🐕🐴SSとある夕方、下校途中の走壱は秋斗とばったり落ち合う。
🐴「あれ?今日はちゅーと一緒じゃないの?」
🐕「いや〜なんか今週はバイトのシフト違うらしくてさ、平日の休みが合わねぇんだよ」
🐴「なるほどね〜」
🐕「そーちゃんこそジャッキーと一緒じゃねぇのか?」
🐴「今日はバイトだよ。そもそもこっちはバイトのシフト合わせてないし」
そう話しながら歩いていると、秋斗が肩を組んでこう言った。
🐕「よし!オレはこのあと暇だし、そーちゃんの話でもじっくり聞いてやるよ!」
🐴「随分上から目線だね…、まあ俺も暇だから相手になってもらおうかな〜」
2人は公園へ向かいベンチに腰掛けた。
🐴「いきなり聞いちゃうけどさ…しばはちゅーのことどう思ってるの?」
🐕「分かりきった事を聞くなよ、ちゅーちゅーはオレにとって大事な人でそれ以外のなんでもない。
ちゅーちゅーだって同じことを思ってるはずだぜ?」
🐴「まあそうだよね…。でもさ、大事な人とは言っても具体的にどういう存在なの?」
🐕「うーん、まあとりあえず分かりあえて、笑いあって、愛おしくて、守りたくて…この先ずっと一緒に居たいと思える存在だな!」
🐴「そんな存在…か…。羨ましいなぁ…俺もそんな存在が欲しいよ…」
🐕「お?そーちゃんにはジャッキーが居るじゃんか」
🐴「確かにはぶは頼れるし良い奴だけど、正直俺の事迷惑だと思ってるんじゃないかってさ…」
うつむく走壱を、秋斗は強く抱き寄せた。
🐕「んなわけねぇだろ!迷惑だったらあんなに支えてくれてるはずないぜ?もっと自信を持って、ジャッキーのことも信用してあげろよ!な?」
秋斗の胸の中で、走壱は驚きと感動のあまり涙を流した。
🐴「そうかな…そうだよね…うう…」
🐕「おいおいシャツが濡れちまっただろ!ほら顔上げろ!」
秋斗は走壱の顔を前へ向ける。そこには遥か先まで続く街並みへ沈みつつある夕日があった。
🐕「この夕日の下のどこかで、ジャッキーはきっとそーちゃんのこと考えてるはず。だから、そーちゃんはジャッキーのことをもっと分かってあげて、自分のことも分かってもらった方がいいぜ!」
🐴「…ありがとう、そうするよ…俺頑張るよ…!」
🐕「その意気だぜ!なんだったらオレらも居るしな!」
🐴「うう…」
走壱はそのままぐったりとしてしまった。
🐕「いつにも増してヘニョヘニョだな…w 立てるか?」
🐴「…たてない」
🐕「仕方ねぇなぁ…よっと」
秋斗は走壱を背負うと公園を後にした。
🐴「相変わらずしばの背中はおっきいね…昔を思い出すよ…」
🐕「そーちゃんも昔っから軽いよな、いじめられてた時はこうしておぶってやってたのが懐かしいぜ」
🐴「お守り…今でも持ってるよ」
🐕「ああ、あれな!オレとちゅーちゅーが作ってやったやつ!」
🐴「ガキ大将だったけど、俺にはヒーローだったよ…しば…」
🐕「んだよ今頃…恥ずかしいじゃねぇか」
🐴「…」
🐕「なんだ寝ちまったか…強く生きろよ、そーちゃん」
秋斗は走壱を家まで送り届けると、その場を後にした。
その日の夜、走壱はボロボロになった赤と青のお守りをカバンから取り出し眺めていた。
🐴「 あぁ…久々のしばの背中、温かかったなぁ…なんだろうこの感じ、すっごいドキドキする…まさか惚れたか…?w」
スマホの通知が鳴る
🐴「しばがインスタ更新してる…そういえば先週末しばとちゅーがディズニー行ってたな…そうだもんな、しばにはちゅーが居るもんな…俺もはぶをもっと信頼して、あいつの気持ちを分かってあげなきゃな…!」
走壱はベッドに横たわると、電気を消した。
終