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    Booomjirirui

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    Booomjirirui

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    ケビ万

    #ケビ万
    kebbiSeminar
    #キン肉マンII世
    kinnikumanIi

    世界はそれを愛と呼ぶんだぜ!『ーーーその時王子様はお姫様を見て世界が輝いて見えたのです…』
    『ねぇ、なんでおうじさまは、おひめさまをみてせかいがかがやいてみえたの?』
    『ふふ、それはね王子様がお姫様に恋をしちゃったからなの』
    『こい?こいをするとせかいがかがやいてみえるの?』
    『そうね…少なくともこの王子様はそうだったみたいね』
    『ふーん…じゃあ、あいしちゃうとどうなるの?』
    『愛しちゃったらかぁ……貴方はどう思うの?』
    『ぼく?』
    『そう、愛を知ってしまったら
    運命の人に出会ってしまったら
    貴方はどんな風に世界が見えちゃうのかしらね』
    『うーん…
    わからないけど、ぼくは……ぼくはね、きっと…』







    ーーーー
    ーーーーーーー

    「ぐはあ!」
    「へへーん、僕ちゃん絶好調ー!」
    カンカンカーンと勝者を告げる鐘が鳴り万太郎はリングコーナーのポストの上に登って会場に投げキッスをばら撒く。
    そんな様子をお付のミートが もう勝つとすぐこれだ と調子に乗る万太郎に呆れ果ててはそれでいてどこか嬉しそうに眺めている
    そんな中万太郎の後ろで倒れていた超人がゆっくりと起き上がり万太郎目掛けて後ろからホールドをする

    「なっ!?ちょっと離してよ!試合はもう終わったんだ!!」
    「ぐ、ぐへへ…は、離すかよ…」
    「二世ー!」
    「お、お前は俺と一緒に消えるんだからよ…」
    「ふざけんな!離せ!離せったら!」
    「ふははは、お、お前も、俺たちのこ、孤独の痛みをしれー!」

    ピカァア!とその超人が輝き出して会場が光に飲まれる、そして数秒後光がどんどんおさまり弱くなって元の光源に戻る
    万太郎は目を瞬き自身の体に以上が無いかを確認したあと なんだ、なんでもないじゃん と虚仮威しに心配しているミートに声をかける
    「大丈夫だよミート、なんともないみたいだから!」
    リングの上から真下にいるミートに伝えるが応答が無い、それに首を傾げて 聞こえなかったのかな? と少し大きめの声で再度伝え直す
    「僕は大丈夫だよ!ミート!」
    しーん、やはり応答が無い。それに対して 無視すんな! とリングの上から降りようとしたら漸くミートからの第一声が告げられた
    「二世ー!どこですかー!?どこにいっちゃったんですかー!?」
    「へ?ど、どこってここに居るじゃん!」
    いきなり大声で叫び出しその言葉に困惑する。
    リングから降りてミートの目の前に立ってもミートは 二世!二世!! と辺りをキョロキョロ見渡す。
    ちょっと、ふざけないでよと話しかけてミートに肩に触れようとしたらスカッと空振りをして触れることが出来なかった
    「えっ…な、何これ…」
    何度も何度もミートに触れてみるが触れることが出来ない。
    なんで? そしてミートの目の前で手を振って見てもその目に万太郎の姿を写すことが出来ないようだ、万太郎は訳が分からなず 僕死んじゃったの? と絶望をしていると後ろからクックックと笑い声が聞こえてきて振り返ると先程万太郎を道連れにしようとした敵の超人が居た。
    「憐れだなキン肉万太郎!」
    「お、お前は!僕に何をした!」
    「クククッ、今のお前は言わば透明人間
    相手からも自身から声が届く事も姿が見える事も無い!」
    「と、透明人間!?」
    「そうだ、精々孤独の、絶望の世界で生きていけーー」
    「わー!本当に透明人間!?僕本当に透明人間になっちゃったの!?
    やったー!絶望どころか最高だよ!なんて言ったって覗きやり放題じゃん!」
    「えっ、いや、」
    「早速、僕ちゃん銭湯の覗きしちゃおー♪ありがとうねおじさん♪」
    ウキウキとした様子で会場を後にして出ていく万太郎に対して固まってしまった敵の超人は数秒後にハッと我に返って フッと不敵な笑みを浮かべる。
    「浮かれていられるのも今のうちだ」



