無名の唄2話バックボーン

目を瞑っていると思い出す。

子供の頃 、 私は、酷い目にあってきた。両親は直ぐに亡くなって、私は叔父と叔母の家に預けられる事になった。叔父は私の事を気に入らなくて、叔母は借金を抱えて生活に苦しむ毎日。毎日、殴られてご飯も無くて、お風呂にも入れなくて、だけど、優しい叔母が居たから生きていられた。だけど、ある日───「おじさん、おばさんはどこ...」何度聴いても、答えてくれない叔父。私が何度も問いかけていると叔父は、立ち上がって私の胸ぐらをがっと掴んでこう言う。『そうだ、お前のせいだ。こんな変な髪で、目のせいで、そうだ....売っちまおう。お前の臓器もアイツと一緒に。』「え....」その時私は、初めて、使えないお風呂場に、冷たくなって眠っている叔母を見つけた。私はそれを見た途端、恐怖で脚がすくみ、地にぺたりと座り込む。叔父はこう言う『お前のせいだ』私が悪い子だったから私のせいでぐるぐる頭を嫌な考えが巡る。叔父は私の腕を引っ張って、呟く''これで借金チャラだ''私と叔母は、車に乗せられて、私は眠くなって、....でもそれから後のことは覚えてないけど、お医者さんによると『肝臓が無くなっている』と言われた。酷い話だよ。皆と違うだけで、ここまでされるなんて。人間全てが最初から皆こうって訳じゃないのは分かってる。だけど、

無名の唄無名の唄

1話

煙草の匂い、カーテンから漏れる日の光の眩しさ。狭苦しい部屋。何時もと変わらない。それで満足しているはずなのに、人は変化を求め続けている。「んんーーっ」背伸びをして、名前の無い私は歯磨きをする。「ぺっ....（あ、血出た。あーあ。）」歯磨きをしてお湯を沸かして、トーストを作る。（今日あるのは、チョコレートバター、マーマレード....）「マーマレードでいっか。」テレビを着け、朝食を食べる。何か面白い事が起きていないかと、不思議と期待する。『~氏が児童虐待の──』「しょーもな。」冷めた目でニュースを見る。犯人に心底しょうもない事したなと思いながら。「あ、行かなきゃ。」準備をして、学校に向かう。学校に友達は居ない。だがぼっちと言う訳でもない。名前の無い私を、皆は受け入れて優しくしてくれている。話が合う子も居る。だが、自分から友達を作ろうとする気にはならない。白い髪をなびかせ私は席に着く。何となく空を見て呟く「何か、起きないかな。ふふ...なんてフラグ立ててみたり。」だが私のフラグは回収される事は無かった。 ...... 4限目までは。