無名の唄無名の唄
1話
煙草の匂い、カーテンから漏れる日の光の眩しさ。狭苦しい部屋。何時もと変わらない。それで満足しているはずなのに、人は変化を求め続けている。「んんーーっ」背伸びをして、名前の無い私は歯磨きをする。「ぺっ....(あ、血出た。あーあ。)」歯磨きをしてお湯を沸かして、トーストを作る。(今日あるのは、チョコレートバター、マーマレード....)「マーマレードでいっか。」テレビを着け、朝食を食べる。何か面白い事が起きていないかと、不思議と期待する。『~氏が児童虐待の──』「しょーもな。」冷めた目でニュースを見る。犯人に心底しょうもない事したなと思いながら。「あ、行かなきゃ。」準備をして、学校に向かう。学校に友達は居ない。だがぼっちと言う訳でもない。名前の無い私を、皆は受け入れて優しくしてくれている。話が合う子も居る。だが、自分から友達を作ろうとする気にはならない。白い髪をなびかせ私は席に着く。何となく空を見て呟く「何か、起きないかな。ふふ...なんてフラグ立ててみたり。」だが私のフラグは回収される事は無かった。 ...... 4限目までは。
『次体育だよ...移動しないの』
「私、体育参加出来ないもん。ここで待機しとくわ」『しとくって、どーせ寝てるだけでしょムメちゃん。』「その呼び名変だからやめてって言って」突然、今目の前にいた子のお腹に巨大なあかい棘が突き刺さる。血が私の顔面にかかる。そして、『ぁ''ぁ、あ''ああああああああ''''い''だい''いだい''いだい''っ』「え、ぁ、何 、 どう 、なって 、これ 、いや、いやぁぁぁぁっ」『あが、ぎぇ゜ぁ'''』私は、逃げてしまった。助けるべきだったのに、助けられたのに、怖くて、何が起こってるか分からなくて、逃げ出した。だけど、それは間違いだったと知らされる。『無名どうし』「せんせ」ぐちゅ、また、大きな棘が、私が通ると皆死んでいく、殺されていく、落ち着かないと、落ち着かないと、どうしよう、どうしよう.....誰にも会わずに高校から出ないと、でも、どうやって、「今の時間は体育、だったら...」皆講堂に居るはず、だから....(私は急いで、階段を下り、学校の外へ出る。)「よし誰も居な」出た途端私はネットに包まれる。身体が痺れて動けなくなる。あれは、警察...どうしてここに...どうして私がこんな目に...何か喋ってる 『呪い....ストレス値.....計算....』注射器....嘘、ヤダヤダヤダ、やだ、や、だ.......。私の目の前は暗闇で包まれた