    「さあて、どこのお風呂屋さんに覗きに行こうかな~♪」
    グフフフと笑いながら街中を歩いていると目の前に見知った顔ぶれが居た
    「あっ!凛子ちゃん~♡こんな所でどうしたの~?もしかして凛子ちゃん達ここの銭湯入るの~?」

    目の前にいたのは、二階堂凛子とその友達たちである。
    スポーツウェアを着用しているところを見るとどうやら先ほどまで運動をしていたようだ、そんな帰り道に銭湯屋の前で立ち尽くしているのを万太郎に見つかり ナイスタイミング♪ というように万太郎が凛子たちと一緒に銭湯屋さんの中に入ろうとしたとき万太郎の前を歩いていた凛子がバッと振り向いて見えないはずの万太郎をジッと見つめる。
    「どうしたの?」
    「いや・・・なんだか悪寒がして」
    (ひっ、ひぇえ・・・ばれちゃったのかと思った・・・女の勘ってやつかな?
    折角だけど凛子ちゃんに殺されるのは勘弁だい)
    そそくさとその場から立ち去る万太郎。
    その後万太郎はどうにか透明になった自身の体の使い道を探ろうと模索する。
    そしてわかったことは、動物や人間、生きているものに触れることは出来ないが、生物以外だと触れられる事がわかった。
    大きい物や、重たい物は駄目だがスマートフォンの様な物は持てる事が分かり覗きが無理なら悪戯をしてやろう!と万太郎はキッドやガゼル達の元に向かって様々な悪戯を試みた
    飲み物の中身を変えたり、キッド達のお弁当を全部食べたり、何も無いところからいきなり音を鳴らして見て驚かしてみたりして反応を楽しむ。
    また、キッド達に飽きたら普段どんな生活をしているのか気になっていたスカーフェイスや、イリューヒンなどの後を尾行して恥ずかしいネタとか面白いネタをつかんでやろうとしたがチームAHOと違って勘がいいのか何か居るなと気配を気づかれて路地裏などで 出てきやがれ!! と怒鳴られて即座に退散する。
    そんなこんなで透明であるのを楽しんでいた万太郎だが、楽しんでいたのも最初のうちだけで周りが自身が見えないのに対してどんどんと不安な気持ちが募っていった。
    「ねぇ、本当に僕の声とか姿とか見えないの?」
    家に帰って万太郎の事をずっと探していたミートに問いかけるが反応が無い。
    それどころか 二世は一体どこへ消えたんだろう と口にされる始末。
    どんなに大声で話しかけても、どんなに悪戯をしても、どんなに存在をアピールしても誰も気づかない。
    次第に悲しさと寂しさがどんどんと膨れ上がって部屋の隅で体育座りをして縮こまる。
    「今日はもう寝よう・・・もしかしたら明日元に戻って、みんなに僕が見えるかもしれないし、」
    そう思って眠りにつく万太郎は不安な気持ちでいっぱいだった。
    「こんなに1人が寂しいだなんて思わなかったなぁ・・・」
    いつも万太郎の周りは人でいっぱいだった、生まれてきた時もヘラクレスファクトリーの時も地球に来た時もずっと万太郎の周りには人が居た。
    人が居るのが当たり前だった、だから独りの世界がこんなにも寂しくて辛くてたまらないなんて思わなかった。
    『お前も俺たちの孤独の痛みを知れ!!』
    あの超人の言葉が思い浮かぶ。
    あの超人もこんな気持ちだったのかな?ずっとずっと寂しかったのかな?だとしたら・・・
    「可哀想だな・・・」
    少し胸が締め付けられるのを感じながら眠りにつく万太郎はとある夢を見る。
    真っ暗闇の中自分だけが居る世界で前から自分の友人や家族が万太郎の横を通り過ぎても誰も万太郎を気に掛けず声をかけたり触れてみても気に止めない、まるで自分がこの世界の全てから疎外されてしまったような感覚にヒューヒューと呼吸がか細くなる。
    「誰か・・・僕に気づいてよ・・・やだ、怖い、寂しいよ・・・僕、僕・・・」
    存在自体が無かったかのように陥る真っ暗闇の世界に、自身が立っていた場所の地面から黒いドロドロとした無数の手が万太郎の体に巻き付いてくる
    「や、やだ!やめて!」
    巻き付いて地面の黒い沼の中に引きずり込まれる。
    『お前もこっちへこい』
    「やだ!そっちに行きたくない!誰か、助けて---!」
    どぷん、と全身が沼の中に浸かりごぼ、ごぼ、と助けを呼ぼうにも声が出ない
    真っ暗な沼の中どんどんと沈んでいく
    (誰か・・・誰か・・・・・・)
    もう声も届かない、誰にも僕の姿が映らない、悲しくて辛くて冷たい世界に落とされる
    意識が朦朧として耳元で響く自身の心臓の音が次第に小さくなるのを感じながら僕は意識を手放した---

