったこともあったし、昔は互いの両親を交えて昔話に花を咲かせたり…………三人でどこかしらに出かけたりもした。そう、あの頃はそんな時間もあった。その年ごとに手の届く範囲の話にはなるが、コラさんが欲しいっつーものは毎年渡してきた。ガキの頃に作った折り紙のメダルなんかもまだ持ってたりするからな。喧嘩をすると逐一、矛にも盾にもしてくる。
    「ろおのだいすきなこらさん、が言ってるんだぞッ。ンだよ、昔はこの特別の金色の折り紙をおれに使ってくれたのによォ」
    「いつの話を持ち出してんだ。昔の話は今は良いだろう」
    「いーや、何にも良くないね。おれの宝物だ。ほれほれ羨ましいか。これはおれのものだからやらんし、返さんぞ」
     この家には思い出の写真が多くあるが、こうした二人の記憶に残るものなんかも飾ってある。双方の実家から持ってきたその箱を開ければ、おれが学園に入る前のものもたくさんあった。
    「あ、これはおれ絶対に持ってこようって思ってよォ。もうお気に入りの一枚なの。ロー、結婚式の時なんかに使って良いぞ。おれの肖像権? はおっけーだからな」
    「……っ、は、ハァア? な、何でこれを持ってきた。いや、何でコラさんが持ってんだよ」
    「何でってローのおばさんがくれたぞ。かわいー! ほしー! って言ったら、焼いて渡してくれた」
    「恥ずかしいだろうがッ。これは飾らなくて良い」
    「おれはこの家に飾るために持ってきたんだぞ。見ろよ! この一生懸命な表情。お前、何でも頑張り屋さんだな」
     自転車に乗れるようになったら、もっとコラさんと出かけることが出来るんじゃないか。あんなに早い乗り物だ。コラさんが遠くに行ってしまっても追いつけるのではないか。お気に入りの靴に新しく買ってもらった自転車。この色じゃないと嫌だと、光沢のある黄色に惹かれて譲らなかった自分を覚えている。
     ああ、そう思えば改めておれの人生にはコラさんがいてくれたんだなァ。……おれ、そんな人と、だなッ。更に大好きだった人と同じ屋根の下で暮らしているんだぞッ。何かこう……もう絶対に楽しいことを増やしたいに決まってるだろ。
     コラさんの誕生日、おにぎりの誕生日、二人に並ぶのならおれの誕生日も。おれはこの家族の形でも祝いたいんだ。
     未だにウチの両親なんかは夏が近づけば「あら」と頬に手を当ててカレンダーを気にしている。この前だってそれを理由に電話があった。食いっぷりが良いコラさんの「あ、これ旨いっす」をずっと覚えていて、誕生日や季節のイベントごとには飯を作るか、何か買うかと準備をやりたがる。そうした場面でも喜怒哀楽が激しい人だからな。コラさんのあの喜びようは当然に周りにも良い影響を与える。
    「ロシナンテくんのお家はいつも美味しいものが出てくるだろうけど……」
    「いや、いやいやッ。旨いです。自分の家の飯も好きなんですけど、ローの家でいただくご飯、いつも全部旨いっすッ」
    「本当? そう言ってもらえると嬉しいわ。無理しない範囲で……だけど、おかわりもあるからね。たくさん食べてね。ほら、ロー。あなたもロシナンテくんばかり見ていないで食べましょう。あとでケーキもあるからね。ローがロシナンテくんはイチゴのやつが良いって、教えてくれたから……」
     言うまでもなくおれに至っては毎年、自分のそれよりもコラさんの誕生日の方が気になるくらいだ。コラさん、生まれてきてくれて、おれと出会ってくれてありがとうって。それがより強まる感覚。心からそう想う。
     だから今年もこの胸の内側のそわつき、高鳴りについても自分が一番にわかっている。いくらコラさんが「何でそんなに……おれよりもローの方だろうが」と首を傾げても譲る気はない。理由だなんて“本当にそう思うから”である。
     おれはコラさんの誕生日が来るのが嬉しい。一緒に年を重ねて、時間を経ていくのが本当に嬉しい。待ち望んだり、来年に想いを馳せることには幸せがある。それは今年も決して変わらない。その上で言わせてもらう。それを大前提として、今年は例年と大きく異なることがある。

