ロルフラうきうきお買い物デートの話ある日のワイリーロボ基地にて、部品やらの買いだしの準備をしているメタルに気づいて、フラッシュが声をかける。
「どうしたんだメタル兄貴、買い物に行くのか?」
「ああ急に部品が足りなくなったからホームセンターに行こうと思うんだ。あとは博士の夕食の食材をいくつか買いに行かないと」
他の仕事も忙しそうな兄に代わって、俺が行ってくるとフラッシュが名乗り出た。
「フラッシュ買い物できるのか?」
「ああちょっと調べたことがあるから、まかせてくれ。兄貴は緊急メンテや博士の手伝いで今日は忙しいだろ?」
「それは助かる。フラッシュ頼んでいいか?」
メタルよりおつかいを頼まれたフラッシュだが、別にメタルのために言い出した親切心ではなかった。
実は…
「あっ、フラッシュこっちよ」
手を振ってフラッシュを呼ぶのはライトロボの一人ロールちゃんだ。ロールちゃんとは敵同士だがひそかに何度か交流を重ねてお付き合いしている間柄だ。
「まずはホームセンターに行きたいんだが…」
「ええまかせて、今日セールやっているお店は…こっちね」
二人仲良くホームセンターに買い物に向かった。
その後、大量の荷物を抱えて帰ってきたフラッシュだったが、なぜか上機嫌な様子だった。
◆◆◆
一方その頃、ライト博士の家では……
「博士、お茶が入りましたよ」
「うむすまんのう」
台所から湯飲みをお盆に乗せて持ってきたのは博士の手伝いをするロボットのロックだ。今日はロールちゃんは買い物に出かけているから、家のお手伝いはロックのお仕事。本業はお手伝いなのだから、はりきってお仕事をする、が。
「熱い熱い!ロックどこにお茶をかけておるんじゃ」
ライトが悲鳴を上げる。ぼたぼたと熱湯をライトのお腹にこぼしていたのだ。
「わわっ、博士ごめんなさい。いっけなーいうっかりしてたよ」
あはは笑ってごまかすロックだ。本業だけどドジなのでいつもお仕事でやらかしてしまう。
「いいんじゃよ、かわいいから許す。しかしロールがおらんとてんでダメダメじゃのぅ」
◆◆◆
ホームセンターで買い物をすませたロールちゃんとフラッシュは仲良く商店通りを歩いていた。
「助かったぜロール。同じような商品でもメーカーによって数量や料金とかずいぶん違うんだな」
「そうよ。金額だけで選ぶのも厳禁よ。商品によっては規格が違ってたりするの。なにを買うか事前に調べて買い物をすることも大事なの」
お買い物に関してはロールちゃんのほうが先輩だ。いろいろと学ぶことがあり、フラッシュは感心する。
「なるほど、勉強になるぜ」
「ふふん、もっと尊敬してもかまわないわよ」
得意げに胸を張るロールちゃん。その胸に視線が行くフラッシュである。
「……今日のロールいつもと少し違って見えるんだが」
「あら、気づいてくれた?ふふっ、服に飾りをつけてみたの。女の子は着飾ることも楽しむのよ」
いつもの赤いワンピースだが、胸元に小さなリボンの飾りがついていたことにフラッシュは気づいた。
「だってアナタとのデートですもの。少しはオシャレしたいでしょ」
と恥ずかしそうに微笑むロールちゃんにフラッシュは心の中で「(かわいい。)」と頷いた。
「さぁ、次はどこに行く?」
「そうだな……あっ!」
「どうしたのフラッシュ?」
突然声を上げたフラッシュに驚いて振り向くロールちゃん。そしてフラッシュが指差したのはゲームセンターだ。
「ゼームセンターね。時間に余裕もあるし、ちょっと寄ってみる?」
「い、いやちょっと待ってくれ」
「?どうしたの?」
てっきりゲームセンターに興味があってのリアクションだとロールちゃんは思ったが、フラッシュの反応はどうも違うようだ。
「なんでアイツがこんなところに…」
