オレは以外に手が早い。風呂上りにソファーに座ってドランザーのメンテナンスをするカイの後ろを通った時だ。
ぷ~んとカイから甘い香りがしオレの鼻を霞める。一足早く風呂に行ったカイもきっとホテルに備え付けのボディーソープやシャンプーを使っている筈なの。オレは試しに自分匂いを嗅いでみるがカイのような甘い香りはしない。もう一度カイの方に視線を向ける。いつも首に巻いているマフラーは今は無く。薄いタンクトップから覗く白いて綺麗な首筋からは確かに甘い香りする。白虎族の嗅覚は鋭い。オレは甘い香りに吸い寄せられるようにカイの背後に近づいていく。
やっぱり甘くて美味そうな香りがカイからする。
ぎゅう~とさっきほど夕飯を腹一杯に食べた筈なのにすでに腹の虫がなっている。
舐めたら美味いのだろうか…味見くらいさせてもらっていいだろうか…
そう思った時にはオレは行動に出に移していた。。
白虎族は気配を消すのもお手のものだ。
こんなに近づいてもまだカイは気づかないことをいいことに、
「カイ…お前から甘くて美味そうな匂いにがする。味見してもいいか?」
オレはカイの首筋をペロッと舐める。
「ッひゃあ」
舌がカイの首筋に触れた瞬間カイからは想像しなかった可愛い声が上がる。
「お!」
顔を真っ赤にして首筋を手で抑えワナワナと震えながらオレの方を振り返るカイ。
予想外の声と顔を見れた事にオレのテンションつい上がってしまっていた。
「レ、レイ、貴様今何を!?」
「う?悪い、カイから甘い美味そうな香りがしたからつい味見をしたくなったんだ」
「ついって貴様どいうつもりだ」
怒りなのか恥ずかしのか色々な感情がこもった目でオレを見つめてくるカイに
「お前…可愛いな…」
オレの言動は止まらなかった。
「っな!?ちょ、レイ…っん」
オレは気づけばカイの顎を固定しにキスをしていた。
でもそれは流石に一瞬でやめて本当らいいところまでやりたかったがこれ以上したらドランザーに燃やされかねない。
カイの殺気を感じオレは素早くカイから距離を取る。
「レイ貴様!」
「ごちそうさま…悪い初キスだった?でもお前の唇も美味かったよ…今度はもっと
味わせてくれよな」
白虎族は狙った獲物は逃がさない。
カイ、オレは以外に手も早いだ覚えておけよ。
後ろでカイがタカオたちに止められている声がする。
あぁしばらくは警戒されるし明日には話が広がってキョウジュたちに怒られるかもな、なんて考えながら部屋もどるのだった。