「出発」荒期が終わったらまた外に出ていくのはわかりきってた。
それでも、また花騒動みたいなことがあって、外に行くのが延期にならないかと、僅かに期待していた自分もいた。
実際は何事もなく予定通り荒期も終わり、門が開き、また彼は彼の探し物を見つけるために外へ行く。
私に出来ることは彼らの無事を祈ることだけ。
心の奥底では行って欲しくないと思う気持ちがないわけではないが、もう仮病をつかって彼を引き留めていた幼い頃の私ではない。
気持ちよく出発できるように笑顔で送りだしてあげるのが、せめてもの餞になれば。
「お気をつけて 無事を祈っていますよ」
「ありがとう」
さて、明日から体幹のトレーニングを始めなくちゃね。
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