ゲームセンターの中で見知った姿を見てしまったからだ。それはクラッシュと、なぜかクラッシュと一緒にいたのはライトロボのエレキマンだった。
「あら、エレキじゃない。あたしの弟なのよ。ちょっと声かけてくるわね」
とロールちゃんはスタスタとゲームセンターの中に入っていった。
「きゃー、久しぶりねぇエレキー。元気にしてた?」
「ロールさん、どうしてこんなところへ……」
いきなり抱きついてくるロールちゃんにうんざりするエレキだ。
「最近会えなかったから寂しかったのよぉ。ところで今日はどうしたの?」
「ええ、今日は刺激を求めてゲームセンターでビリビリな体験をしにきたのですよ」
「おいお前、早くおれっちと勝負しろよ」
ビリっと静電気をまき散らすエレキに向かってクラッシュが好戦的に対戦を求める。
「おやこれは失礼、あなたとは初対面ですね。私はセクシーの伝道師ことエレキマンといいます。よろしくお願いしますね」
「なんだよコイツ。おれっちのこと知らねえのかよ」
「えぇ知りません。なので教えていただければありがたい」
のんきな口上をするエレキのすそを引っ張りながら、ロールちゃんがちょっと…と物申す。
「相手しちゃだめよ。彼ワイリーロボよ」
「ああめちゃくちゃ俺の身内だ」
とフラッシュがクラッシュの前に現れた。
「おおっフラッシュじゃん。なにやってんだよお前」
「それはこっちのセリフだ。こんな街中で問題起こしたら、兄貴に説教されるぞ」
クラッシュは暴れたら手が付けられない。エレキマンや他のやつらはどうでもいいが、ロールちゃんを危険に巻き込みたくないフラッシュはなんとかクラッシュをここから遠ざけたい。
「なんだかよくわからないけど、私が勝ったらおとなしく帰ってくれるのかな」
「そういうことだ」
「じゃあ決まりだ。いくぜ、必殺……クラッシュドリルパンチ!!」
「そんな技があるなら先に使えよ!」
とツッコミを入れるフラッシュだが、すでに拳を振りかぶっているクラッシュには届かない。
「うわっ!?」
まともにくらったエレキは店の奥まで吹っ飛んでいった。
◆◆◆
「はぁー、ひどい目にあったよ」
とため息をつくエレキ。しかし彼の体はボロボロだ。
「大丈夫か?」
とエレキを気づかうフラッシュに気づいたクラッシュが抗議の声を上げる。
「おいフラッシュ、なんでそいつをかばうんだよ?お前はおれっちの側だろ」
しゅばっとドリルの手を向けながらそういうクラッシュにフラッシュは
「よく考えろクラッシュ、俺たちの敵はロックマンだ。コイツはライトロボかもしれないが俺たちのターゲットじゃないだろ」
「そうなのか?おれっち細かいことはわかんねーよ。とりあえず暴れたいだけなんだ」
「だから街中で暴れんなよ。俺たちが問題起こして捕まったら、博士の迷惑になるだろ」
フラッシュはなんとかしてクラッシュを大人しくさせたい。
だが、どうやって説得したものだろうか?するとそこにロールちゃんが現れた。
「まぁ大変、ケガしてるじゃない。ちょっと待ってて」
とロールちゃんは自分の荷物の中から救急セットを取り出すとエレキの手当を始めた。
ロールちゃんの手つきはなかなかに上手で、すぐにエレキのボロボロのスーツはキレイに縫い直された。
「さすがロールさん、頼りになりますね」
「ふふん、当然でしょ。でも内部の破損はあたしには無理だから、ちゃんとライト博士に直してもらってね」
「(ロールはかわいいだけじゃなくて優しいな。ますます好きになってしまうぜ…。)」
ぽっと頬染めながらロールちゃんを見つめるフラッシュだった。
その様子を見ていたクラッシュがなにか思いついたように、
「へーいいな。壊れたらロールちゃんが直してくれるんだ。じゃあおれっちも壊れてこようっと」
