ご覧ください、狂った僕を俺は気が狂っているんだ! 慎重さなんてクソと一緒に投げ捨てたさ!
いちいち戯けた節をつけてそう言うので、聞いていた女は呆れた顔で中空を見上げた。
昔馴染みのこの男と来たら、自ら破産しようと言うのである。
正確にはそう見えるほどに車に金を注ぎ込んでいるのだ。
「まあ、あんたの金だからね。いい大人なんだし止めやしないけど、これからどうするつもりだい? 退職願まで出したって聞いたよ」
「おー、耳が早いな。2階の部署の馬の合わない噂好きの女子たちとは仲良くなれたのか?」
「な訳ないだろ。それだけ話題になってんだよ。ちょっと前、2・3日勝手に失踪したあんたを受け入れてくれた寛容な職場だってのに」
「ははは、感謝している。これは本当だ」
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