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    とよ/ことよ

    @r9gk_co104

    とよ(ことよ)の落書き倉庫です。

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    とよ/ことよ

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    花吐きヴェルナーのマゼヴェル妄想。
    ネタメモ

    失恋はクロユリ、恋(記憶)の喪失。
    成就は白銀のユリ。
    と聞いて萌えたので。
    ここではクロユリを吐いた後恋していたことを忘れるけど、完治したわけではないのでまた同じ人に片恋をすると花を吐き始める設定です。

    #マゼヴェル
    mazevelle.

    花吐くきみの終わりの花はヴェが恋心を募らせて花を吐くようになって、吐いてる花の花言葉を知りたくて何故か自室の本棚にあった花言葉の本を手に取ったら、本に挟まっていた紙片がばらばらと落ちて、何かと思ったら自筆の「また花を吐いた」ってメモ。
    そんなメモを書いた覚えも、本に挟んだ覚えもなくて、他の紙片も拾ってみると、「どうして、繰り返す」「何度目なんだ」と、花吐きが前から何度もあったと思しき走り書きが。
    「初めてじゃ…ないのか」
    手から滑り落ちた本の裏表紙に、自分あてのメッセージが1つ。

    【花を吐いた俺へ。 
    すでに俺は3度以上花を吐いていると思われる。
    この先何度同じことを繰り返すかは分からないが安心するといい。この病は、長くは続かない。
    知っているだろう?この想いは実らない。それを突き付けられた瞬間に全て忘れて終わる。
    実際俺もお前も、花吐きだったなんて覚えちゃいなかったろ?

    けどなぁ、何度目か分からない俺、俺たちはきっと、この恋をやめられない。
    やめられてたらとっくに、1度目で終わってたはずだ。
    そうさ、俺だってバカだって思うさ、けど、好きなんだ。好きにならずにはいられないんだ。分かるだろ、俺。
    俺達は失恋しては恋をする、同じ奴に。忘れる度に、新しく。何度も何度も。

    いつか本当の終わりがあるかもしれない。
    無いかもしれない。
    なぁ俺、これからここに残されるメモは、恋の亡骸だ。俺たちが絶望した残滓だ。
    何度目かの俺、メモはいくつになった?俺は、なんどあいつに惚れた?いやそんなことはどうでもいいか。

    これがどうやったら終わるのか皆目見当もつかないが、多分何とかなるだろう。なったからこそお前がこれを読んでるんだろうしな。
    何度目かの俺、お前もここにメモを遺せ。忘れてなかったことになんて俺はしたく無い。お前もだろう?
    繰り返すバカな俺たちの墓標だ。忘れるくらいなら、ここに埋めてしまえ。】

    1枚や2枚では済まない紙片を握りしめて額に押し当て歯を食いしばって涙をこらえる。
    忘れて苦しみから解放されるはずなのに、それが新たな始まりだなんて、ループ物要素まであるのかよ、と苦く口端を上げてみたものの、唇から漏れるのは嗚咽にも似た笑い声で。
    「勘弁、してくれよ…」
    紙片の数だけ切り刻まれた心の痛みをこらえるように、蹲るヴェルナー。

    で、マゼルサイド。
    ヴェルナーがそう長くないスパンで様子が変わるのに気づいているけど、その原因が分かってなくて少しもやもやしている。
    ただ、先日一瞬だけ見たヴェルナーの表情が忘れられないでいた。
    外が薄暗くなった所為で鏡のように背後を映すガラス窓が見せた、見たことのない貌。
    胸を鷲掴みにされて、思わず振り返った視線の先のヴェルナーは背を向けて帰り支度をしていて、声をかけて近寄ってみたけれど、もうその表情を見ることはできなかった。
    今の表情はなに?どうしてあんな目で僕を見たの?
    その場でぶつけることができなかった問いかけは、その後ヴェルナーの様子の変化に気を取られて形にならないままマゼルの中でくすぶり続けている。
    知らないといけない気がする。何度もヴェルナーが変わる理由を。

