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    ななめ

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    バレンタインのアキラとマサ

    #創作BL
    creationOfBl
    #アキラとマサ
    akiraAndMasa
    ##アキラとマサ

    ハッピーバレンタイン

    本を読む晶の向かい側で、正良はこくりこくりと居眠りをしている。こたつの温かさとカーテン越しの柔らかい光が眠気を誘うのだろう。
    時計の針が十時を指した。
    晶はこたつから出ると台所へ向かった。コーヒーメーカーをセットし、隠しておいた箱を取り出す。出来上がったコーヒーと箱を持って正良の元へ戻ると、居眠りしていたはずの正良が起きていて、まだ眠そうな目で晶を見上げた。こたつの上にはさっきまで無かった箱が置いてある。晶が台所にいる間に持ってきたのだろう。同じことを考えたらしいと知って晶の頬が緩んだ。
    「お十時にしようか。あとこれ、バレンタインだから……」
    こたつの上にコーヒーを置いてから、箱を差し出す。正良は素直にありがとうございますと受け取って、今度は自分の番とばかりにこたつの上の箱を晶へ差し出した。
    「ええと、これはバレンタインデーのチョコレートです」
    「ありがと……う?」
    受け取ろうと箱を掴んだのだが、正良が箱を掴んだ手を離してくれない。両側から箱を持つ形になった。どうしたのかといぶかしんでいると、
    「あの、これ、ドライフルーツが入っているチョコレートなんです」
    と言って名残惜しそうに手を離した。晶は思わず笑ってしまった。果物好きな正良らしい選択。つまり自分が食べたいチョコレートを選んだのだ。晶が笑いながら「一緒に食べような」と言うと、正良ははにかみながらうなずいた。
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