そういって店を飛び出したクラッシュ、フラッシュは嫌な予感しかしなかった。慌ててクラッシュを追いかける。
「おい待てクラッシュ!どこに行くつもりだ?」
「決まってんじゃねえか、この辺で一番強い奴と勝負するんだよ」
「バカなこと言ってないで帰るぞ!」
と追いかけようとしたとき、目の前に立ちふさがるのはエレキだ。
「ちょっと待ちなさい。まだ私との決着がついてませんよ」
これは面倒なことになりそうだ。そう思ったフラッシュはタイムストッパーを使ってこの騒動を回避させようと思った。
「タイムストッパー!」
フラッシュはタイムストッパーを発動させた。タイムストッパー発動中は自分以外の時間を止めることができる。だがそれはわずかな間だ。エレキとクラッシュの二人をどうにかできるのはフラッシュには困難だ。手っ取り早いのは、ロールを安全な場所に避難させることくらいだ。すぐにロールを抱きかかえて、フラッシュはそこから離れた。
「ん…あれ?みんなは?」
きょときょととロールちゃんが不思議そうに周りを見渡す。そこはどこかの路地裏で、先ほどいたはずのゲームセンターとは別の景色になっていた。目の前にはフラッシュしかいない。
「あ、あああいつらなら、どっか広い場所で勝負しようつって走っていったぜ」
と適当な嘘をついた。
「ええっ!?せっかく修理したばかりなのに、また壊されちゃう!」
「悪いな。アイツらにも後で言っとくから」
「うん……わかった。ところでここは?」
「ああちょっとな、道に迷ったみたいだな」
「そうなの?でもここは商店通りの路地裏のようだわ」
買い物でよくここにきているロールちゃんはすぐにわかったようだ。
「ここの道を抜けた先にいい場所があるの。行ってみない?」
フラッシュはロールちゃんに手を引かれて、案内された場所に向かった。
◆◆◆
「ふう、やっと着いたわ」
「ずいぶん遠くまできたな」
ロールちゃんに連れられてやってきた場所は、空き地のような開けた土地だ。
「ここにはよく遊びにくるの。お友達とも会うしね」
「なるほど、ここで遊んでるのか。眺めも良くていい場所だな」
「でしょ。だからアナタにも教えてあげたかったの」
嬉しそうに微笑んで、ロールちゃんはフラッシュの手をきゅっと握ってきた。
「あっ……」
ドキッとして顔が赤くなってうつむくフラッシュ。
「あらどうしたの?具合が悪いの?」
心配して顔を覗き込んでくるロールちゃんに、フラッシュは思わず抱きついてしまった。
「きゃっ!?どうしたのよ急に?」
「あ、いやすまない。体が勝手に動いたんだ」
「謝らなくていいのに。あたしは驚いただけで、すごく嬉しいのよ」
そういってロールちゃんも抱きしめ返すように、フラッシュの腰をぎゅっと抱きしめた。
(うわぁ柔らかい……。)
「あの、そろそろ離してくれないか」
「ダメよ。もう少しこのままでいさせて」
ロールちゃんはとても幸せそうだった。
◆◆◆
「さて、そろそろ戻らないとな」
「そうね。今日もすごく楽しかったわ。フラッシュと一緒にいられて幸せよ。また、一緒にどこかに出かけましょう」
約束よとロールちゃんは微笑んだ。次の約束は嬉しいが、別れる瞬間切ない気持ちをフラッシュは覚える。一緒の時間が幸せな分、離れる時間は寂しい。
「ああ、もちろんだ。俺もまたロールに会いたいよ」
「よかった。じゃあ最後にもう一回だけギュッてして」
ロールちゃんが両手を広げる。フラッシュは優しくロールちゃんを抱きしめる。
「ん、ありがとう。じゃあそろそろ帰りましょ。あたしも早く帰らないと博士が心配するわ」
「そうだな」
二人は来た道を引き返そうとした。だが、そこで二人の前に人影が立ちはだかる。
「ちょっと待ちな」
