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    とまと

    @nyotagiyu

    特に日受、🌊受、を今は。
    女の子、NLBLGL女体化好き。
    にょたぎゆは俺が幸せにする。

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    とまと

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    メタい血鬼術でしのぎゆとさねぎゆ
    特にそっくりな絵とかは危ないよね

    #さねぎゆ
    #しのぎゆ
    clean,FreshlyPouredBath

    一般人とは住み分け大事だよねそれはとんでも無い血鬼術だった。鬼の首は斬り落としたものの、その異常なまでの執念で消え失せる間際に放たれたそれは、不死川の脳におびただしい量の知識を流し込んだ。思考の目まぐるしさに頭を抱えて蹲る。不死川はある一つの言葉が気になって仕方がなかった。
    「さねぎゆ」
    その言葉と共に頭の中に現れては消える見たことも聞いたこともない文書や絵、それらは全て己が嫌いだと公言している冨岡とのものだった。あの澄ました顔で人を見下した様な発言をするいけ好かない男は、その作の中では不死川に好意があり可愛らしく頬を染めたり泣いたり笑ったり表情がとても豊かだ。
    挙げ句本当は言葉足らずで消極的で末っ子気質だと言う。にわかには信じられないそれらは、しかしこれまでの冨岡の言動を思えばストンと納得のいくものだった。ではここ最近冨岡がおはぎを持ってしつこく追いかけ回して来るのは馬鹿にしている訳では無く、本当に己との仲を良くするためだと言うのか?
    不死川は目を見開いた。そしてドカドカと音を立てて呼吸までも乱してくる心臓を抑えた。顔や耳までどこもかしこも熱い。己の体を支配するそれは歓喜だった。こちら等取るに足らないものだとでも言うように逸らされる感情の見えない透き通った青い目に己はしっかりと映っていたのだ。それも思慕に濡れた瞳の中に。嫌悪は感じられなかった。むしろ飛び切り美しい宝石を手に入れた様なそんな気分だった。両手を空に伸ばして高笑いしたいくらいで、やったー!冨岡俺のこと好きなんだってよォオ!と向こうの山に向かって叫んでやまびこを浴びたかった。
    不死川は普通の男だった。
    脳内を埋め尽くすその情報を誰かの作だと理解しながら現実との区別がついていなかった。冨岡は確かにおはぎを持っててちてちとついて来る事はあるが一度も不死川を好いているとは言った事が無い。風評被害だった。
    不死川の中で既に冨岡は己の恋人だった。何だったら好きにして良いとすら思っていた。思い立ったら即行動、不死川は走り出した。それはもう爆速で。目の前には目をまぁるくしてこちらを見ている冨岡。大分驚いていた。それはそうだ。突然何処からともなく風柱が己の前に姿を現したのだから。
    不死川はにやりと笑って冨岡の顎に手を添え顔を上げさせた。青い目は戸惑いに揺れている。
    「し、不死川?え、どこから??」
    慌てる冨岡を可愛らしいと微笑んで不死川はそっと顔を寄せた。初めて見る不死川の優しい顔に冨岡はピシリと音を立てて固まった。
    「冨岡ァ、せ、せせせせ接吻しよーぜェ」
    淡雪の様な綺麗な顔を前にして緊張したのか不死川の言葉は噛み噛みだった。息も荒かった。冨岡の目が今度は動揺して落ちそうになるくらい見開かれた。そして困った様に眉を下げて不死川の手を払い落とした。
    「なぜ、嫌だ」
    冨岡は首を傾げていた。目も合わせようとしない。再びピシリと音を立てて固まったのは不死川の方だった。
    アッレェエエエ??何でェエエ??
    この頭の中では確かにっ

    「あらあら、さねぎゆが人気急上昇しているからと調子に乗りましたね」
    柔らかい声でこちらを嘲る様に発せられた言葉の主はしのぶだった。口元に手を添え大きな瞳を三日月に細めている。鈴の鳴る様な声で笑った。
    その瞬間不死川の脳の中であるコンビ名が「さねぎゆ」を弾き飛ばした。
    そう、しのぶと義勇はとても人気だった。不死川は思った。冨岡に拒まれたのはこいつが居たからなのではないかと。全くの御門違いだった。
    「貴方もこの血鬼術に掛ってしまったんですね。お恥ずかしながら私は別の鬼にこの血鬼術を掛けられました」
    勿論討伐済です。そう言ってしのぶは冨岡を見上げた。捕食者の様な目。逃さないとでも言うように眼光は鋭く瞬き一つ無い。冨岡の背筋にゾワッと何かが這い上がる様な寒気がした。
    「てめェまさか俺の冨岡にっ」
    「拒否された人は黙って下さい。余り自信は無いですが、これでも顔だけで生きていけるとは言われてるんです」
    しのぶが鼻で笑った。
    「一体何の話をしている」
    冨岡は今にも逃げ出したい気持ちだった。双方から向けられる視線が刺さるのでは無いかと言う程鋭いからだ。不死川はおかしいししのぶもおかしい。足が勝手に後退った。
    不死川は歯ぎしりが止まらなかった。確かにこの二人の人気は凄まじい。だが諦める訳には行かない。長い目で見ればいずれ「さねぎゆ」が二人を超す日が必ず来るのだ。上手く行けばだが。しかしここは身を引くしか無いだろう。惨めったらしく駄々を捏ねていても仕方ない。不死川は拳を握り二人から視線を逸した。まだ彼氏気分だった。
    しのぶが冨岡の前に立ち、白魚のような指で頬に触れる。
    「冨岡さん、接吻しましょう」
    可愛らしく小首を傾げて大きな目でジッと見つめる。みんなこれで言う事聞いてくれるのだ。しのぶは自分の容姿に自身が有った。この世で一番美しい姉の妹なのだから。踵を上げて顔お寄せる。当然冨岡も屈んでくれると思っていた。
    瞬間、冨岡が真っ青になって仰け反った。顔が物凄く引き攣っている。これまで柱として共に過ごす中で冨岡がここまで取り乱す姿は二人共見たことがなかった。
    「絶対嫌だ、何を企んでいる、お前俺に毒を盛る気だろうっ」
    冨岡の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。本気で嫌がっている。空気は絶対零度だった。しのぶが笑顔で拳を握っている。それを破ったのは不死川の高笑いだった。先程出来なかった分空に響くほど大きく周りの鴉は驚いて逃げて行った。
    「オイオイ残念だったなァ、一番人気さんよォ、調子に乗っちまったかァ?」
    不死川がチンピラよろしくにやにやとしながら近付いてくる。しのぶの目は笑って居なかった。冨岡がすかさず二人から距離をとる。どうやら頭がおかしくなる血鬼術を掛けられたらしい、かなりの重症だ。あながち間違ってはいない、冨岡の中で自体は深刻だった。
    大の男と小柄の女が睨み合っている。二人は普通の人間だった。ただ脳内に流れる都合の良い情報と現実との区別がつかないだけで。ふっと目を伏せたしのぶが光の速さで冨岡の前に進むとその青くなった顔をガッと掴んで引き寄せた。
    「ちょっと大人しくしてて下さい、直ぐ済みます」
    「ヒィッ」
    冨岡の顔が真っ青を超えて白くなる。
    「大丈夫、あの木の葉を数えてればあっという間です」
    しのぶの仄暗い目が近付いてくる。冨岡がしのぶの手を弾いて溜めていた涙を零し全力で逃走するのと不死川が間に割って入ったのはほぼ同時だった。

    さねぎゆとしのぎゆで血鬼術に狂わされて現実と妄想の区別がつかなくなった攻めがリアル冨岡に拒絶される話。
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