事件解決から一年後の報告 相模原涼が死んで4年、事件が終わってから1年が経過した。薊班はなんとか継続していて、現在も事件を追っている。
事件の報告書を提出した帰り道、私は相模原の愛したタバコと酒を持って彼女の墓参りに向かっていた。
「アメスピとワイルドターキー…もう何回買ったかも分からないな。」
墓参りをするたびに墓前へ供えているが、回数など忘れてしまった。しかし、事件解決前と今とでは墓参りの頻度は減っているように感じる。
ここに来るといつも相模原との日々がよみがえってくるのだが、その光景は日か経つにつれて少しずつ遠くなっているように思う。いつか忘れてしまうのだろうか。そんな弱気な考えを頭から追いやり、とりあえず墓石を洗うことにした。その間何を考えるでもなく、何度か墓石に水をかけては丁寧に拭き取っていく。私はこの時間が好きだった。
1892