その声の主を見たフラッシュは驚く。なぜならそこに立っていたのはクラッシュだったからだ。
「クラッシュ!なんでここにいるんだよ?!」
クラッシュを見てフラッシュが驚きの声を上げる。もうとっくにクラッシュは基地に帰ったものと思っていたからだ。
「いやぁ、おれっちももっとロールちゃんとイチャイチャしたいと思ってな」
「どういう意味だよそれ?」
「そのままの意味さ。おれっちもお前さんたちと同じだってことさ」
クラッシュはそういうと、なぜかファイティングポーズをとった。
「おいクラッシュ!何をバカなこと言うんじゃねえ。早く帰るぞ」
ぐいっとクラッシュの体を押しながら、帰るようにフラッシュが促す。
「おっと、そうはいかないぜ」
しかし、逆にクラッシュに押し返されてしまう。
「くっ……なんて力だ!」
「へへへ、パワーには自信があるからな。じゃあいくぜ!」
そういってクラッシュはフラッシュに向かってパンチを繰り出してきた。
「うわっ!」
フラッシュはなんとか避ける。だが、次はキックが飛んでくる。それも避けたが、今度はタックルされて押し倒されてしまった。
「ぐはっ!!」
「まだまだいくぜぇー!」
さらにラッシュが続く。なす術なく一方的に殴られてしまうフラッシュ。
「どうしたそんなもんかよ?フラッシュ」
嬉々として目を輝かせるクラッシュ。バトルバカもこんな時は勘弁してくれとと思う。せっかくのロールちゃんとのデートなのに、なんでクラッシュとこんなことやっているのか。
「ちょっとやめなさいよ」
二人のバトルを止めようとロールちゃんが間に入ってくる。
「おう、邪魔しないでくれよ。今いいところなんだから」
「何言ってるのよ。アナタ、あたしとお出かけしてたフラッシュにひどいことしてるじゃない」
「それはお互い様だろう。それにこれはただのスキンシップさ」
「嘘つかないでよ。そんな一方的な行為ただの暴力でしかないわ。フラッシュはあなたと戦う気なんてないじゃない」
フラッシュをかばうようにロールちゃんは凛としてクラッシュの前に立つ。
戦闘用でもないただの家庭用のロールちゃんがクラッシュに敵うはずない。ロールちゃん自身もそんなことわかっているだろう。それでも、フラッシュを守りたくてそうしているのだ。大好きな彼を守るために。
「大丈夫だロール。俺は負けない。お前が守ってくれるなら、絶対勝てる気がする」
立ち上がり、フラッシュは拳を構えた。
「ほう、まだやる気かい?」
「ああ、お前を倒すまであきらめない。ロールがいるから、俺はもっと強くなれる」
ロールちゃんとフラッシュの間にキラキラとハートのオーラが見えるようだ。それはクラッシュにはない力。
二人だけの絆の力。
「なるほどねぇ……。でもよぉ、おれっちは戦いが好きだからよお。一度始めたら止まらねえんだわ」
そういってクラッシュは構え直す。
「悪いけど、おれっちも本気で行かせてもらうぜ」
「わかった。こっちも手加減なしでいくぜ」
キーンとあたりを漂う張り詰めた空気。戦いに集中した男たちが生み出す特別な空間。ロールちゃんは手を握りしめ、祈る。
「がんばってフラッシュ……。信じているわ……」
そして、その緊張の糸は切れて、弾けた。
◆◆◆
「うおおおお!!!」
「うおりゃあああ!!!」
クラッシュとフラッシュは互いに渾身の一撃をぶつけ合う。激しいぶつかり合い、体と体をぶつけあい、金属が激しく叩きあうような音が響く。
まっとうな殴り合いなら、クラッシュのほうが上手だ。フラッシュは距離を取り、タイムストッパーを使うすきを窺う。
だが、クラッシュもそれを見逃さない。フラッシュが距離を取ろうとすれば、すぐに追いついて追撃してくる。
(くそ、どうしたらいいんだ?!)