     ――コラさんへの恋心を自覚した。

     それはもう、この上なくしっかりと。おれの胸に存在しては打ちつけてくる。
     何か大きなきっかけがあったのかと問われれば、考え込んでしまう。何せ一つに絞れない。中々に終わらない作業に声をかけて振り向いた笑い顔を見た時、それこそこの頑張り過ぎてしまう人を護りたいと思った。おれの作った料理を食って旨い、ありがとうと褒めてくれた時、一緒にいて心が安らぎ、幸福を感じた。帰ってくると家の電気が点いていて、何らかの二人と一匹用の家事をするコラさんがいる。つい買い忘れてしまった日用品を思い返して玄関を開ければそれが入った袋がある。そうした何気ない日常の場面で、胸に込み上げるものがあって、きゅうっとした痛みに近い締めつけを感じる。
     おれの恋はこの日々の根にあって、延長線上に両手を広げて待っていた。おれが持つコラさんへの「好き」はひとっっっつの間違いもなく“そう”言う好きであった。思い返せばだなんてを言えば、覚えのなかった時間が悔しくて仕方がなくなる。我ながら勘は良い方だと思っていたが、これじゃあコラさんのことも何だかんだと言えねェな。
     ああ、コラさんのそんなところが好きだな。やっぱりこの人の最高だな。そんな感情が積もりに積もって、心を締めつけてきて今日に繋がっている。おれたちの今日が在る。
     気づけばもうとっくに親愛以外の愛を欲していたし、心が境界線を超えたがっていた。正直に言ってしまうと相手が抱く庇護欲なんてものは使えるだけ使いたいとしていたし、親しい友だちだけでない立場を確実に手に入れたいとも思っていた。執着、固執、強欲。この感覚を何と呼ぶのが良いのか。何て言うんだ? おれはそれも探しているのだが、上手く言語化出来ない。そうしたものが強まったのが最近であっても、それでもこの気持ちはずっとおれの中に存在してきたように想うのだ。それはもうずっと……ずっと昔の遠い場所から。
    「おれはローをよく知っているんだ、ガキの頃からの付き合いだからな」
     マメな両親が残してきたアルバムをめくれば今よりは少し若い顔つきはあるものの、いつだってあの笑顔でコラさんがいる。コラさんがおれの人生には存在している。

