左千夫誕生日 2ー④▲▲ sachio side ▲▲
ゆっくりと意識が覚醒していく。久々に深く眠ったので指の先まで感覚が研ぎ澄まされているが原因は其れだけではないようだ。九鬼が僕の体に何かした。具体的には分からなかったが細胞が新しいものへと入れ替わっている。痛くはないがヘタにやれば全ての神経への信号を破壊されそうだと思った。そうなるならば仕方が無いので彼からの好意として受け取る事にする。服も着せてくれていたし、髪も既に結われていたのでパーティの集合時間よりも早く準備が終わってしまった。それならと、携帯のメッセージを確認してから外へと跳び出した。
「井上さん、お疲れ様です」
「神功さん、お疲れッス」
「すいません、この前はお恥ずかしい所を見せてしまって……」
1999