    なんやかんやあって。

    ヴェルナーが花を吐いているのを知ったマゼル。
    女の子の好みの話をしていた時に、席を外したヴェルナーがドアをくぐる瞬間口元を抑えているのを見とめて後を追うと、人気のない立木の陰でえづく姿を見つけて近寄ると、クロユリを吐いていた。
    「ヴェルナー、きみ、その花…」
    「み、るな。あっちいけっ」
    ごほごほと咳き込みえづく姿に、思わず駆け寄って背中をさするけど、腕を振って拒絶されて、そんなことされたことがなかったからうろたえるマゼル。
    吐き出したクロユリを土ごと握りしめて、こんなんで終わるのかよ、と吐き捨てると同時にさらさらと灰のように崩れて消える花。
    ふらりと力なく立ち上がるヴェルナーを支えようと手を伸ばすけれど、するりと交わされて、振り返ったヴェルナーに、このことには触れないでくれ、忘れろ、と目力で押し切られてしまう。
    一人で帰るヴェルナーをその場に立ちすくんだまま見送るマゼルが後悔するのは翌日。
    昨日までと何かが違う。
    仲が悪くなったわけでも、距離ができたわけでもなく、ただ、変わった。
    そのおかげで今まで何度もあった違和感の理由と切っ掛けがはっきりする。
    ヴェルナーは花吐きだった。恋をしていた。
    けれどクロユリを吐いてそれをなくした。だから変わった。
    クロユリは恋の終わり。結ばれないと分かった恋の亡骸。
    けど、でも、ヴェルナーの様子が変わるのは1度じゃない、もう何度も見てきた。
    「ヴェルナーって惚れっぽい?」(ちょっとむかっ)
    一途なタイプだと思ってたんだけど…。自分が思うヴェルナーとの違和感に首を傾げていると、校舎からマゼルの待つ木陰へ向かってくるヴェルナーが視線に入る。
    名を呼んで手を振ると、片手をあげて応じられて、また違和感。
    目が合えば自然と柔らかくなる目元が、ほんのり上がる口角が、昨日まであったそれがない。
    「……なん、で」
    「?どうしたマゼル」
    きょとんとした表情はいつもと変わらないのに、そこに乗っていた昨日までの甘さが無いと気付いて、ひやりとする。
    「マゼル?」
    探るような眼を向けられて、思わず顔を背けて視線を外してしまう。
    それを深いため息で咎めては見せるけど、それ以上追及はせずに手にした本でマゼルの腕を軽く叩いて校門に促す。
    「まあいいさ、今日は武器屋に行くんだろう?」
    「あ、うん、籠手のいいのあったら欲しくて」
    それは防具屋じゃないか?と笑いながら隣を歩くヴェルナーに、そっか、そうだねと笑い返しながらその表情を伺う。
    確かに、無くなっている。
    昨日まであったもの。
    今まで何度も失われたもの。

    ヴェルナーは僕に対する感情を失っている。

    それは、多分、昨日のクロユリが原因だ。

    あのクロユリは、僕への恋の亡骸だったんだ。

    からの、マゼルの恋の自覚(とっくにヴェルナーに惚れてた)。
    ゆっくりと自分に恋をしていくヴェルナーを目の当たりにして、歓びに打ち震え、
    どうしよう、いつ、いつ言ったらいい?ぼくも好きだって、大好きだって。
    想いを打ち明けようと決心して放課後デートを取り付けたその日にスタンピードの話が入り、機会を逃す。
    スタンピード後の式典の後に告白を、と考えていたのに、ラウラの登場で振出しに戻る。


    ああ、終わりだ。
    もっと後のはずなのにと怯えた自分を、いつ登場しようが関係ないだろと内心で嗤う。
    シナリオの変化よりも恋愛に意識を奪われるなんて、とんだ恋愛脳だ。
    苦々しい思いを押し込んで、4者会談に臨むヴェルナーと、恋人になる未来を疑わずにいる少し浮かれたマゼル。