     好きだ。

     そう熱を込めて言ってしまいたい。コラさんが隣にいるから目立たないだけだが、おれだってそう気が長い方じゃない。
     それでも告げるタイミングは今じゃない。コラさんには今、背負っているものがあるし、胸の内に自分がやるべきだとの誓いを掲げている。
    「おれが担うことなんだ。これはおれじゃねェとだめなんだよ」
     本人はいつもそう話す。コラさんじゃないとだめ。おれだってそうだよ。喉元まで言葉が迫ってくるようではあるが、コラさんの意志を尊重したい。おれは力になりたい。コラさんに出来ることを返したい。なぜだろうか。勝手だけど、どれだけ願っても満たされなくて、いつも今度こそは、って思うんだ。この状況は――二人の生活の軸にはそんな信念がある。それは第一だ。ただそうしたものを除いてもやっぱりウマが合う。根っこのところで気が合う。これは何よりも大きい。単純に一つ屋根の下で一緒に過ごして、互いにそれが間違いないなと思っている。
     なァ、そう自惚れても良いか。コラさん、目的は見失わない。あんたにそれだけは約束する。その上で言わせてくれ。
     今年の誕生日はやっぱり違うんだ。この同居が始まってから、初めて迎えるコラさんの誕生日なんだよ。だから例年になく、気合いが入ると言うか、力が抜けないと言うか。とにかく意識が変わる。きっと続く人生の中で「あの年の誕生日はよォ……」だなんて振り返る日があるんじゃないか。おれさ、きっとそんな気がするんだ。もうこうなったら願望かもしれねェけど。だからコラさんの思い出に残る一日にしたい。
     「このおれ」が「コラさん」の誕生日を忘れるってことはあり得ない。もうここまで近づいてきているんだ。あとはいつお互いの話に出るかって感じだ。
    「そういやあ、もうすぐさー……」
    「誕生日だな、コラさんの」
    「まだ何も言ってねェのに何でわかるんだよ。その話題とは限らねェだろ。あ、何か自分から言い出したみたいで恥ずかしくなってきたんだけどッ」
     この空気感ならば自然だろうか。コラさんが何と言おうが、どう照れようが祝いごとは祝いごとだ。今年も変わらずに……いや年々深まるような喜びがある。それを示す一つとして、堪らずに十五の日付にははなまるが大きく記してある。並んだ『!』マークはどこまで付けようか迷ったくらいだ。
    「ロー、お前な……ンな華やかによォ。それならおれも書くぞ。十月にデッケェ印を付けてやる。おにぎりもだからな。きっちり家族分を祝うんだからな」
     予定はアプリで共有するようにしているが「カレンダーは要るだろ、家なんだからよォ」と言うコラさんによって、リビングの見えるところにどこからか貰ってきたものが掲げてある。あとは隣並んで日めくりも。……何でだよ。おれとしては複数、それもこんな等間隔にはなくても良いだろうがとは思うのだが、コラさんがよく今日は何の日だって話題に出したり、たまに思い出して慌てて数日分をめくっているを見てしまえば納得するしかない。それに……何であれここにいるコラさん自身が日付を意識するってのは大事だ。コラさんが世界にいる。コラさんは世界に存在する。コラさん自身がそれを目に見える形で覚えておく。身を隠す事情があろうとも、だからこそ必要だとも思っている。
    「何かついこの前、年食った感覚なんだけどな。あーッ、もう七月かよ。本当に一年経つのはあっという間だなー。半分終わってるんだぜ?」
    「それ、去年も言ってたような気がする」
    「夏がやってきちゃったなー。……ロー、外は暑い? 天気予報であり得ないくらいに暑いって言ってたぜ。くれぐれも無理しないこと。水分摂って、ちゃんと飯も食うんだぞ。あと寝ろ。睡眠が何よりってこの前テレビで言ってたぞ」
    「わかってる。コラさんこそ、室内だからって気を抜くなよ。家のことは置いておいて、昨日言ってた対策本部の方に専念してくれ。あとは適宜、部屋を冷やすばっかりじゃなくて換気をするのも忘れるなよ」
    「それじゃあ、おれからも一つ。って、わかってる。ローに心配かけたくねェからな。……あ、そうだ。家のことで思い出した。今週って缶ゴミの日であってたよな? せめてそれくらいはしねェと。えっと、第一、第三週目は……」
     より詳しく誕生日についてを言った後も心臓は例年になく、そわついて逸る音をしていた。それを悟られまいとおれは日常を擦り合わせるかのごとく、いつも玄関で話すような会話を交わす。そこにはまだ少し生活の新鮮さも残っている気がした。
     偶数、奇数週でゴミ出しが変わる曜日があるから何か語呂の良い覚え方はないだろうか? と話してから、まだしっくり来るようなものは見つけていない。そりゃあ実家でそうした家のことをやってこなかった訳じゃないし、ゴミの日だって把握している……と思う。それでもやっぱり父様と母様がいたし、今みたいな家事への主体性はなかった。
    「昨日まとめておいた袋に追加はねェよな。コラさん、夜中にブラックか何かは飲んだか?」
    「やァー、それが途中で寝ちまってよ」
    「疲れてるんじゃないか。必要な時はいつでも起こしてほしい。……持ってく。行きがけにおれが袋は出していくよ」
     ロォー! だなんて声量が増したのをおれは真っ向から受け止める。コラさんはさ、よくおれのことを「やさしい子だなァ」って言うけどな……それはやっぱり相手がコラさんだからだよ。
    「行ってきます」
    「ほい、行ってらっしゃい」
     まだ少しの照れ臭さが残る中でおれは思う。
     
     やっぱりする、よな。そうでしかない。コラさんを祝ってパーティーするッ。本人が思っているよりも盛大にだ。そこは確認はいらねェ。だって大切な人の誕生日だもんな。





     欲しいものはあるか? おれに教えてくれ。コラさんには一番を贈りたい。
     パーティーがそこに存在するのだから、そうして真っ向から聞いてしまっても何の不自然でもない……はずだ。もしかするとその方が良かったのかもしれない。万が一にコラさんが遠慮して、おれの懐なんかを気遣って本当のことを言わない可能性はあるが、それでも希望を大きくは外さないはずだ。
     素直に気持ちを乗せて「おめでとう」と何よりもの言葉を伝える。まずはこれに尽きる。その上でコラさんに今、一番に喜んでもらえるようなプレゼントを贈る。

