サマーフェア人で溢れかえった百貨店のコーナー、其処には大量の水着が陳列されていた。此の人混みの中に飛び込むのかい? と頭を抱えそうになるが、
「凄いですわ! この品揃え! 矢張り此処に来て正解でしたわね!」
隣にいるナオミは目を輝かせている。
そして私と同じく冷めた目をしている少女は反対隣に。
今日の面子は妾とナオミと鏡花の三人だ。探偵社の夏休みで来週海に行く。その為の水着を買いに行こうとナオミが言い出した。当の本人は学校の課外授業があって行けないのだが。「お二人にぴったりの水着を選んで差し上げますわ」と盛り上がっていた。
ということで、本日兄は不在だ。「ナオミが水着を試着する訳じゃないなら、僕の出る幕は無い。女性陣で行く方がいいだろうね」と笑っていた。いやはや、本当に困った兄妹だねェ。
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