猫代理代理は時々猫になる。
大体は柄冴の外出に付き添う時だが、稀になんかしらの不調が出ている時もなることがあった。
今日はどうやら後者のようで、クッションの上で前足を交互に押し付けて寝やすいように整えると、そのままクルンと丸まった。
柄冴はその横にそっと座ると代理に話しかけた。
「…代理?」
「…にゃっ…」
柄冴の呼びかけに代理は小さく鳴いて答えるとゆっくりと尻尾を揺らす。
それを見て何かの原因で少し弱っていることを知ると、柄冴はゆっくりと代理の体を優しく撫でた。
「今日は猫がいいのか代理?」
そう言うと、代理は小さくうーっと唸るとあぉん、と小さく鳴いた。
その様子にどうやら病気ではなく精神的な疲れによるものだと把握すると、柄冴は代理を優しく撫で続けた。
しばらくするとその撫でる気持ち良さからか代理から静かな寝息が聞こえてきた。
柄冴はそっと手を離すと体育座りをして眠る代理の寝顔を見た。
「大人って大変なんだな…」
そうポツリと呟いて寝ている代理を見ていると、柄冴もうとうと眠気がやってきて大きくあくびをした。
そしてそっと代理が眠るクッションの隣で横になると、そのまま一緒に眠り始めた。