意地悪「えいじ、ここは?」
半開きの口許に上気した頬、此方を見つめるリョータの赤い舌の先は、懸命に可愛くない色の乳頭を音を立てて吸い付く。快感として拾わない己の感覚が申し訳なくなるが、視覚的な刺激で、沢北の沢北はもう既に頭をもたげ、しっかりと重量を持っていた。こんなとこまで素直でごめんリョータ。
「…く、っリョータ、そろそろ」
ふわりと揺れる柔髪に手を差し込みぽんぽんと撫でると、這う舌はそのままに瞳だけがこちらを捉える。
「だーめ。」
「っあ…」
もどかしさからか、思ったよりも情けない音が喉から漏れる。
触ってほしい、直接的な快感を得たいと思いながらも、なんだかんだ流されることが多いリョータの明確な否定の言葉に、心臓は鈍く脈打っていた。
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