    「っ、!は、ぁッ、!・・・はあはあ・・・」
    息が詰まりながら夢から覚めた万太郎、全身に重くのしかかるドロリとした感覚と、冷たくて凍えそうな位の寒さが胸の奥から広がりブルブルと体が震えて仕方が無い。
    時刻は早朝5時、まだ朝日が昇っていない時間帯で薄暗い部屋の中呼吸を整えて周りを見渡す、すぅーすぅーと机に突っ伏して眠るミートの傍にはすっかり冷めたカルビ丼とスマートフォンに映る万太郎宛への着信履歴
    「ずっと探してくれてたんだ・・・」
    じんわりと目頭が熱くなるのを我慢してフッと目の前のスマートフォンを見てあることを閃いた
    「そっか!僕の存在がわかったらいいんだ!だったらスマホで文字を打ち込んで知らせればいいんだ!」
    なんで思い浮かばなかったんだろう!と妙案にすぐに目の前のミートに知らせようとする万太郎、ミートの頭脳ならきっと気づいてくれる!そう信じてスマートフォンを握ろうとするがするりとすり抜ける。
    「えっ?」
    何度も掴もうと試みるがその度にすり抜けてしまう、昨日までちゃんと掴めたのに・・・!と自身の手を見ると半透明だった自身の体が本当に消えてしまっており両手は指先から第一関節まで消えてしまっている、足下から太ももまで見えなくなっている自身の体と夢の出来事が重なって思わず叫び家から飛び出す。
    『お前も孤独の痛みを知れ』
    『お前もこっちへこい』
    頭の中で響く声に やめろ!やめろ!! と反応するが止むことが無い声と道行く人にぶつかりそうになってもすり抜けてしまう体により一層現実を突きつけられて万太郎は町中を迷走した。
    どれだけ走ったかわからない万太郎はとある植物園に迷い込む、色とりどりに咲き誇る花たちは朝日が昇るのを今か今かと待ち望む。
    走り疲れた万太郎は噴水の縁に座って呆然と綺麗な花たちを眺めていた。
    風が吹くたびに花びらが舞って万太郎の体を通り抜ける、もう胸の辺りまで消えてしまった自分自身にハッ、と諦めの様なヤケクソの様な笑いが溢れる。
    「もう僕ここで消えちゃうんだ・・・」
    誰にも気づかれず、人知れず・・・そう思うと頬を伝って涙が溢れて止まらない。
    「消えたくないよ・・・」
    ぐずぐずと泣いているとコツ、コツと足音が近づいてきて万太郎の前で止まる、万太郎は?とクエッションマークを浮かべながらゆっくりと顔を上げるとそこには蒼い鉄仮面を付けたケビンマスクが立っていた。
    ぇっ、と声に出て ケビン と声を掛けようとするが、どうせケビンも僕のこと見えてないんでしょと諦めた様子で目から零れる涙を拭って下を向く。
    するとケビンが手を伸ばして万太郎の頬を触り目尻に溜まる涙を拭ってきた。
    「万太郎、なんで泣いてんだ?」
    「ぇっ・・・・・・ケ、ケビン・・・僕の、僕の事見えてるの?」
    「? 何言ってんだ?」
    「声!声も聞こえるの!?姿も見えて声も聞こえて・・・」
    辺りが明るくなる、ゆっくりと朝日が昇って光りが差し込む
    「よく分かんねぇが・・・ お前はここに居るだろ 」
    ぱぁあ、と世界が光に包まれて辺り一面の花々が息を吹き返した様に万太郎の視界が明るくなる、万太郎は思わずケビンに抱きつきじんわりと感じるケビンの体温に安堵と我慢していた声を上げる。
    「うわーん、怖かった、怖かったよぉー!」
    「お、おい!」
    慌てふためくケビンを他所に万太郎はうわーん、うわーんと泣きじゃくる。
    その後事情を聞いたケビンは万太郎をミートの元へ連れて行き解決方法が見つかって無事消えかけていた万太郎の姿が皆に見えるようになり元通りに戻った。
    キッド達からはあの悪戯はお前の仕業か!と怒られる場面もあったが脱兎の如く素早い動きで逃げてきた先にケビンの姿が見え万太郎はその横に並び一緒に歩いた
    「ありがとうねケビン、お前のお陰で助かったよ」
    「別になんもしてねぇよ、次からミートに心配かけんなよ」
    「・・・うん」
    (これはミートから聞いた話なんだけ僕の姿が消えた後ケビンに連絡がいったらしいんだよね・・・僕が消えちゃったって、その後ずっと僕の事探してたみたい)
    約24時間の出来事、でも万太郎にとったらすごく長くて辛かった出来事。
    (そう言えばいつもケビンって、僕がピンチの時駆けつけてくれるよね・・・僕がどこで何をしてるかなんて知らないのにいつもいつも、ピンチになったら駆けつけて・・・)
    「ねぇ、ケビン」
    「なんだ?」
    「なんでいつも僕の居場所がわかるの?
    今回なんて姿とか声とか見えないし聞こえなかったのに・・・」
    「それは…」
    「それは?」
    「・・・さぁな、何でだろうな」
    「ぇえ~教えてよ~」
    「教えねぇ」
    「ぶーケチ!」