    マゼルをラウラのもとに残してトイレに立ったヴェルナーが、いつかのクロユリを吐いた時と被って、ひやりとする。
    王女を一人残す無礼を働くわけにはいかないけど、今追わないとまずいと野生の感が訴えていて、けど席を立てないでいたらラウラの方から子爵になにかあるのかと訊ねてきて、ヴェルナーが秘密にしていることを話すわけにはいかなくて言葉を濁していると、私は良いから追ってくださいと促されて、無礼を詫びて案内のメイドと共にヴェルナーを追う。
    トイレの前でオロオロしてるヴェルナーを案内していたメイドを見つけて、即座に走り出してトイレに駆け込むマゼル。
    酷いえづきで蹲っているヴェルナーの周りにはクロユリ。
    ぼろぼろと涙をこぼして花を吐くヴェルナーを抱き起して名前を呼べば、絶望に光をなくしたゾッとするような瞳があって、ひゅうひゅうと悲鳴のような呼吸を繰り返すヴェルナーが、小さく、いやだマゼル、と呟いて、最後に1輪葉まで真っ黒なユリを吐いて気絶する。
    まだ形を保っていた最後のクロユリをつかみ取って泣きそうな顔で見つめる。
    さらさらと消えるクロユリを惜しむように拳を握り、ヴェルナーを抱きしめる。
    「白銀を、吐く、はずだったのに…ぼくがグズグズしてたから、また」
    触れれば感染する花吐きも、ヴェルナーと両想いと知っている所為かマゼルが発症することは無い。
    恋をして苦しむのはヴェルナーで、自分はただ彼が思いを募らせていくのを浮ついた気分で眺め喜んでいただけで、片恋の苦しみなんて一度も抱かなかった。最初から、今回恋の初めから両想いだと知っていたから、苦しむ彼を傍観してしまったことを激しく悔やみ、自分を嫌悪。
    「今度は待たない。君が恋してくれるまで待つなんて馬鹿なことはしない」
    ≪いやだマゼル≫
    消え入りそうな、聞いたことのない弱音に不安が募る。
    最後のチャンスだったなんて思いたくなくて、もう一度、もう一度だけでいいからチャンスをください、と願うようにヴェルナーの額に唇を落として祈る。
    「好きだよヴェルナー、また君が恋してくれるように、がんばるよ…だから、お願いだからもう一度、僕を好きになって」