攻撃を避けつつ、フラッシュは考える。このままではいずれクラッシュの攻撃を食らいそうだ。
(クラッシュの動きを止める方法……そうだ!)フラッシュはあることを思いつく。うまくいくかどうかはわからない。だが、やってみる価値はありそうだ。
「はあ、はあ、なかなかやるじゃねえか。おれっちも本気を出しちまったぜ」
「そりゃあどうも」
「だが、次で決めてやるぜ!覚悟しろよフラッシュ」
にやり、とフラッシュがなぜか不敵に笑った。
「おいクラッシュ、あんなところに巨乳のかわいこちゃんが微笑んでいるぜ」
はるか先をフラッシュが指さし、思わずクラッシュが「え?どこどこ?」と後ろを向いた。その瞬間、「タイムストッパー」フラッシュは瞬いてタイムストッパーを発動し、固まったクラッシュを背に、ロールちゃんを抱きかかえてその場から走り去った。
◆◆◆
「…ったく、クラッシュのやつにはまいったぜ。まあここまでくれば大丈夫だろう」
街を見渡せる高台までフラッシュは走ってきた。ロールちゃんを抱き下ろすと時間が動き始める。
「あっあれ?フラッシュ、ここは?」
一瞬で目の前の景色が変わっていることに戸惑い、ロールちゃんがきょときょととあたりを見渡していた。
「ここがどこかは俺にもわからん」
「ふぇっ?!」
「だが、街の様子が見下ろせて絶景スポットなのは間違いないぜ」
「もう、そんなこと聞いていないわよ!」
「ごめんごめん。とりあえず、この辺に座ってゆっくり景色を眺めようぜ」
「よくわかんないけど、そうね。せっかくだもの」
といってロールちゃんがフラッシュの隣に座り、彼の体に体重を預けるように寄りかかった。
「こうして二人でいるだけで幸せだなぁ」
「そうね。あたしもすごく幸せよ」
夕日に照らされた街並みを見ながら二人は呟く。戦いに疲れた心が癒されていくのを感じる。
「ところで、さっきの話の続きだけど」
「ん?」
「またどこかに一緒に出掛けようって話よ。ねぇ、どこがいいかしら?」
キラキラとした目でフラッシュを見上げてくるロールちゃん。
そんな彼女の期待に応えるべく、フラッシュは頭の中でデートプランを考える。
「そうだな……。まずは服を買いにいこうか。今度のデートはショッピングデートにしようぜ」
「うん、楽しみにしてる」
「それから映画とか観に行こうか。あとは遊園地もいいかもな。前にヒートのやつが話していたんだ。ファンシーランドが楽しかったって」
「あの人気の遊園地ね!いいじゃない。行ってみたいわ」
フラッシュにとってはどこだっていい。どこだっていいのだ。大好きなロールが幸せなら、楽しいなら、どこにだって連れて行きたいと思う。
フラッシュにとって一番行きたい場所は、ロールのそばなのだから。
そんなことを思って、フラッシュはにまりと笑んだ。
「そういえば、あの時の約束はまだ有効なのか?」
「え?なにかしら?」
「ほら、いつか一緒に旅行に行くっていう……」
「ああ、もちろんよ。いつにする?」
「そうだな。それじゃあ……」
フラッシュは立ち上がり、ロールの手を引いて立ち上がらせる。
「来週、連休があるだろう。その時なんかどうだい?」
「ええ、いいわよ」
「よし決まりだ。じゃあ、これから俺たちは恋ロボ同士だ」
「ふふ、何言ってるのよ。あたしはとっくにアナタとそういう関係だと思っていたわ」
んもう、とかわいらしく頬を膨らませてフラッシュの胸を小突くロールちゃんに、フラッシュは照れてはにかんだ。
きっとこんなふうに、これからもロールと過ごしていきたいと強く思うフラッシュは家路に向かうのだった。途中でクラッシュを回収してちゃんとお家に帰ったのだった。
おしまい。