    ーーー
    ーーーーー

    『そう、愛を知ってしまったら
    運命の人に出会ってしまったら
    貴方はどんな風に世界が見えちゃうのかしらね』
    『うーん…
    わかないけど、ぼくは・・・・・・ぼくはね、きっと
     だれよりもはやくかけつけて だれよりもそのひとのことをみつけて
    いのちをかけてまもってあげたいなぁっておもうよ』
    『そう・・・ケビンは立派なナイト様ね』








    「・・・」
    「あれ?ケビン今笑った?」
    「笑ってねぇよ」
    「嘘!笑ったよ!」
    「うるせぇ」
    マスク越しでなんで分かるんだよとケビンの顔を覗き込んでくる万太郎の顔をガシッと掴んで引き剥がす。
    万太郎はむぅと頬を膨らませて もういいよー とすねる。
    ケビンはそんな万太郎の様子を見てフッと笑い微笑む

    (分からねぇ訳ねぇだろ、俺から見たお前は太陽みたいに輝いて見えるんだからよ・・・)

    どこにいても見つけ出してやるよ・・・MY PRINCESS


    ーーーーー
    ーーーーーー

    ケビンから見た万太郎は太陽の様な存在で、景色が輝いて見えるんじゃなくて万太郎自体が輝いて見えちゃってるんですねぇーそりゃあどこに居ても万ちゃんの事わかるよね!

    さて、ストーリーの途中でケビンが万太郎を見つけた時の話なのですが

    『朝日の光が差し込んで世界が光に包まれて辺り一面の花々が息を吹き返した様に万太郎の視界が明るくなる』

    一体万太郎はこの時どんな感情でケビンの事を見てたのですかね~?
    冒頭の王子様とお姫様のお話を聞いているのは誰なのですかね~?
    えっ?ケビンでしょ?そうですね
    ケビンは確定ですよね、でも冒頭の話に明確な名詞は記していませんね
    ケビンだけの思い出の話なのかそれとも…
    明確な語り手の人数も聞き手の人数も敢えて記しません。同じ時同じ場所なのか別々の時別々の場所なのか。
    私の頭の中はお花畑なのでロマンチックな方が好きですかね

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