    魔王討伐のためのレベリングやら遠征やらで一緒にいる機会が中々取れないけど、せっせとヴェルナーに会いに行き、好き好きアピール。
    実家はツェア邸ですと言わんばかりに通い、泊まったり。
    王都に帰って来た時に出迎えるヴェルナーに抱き着いて、会いたかった、寂しかったと訴えて、久しぶりに君の手料理(野戦料理w)食べたいなってキラキラ笑顔でおねだりしたり。
    日々仕事で根を詰めているヴェルナーに少しでも体を休めるためにと、旅のあれやこれやはベッドに二人寝転んで寝物語に語ってみせ、寝落ちしたヴェルナーを抱きしめて寝たり。
    使命があるから王都滞在中もマゼルは忙しいし、ヴェルナーはもっと忙しいので思うようにはいかないけど、帰る度に少しずつ、なんとなく、ヴェルナーの瞳に色が宿ってきたように感じて舞い上がりそうになる。
    ヴェルナーは4者会談の後トイレで気絶していたと聞いて、父親に話を聞こうとしてもはぐらかされ、もやもやを抱えていたけど、マゼルのアピールが呼び水になってまた恋をする。ただ、マゼルのアピールを真に受けていない。史上最強の鈍感力。
    10代の学生が強大な敵と対峙し続けて平気なはずないもんな、ウチにはアイツの家族も居て、実家みたいなもんだし、平和だったころの象徴(家族や学生時代の象徴の俺)が揃ってるもんな。ワンコみたいに甘えたところがあったから、ちょっとそれが大きく出てるだけで、きっとあいつのあれは恋じゃない。とか考えてる。
    実際、両想いになってないから性的な意味合いの接触はしてなかったし、欲を見せないようにしてた。怯えられたくないし、忌避されたくなかったから、ただただ真綿でくるむように愛情を伝えてた。
    はずなんだけど、恋したヴェルナーはまた片恋の花を吐きだす。
    そして、繰り返しを知らないヴェルナーは、マゼルがいる時に花言葉の本を本棚で見つけて、そういえばこの間吐いた花はなんて意味なんだろうと本に手を伸ばす。
    そして本からこぼれた紙片を隣に立っていたマゼルと共に広い、その内容にぎょっとしてマゼルが持つそれを奪おうとするけど、素早く避けられ、手を掴まれる。
    じっと紙片を見つめるマゼルに、気持ちを知られてしまったと、すでに勇者
    PTにはラウラが合流して、マゼルは彼女に恋をしているはずだと信じ込んでるヴェルナーは絶望する。
    一人で恋しているだけでよかったのに。
    いやだいやだ、知られたくなかったのに、ただ友達でいられれば良かったのに、それだけで十分だったのに。
    絶望感に暴走した思考で恋の終わりを感じたヴェルナーが咳き込んで、慌てたマゼルがキスで唇をふさぐ。
    びっくりして喉に感じた圧迫感を飲み込んでしまったヴェルナーが、苦しさにマゼルを押しのけて激しく咳き込むけど、花は吐かず、ただの咳を繰り返す。
    「ヴェルナー、ヴェルナー、好きだよ、好き。お願いだからクロユリなんか吐かないで。一人で勝手に失恋しないで。僕らは、両想いで、僕は、君が好きなんだよ」
    「なにし、て。お前にはラ」
    ラウラと言おうとして口を塞がれる。
    「もうずっと君だけだよ、君だけが好き、大好き、愛してるのに」
    顔中キスの雨を降らせながら言い募るマゼルの言葉にクラクラしつつも、まだ信じられなくて瞳を揺らすヴェルナーのほほを優しくなで、。
    「信じられないなら信じられるまで教えてあげるから、だからヴェルナー」
    「ま、ぜる?」
    剣呑な雰囲気をまとったマゼルに若干怯みそうになるヴェルナーを、逃さないように腕の中に囲うと、額を重ねて視線を合わせ、そっとささやく。
    「逃げないで…」
    「ま」

    暗転。

    マゼルの腕の中で目覚めて、寝ぼけたヴェルナーが、贅沢な夢だと呟いちゃうもんだからオコなマゼルに朝っぱらからもう1Rされそうになってようやく現実だった!!って気付いて必死に止める。
    「ちゃんとわかってくれてる?」
    「いくら俺でもわかるから!脚持ち上げんな!ちょ、乳首こねるなっ」
    わあわあと涙目で必死になっているヴェルナーが可愛くて、つい笑ってしまったマゼルの頭を叩いて押しのけたタイミングで咳き込んで、今度こそ念願の白銀のユリが1輪。
    信じられない思いで見つめるヴェルナーに、そっとユリを拾い上げて渡し、その手を両手で包み込んで視線を合わせ、
    「よかった…ちゃんと、伝わった」
    ほっとした笑みを浮かべるマゼルに、あんなことまでしておいて伝わらないと何故思う!と言いたかったけど、あんなことをされるまで本気に取ってなかったわ俺、と過去を振り返って何も言えなくなってるヴェルナー。
    「好きだよヴェルナー、もう、花なんか吐かせないよ」
    「……そうしてくれ、もう、あんなのはごめんだ」
    白銀のユリを吐き出したからか、今までの恋を取り戻したヴェルナーが心底苦しそうに言うものだから、ああ本当に、こんなに深く愛してくれてたんだなって、嬉しくなって抱きしめダイブ。
    「こら、もうしないって」
    「うん、しない、でも暫くこうしてたい」
    ワンコなマゼルに弱いヴェルナーは、仕方ないなと折れて二人して朝寝。

    末永くお幸せに終わる。

    (・ω・)ノそんなマゼヴェル妄想。

    マゼルは成就する恋だと知っていたのでヴェルナーの花を触って感染しても花は吐きません。ラストの方は信じていた、が正しいけど。
    いつか書けたらいいなぁ。
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