     そう考えて数日、数週間が経つ。経ってしまったのだ。つまりは気合いが空回りしている。

    「えーッ、何だよ。嘘ォ! 良いの? ありがとう。もうー……ロー、お前な気を使うなっていったのに。開けて良いか?」
    「もちろんだ。コラさん、お誕生日おめでとう」
    「…………っ、あ! これッ! 欲しかったやつだ。ロー……ローって! 覚えてくれていたのか」
     迷うなら気持ちの分だけ数で渡そうか。しかしそれこそ数え切れない。補助輪が取れなかった頃を思えば自由に使える金だって増えたから、ある程度の質や値段は選択出来る。急に何かしらの影響を受けてのマイブームが来るコラさんだが、色を始めとして好みも把握している。今はこの家が生活の中心だから、やっぱり対策本部のデスク周りで使えるものの方が良いだろうか。
     恋をして立ち振る舞いが劇的に変わる訳ではないけれども。自覚を覚える前の誕生日だって、そうでない日だって同じくらいに大事で仕方がないけれども。
     どうしても格好をつけたがってしまうんだよ。ローとおにぎりとの時間が良いな。この家、やっぱり最高! って思ってほしい。
    「…………」
    「わうっ」
    「ッ、わ、悪ィ。ずっと抱きしめていた。強かったな。おにぎり、大丈夫か」
    「わん、わんっ」
     その心地良さが自然になってどれくらいが経つだろう。おにぎりから受ける体温に溶けていくような感覚がある。おれの心の内が伝わっているのか相槌は明るく、励ましてくれる声をしていた。

     ――やっぱりさ、ウチの子が一番かわいいって思っちゃうよな。でも絶対に親バカなんかじゃねェよ。そりゃ親ドジではあるけど……とにかく事実だって。おにぎりはかわいい!

     おにぎりの一挙一動におれたちは確信を増していく。
    「あーッ、どうするかな」
    「わう、わんわん、わうっ」
     首を後ろに倒してよりソファに身体を預ける。肩にかけての弯曲に沿って、凝りや疲れが解れていき、伸ばした場所から沈み込むような程良い気持ち良さを感じた。
     楽しいだとか、面白いだとかを思ってほしいよな。そして何よりもコラさんにとって落ち着く……帰ってくる場所だってなってほしい。

    「よしッッッ」
    「わ…………わうっ」

     それは我慢ならないと言うのが見合ったか。こうも悩むのも自分らしくないと思い始めてきた頃だ。気を引き締めようとした声は思ったより大きなものになったが、その後をおにぎりが追っかけてくれる。
    「コラさんに休憩するか声をかけてみるか。おにぎり、おれと一緒にコラさんを探ろうぜ。誕生日最高びっくり作戦だ」
     GO! と示せば一目散に駆け出すおにぎりがいる。その勢いに乗っかって、おれも今日は飛びついてみようか。滅多なことじゃあの体幹はグラつくことはねェよ。この距離にいるんだ。この近さでしか考えられないこともある。
     今から目指す方向から同じように「あーッ!」と何かを“やっちまった”声が聞こえてくる。何だよ、一息入れるタイミングで良かったじゃねェか。頭をすっきりさせる冷たい飲み物が良いか、気が安らぐ温かいものが良いか。
     大好きなコラさんと大好きなおにぎりがいる。その時間を噛みしめて、おれたちの大作戦は開始したのだった。
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    nabetoshichimi

    DONE11/2-3にpictsqare内で開催されますロー×コラソン+おにぎりのWEBオンリーイベント『おにぎりろこりん』様での展示参加小説です。

    ・一つ屋根の下の生活が始まってから、初めて迎えるコラさんの誕生日のお話
    ・ロー視点です。考えるより動け!に繋がる恋心の自覚、両片想い
    誕生日最高びっくり大作戦 する、よな。そこは別に確認はいらねェよな。それは間違いない。そうだよな。だって何よりもの誕生日だもんな……。
     おれは確認を重ねるように、そして自分に言い聞かせるようにそう心で繰り返した。正直に言ってしまえば、こうした祝いへの認識は今更だとも思う。それは言わずもがな「決まってんだろうが」と頷くしかない。ならばなぜ、おれは性に合わないようにこうもぐだぐだと悩んでいるのか。
     この中で軸にある一つの問題は、この祝いごとへの話題について、どちらからどのように話題に出すべきかってことにある。
     状況的には迷わずに祝う側、つまりはおれから声をかける。それが一番に自然だ。そうなれば自ずと答えは出てくる。「祝ってくれッ!」となるのも大歓迎だがらあの人はああ見えて案外と遠慮をするようなところがあるからな。おまけに……今は特に自分に重きを置きたがらねェ。どの方面から捉えてもおれが率先する必要がある。
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