▼安心して気が抜けてしまう話
要因その一。偉大なる航路に突入し、波に遊ばれながら公開を終えてへとへとだったこと。
要因その二。ウイスキーピークに到着してから町から大歓迎を受け、あれよあれよと食事に酒に女にともてなされ、調子に乗ってお酒を飲みすぎたこと。
「う゛っ…」
普段からアルコールを控える身としては、宴の序盤にサクッと眠りについていたらしい。突っ伏して寝ていた時特有の息苦しさを、深呼吸で誤魔化した。
「目ぇ覚めたのか」
要因その三。この酒豪と同じテーブルについたこと。ペースを乱されて酒ばっかり口にしていた気がする。雑に肩を叩かれてグワンと頭の中が揺れた。ちくしょう、酒で体調崩したことないのかな。なさそうだ。
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