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    hisoku

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    hisoku

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    走り書きです
    前世記憶なし、尾語り
    何とかして甘いセッススをしたかった杉の話

    #杉尾
    sugio
    #現パロ
    parodyingTheReality

    ハニーおいっ、待て、それ違うだろ、ローションじゃねえ、なんだ、それっ!?

    蜂蜜。

    は?

    蜂蜜だけどっ。

     シルエットで杉元が手にしているボトルがいつもと違う形状だと気付いて手首を掴んで問うも、何故か堂々と白状されて、そこから攻防戦が始まった。こいつ、俺の身体にこれをかける気だ、と解った以上、俺はそんなもので身体をべたべたにされたくないし、杉元は杉元で引く気配もない。何がなんでも使う気だ。暗がりでも目で解る。本気の目だ。

    やめろ、そんなもん。

    いいだろ。

     ぐぐぐぐと力を込められて、両手でボトルを手にしている右手を掴んで押し返そうとするが、こっちは寝そべっていて杉元は馬乗りで上から押し付けようとしてきているのだから分が悪い。そもそもの腕力でも勝てそうにない。

    なんで、そんなもの使おうとするんだよ、くそ、やめろって。

    いいだろ、ちょっとくらいっ。

    少しも説明に、なってねえっ。

     ボトルを開けようとする素振りを見て、親指を上から手で押さえる。こんなもん、下手にベッドの上にぶちまけられても困る。先ずは話をして気をそらせるか。

    それを誰に塗るんだ。

    俺とお前。

     意外な返答とともに杉元の力が少し弱くなったのを感じた。やっぱりそうだ。こいつは何か云いたいことがあると、云わずに先に行動に出たりする。

    どこに塗る気だった。

    どこでもいいから塗って、そしたら。

     更に力が弱くなり、その隙をついてなんとか起き上がる。股の上で膝立ちしていた杉元の胸を身体で押して下がらせ、向き合うようにベッドに座った。ボトルも両手で柔く持っているだけになって、ベッドサイドの照明を点ける。目を細め、明るさに慣れた頃に、そっと杉元から蜂蜜を取り上げて、大人しくなった目を見据えた。

    ムードを作りにか。だからって勝手に使うな。

    だって、嫌がるだろ、お前。

     杉元が俯く。

    嫌がると解っていることをして、なぜ、好いムードが作れると思ったんだか。

     理解が出来ない、と頭頂を撫でて蜂蜜のボトルを見つめる。杉元はまだ俯いたままだ。

    お前、時々本当にどうしようもねえな。

     話ながら静かに蓋を開け、少しだけ指にとって唇につける。焼きが回った。

    本当にどうしようもねえ。

     もう一度同じ台詞を口にして近付いて杉元の胸に手を添える。顔を上げたのに合わせて、下から掬い上げるキスをしてやる。自分の唇が杉元の唇の裏側に触れるよう押し付け、味あわせると解ったのか舐めてくる。

    ものに頼んな、阿保が。

     そう一言伝えて、押し倒した。
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    DONE猗窩煉/現パロ
    実家から出て2人で同棲してます。
    ライトな「価値基準が違うようだ!」が書きたくて書いたお話です。
    喧嘩したり家飛び出したりしてるけど内容は甘々。
    「君とは価値基準が違うようだ!!実家に帰らせてもらう!」

    近所中に響き渡る声と共に、騒々しく杏寿郎は出ていった。
    またか、と勢い良く閉められた玄関のドアをぼうっと見つめること10分。リビングの方から間の抜けた通知音が響く。重たい足取りで通知を確認すると、それはまさしくさっき出ていった杏寿郎からのメッセージだった。

    『今日は実家に泊まる』

    …律儀と言うか何と言うか。喧嘩して出ていったにも関わらず、ちゃんとこういう事は連絡をしてくるのだ、杏寿郎は。

    先程までどうしても譲れないことがあって口論していたのに、もう既にそのメッセージだけで許してしまいそうになる。

    駄目だ、と頭を振って我に返る。この流れもいつものことだった。実際、今までは俺の方から折れている。

    杏寿郎と一緒に住むようになったのは一昨年の12月。あれから1年と少し経っているが、住み始めた頃も今も、些細なことで言い合いになって杏寿郎が家を飛び出すという事がたまにある。

    その度に「価値基準が違う!」とか何とか言って出ていくものだから、正直なところ、デジャブの様なものを感じてかなり傷ついていた。

    だが毎回、言い争いの原因は 3534

    hisoku

    DOODLE作る料理がだいたい煮物系の尾形の話です。まだまだ序盤です。
    筑前煮 夜の台所はひんやりとする。ひんやりどころではないか。すうっと裸足の足の裏から初冬の寒さが身体の中に入り込んできて、ぬくもりと入れ換わるように足下から冷えていくのが解る。寒い。そう思った瞬間ぶわりと背中から腿に向かって鳥肌も立った。首も竦める。床のぎしぎしと小さく軋む音も心なしか寒そうに響く。
     賃貸借契約を結ぶにあたって暮らしたい部屋の条件の一つに、台所に据え付けの三口ガス焜炉があるということがどうしても譲れず、その結果、築年数の古い建物となり、部屋も二部屋あるうちの一部屋は畳敷きになった。少し昔の核家族向けを意識して作られた物件らしく、西南西向きでベランダと掃き出し窓があり、日中は明るいが、夏場には西日が入ってくる。奥の和室の方を寝室にしたので、ゆったりとしたベッドでの就寝も諦め、ちまちまと毎日布団を上げ下げして寝ている。また、リフォームはされているが、気密性もま新しい物件と比べるとやはり劣っていて、好くも悪くも部屋の中にいて季節の移ろいを感じることが出来た。ああ、嫌だ、冬が来た。寒いのは苦手だ。次の休日に部屋を冬仕様をしねえとと思う。炬燵を出すにはまだ早いか。洋間のリビングの敷物は冬物に替えとくか。気になるところは多々あれど住めば都とはいったもので、気に入って暮らしてはいて、越してきてもう三年目の冬になった。
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