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    IB6G2_kabe

    【注】作るも見るも雑食人間
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    DONE【モブブラ】過去ワンライ参加作そのまま(全年齢)
    第14回 「猫」「噛み傷」
    ※盗賊団時代ねつ造
    第14回 「猫」「噛み傷」 俺はこの感情の名前を知っている。

    「そういやボス、この前拾ってきた猫どうするんです?」
     時刻は昼を少し過ぎた頃。比較的暖かな日差しが届く今日は絶好の洗濯日和で、俺は川の水でじゃぶじゃぶ洗った仲間の野郎どもの服をぱんっぱんっと上下に振りながら、首尾はどうかと様子を見にきていたボスに尋ねた。
    「あ? あー、どうも懐いちまったからなあ」
     どうしたもんか、と手近な岩に腰を下ろしてぐるりと首を回す。その拍子にボスの服の一部がきらりと陽光を反射した。蜘蛛の糸か何かだろうか。目を凝らす俺に気づいたのか、服に付いたそれを見つけては「まだここにもついていやがったか」とつまんで落とすボスはしかし満更でもなさそうだ。面倒くさがりつつも魔法で全部落としちまわないところを見るに、それだけ気に入っているのだろう。何せここは男だらけの大所帯で、華もへったくれもありゃしないのだから。加えて北の国は人間はおろか魔法使いにだって平穏に暮らすには厳しい極寒の地。そんな場所じゃふらふらと彷徨っていた猫とて雄雌問わず大層な華になる。
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    DONE【モブブラ】過去ワンライ参加作そのまま(全年齢)
    第11回 「束縛」
    ※ブの外見年齢がまだ止まっていない若い頃の話。大捏造、暴力・犯罪表現アリ
    第11回 「束縛」 捕まった後に男はこう言った。彼を一目見て、衝動がむくりと首をもたげた。抑えきれなかったんだ、と。
    男の処遇をブラッドリーは知らない。ただ、魔法使いだって条件さえ揃えば人間に負けることもあるのだと学んだ。それだけだ。

    ぞわりと肌が泡立って、ブラッドリーは反射的に首元に手を伸ばした。
    まただ。ここ数日、外出するたびに肌をじっとりと舐められているような不快な視線を感じていた。立ち止まってきょろきょろと眺めても、姿が特定できないのもまた同じ。このあたりは長い間親父の縄張り下にあるが遂に狙うやつが出てきたということだろうか。親父を石にする材料を探ってやがる?
    否、と自分でそれを否定する。仮に俺なんかを人質に取る策を講じるような魔法使いが動いているなら親父が知らないはずがないだろう。北の国は魔法使いに頼って生きる人間も多い。このあたりでは面倒を見てやる代わりに、見知らぬ人物を見かけたらずぐさま子分たちが親父に報せにいくこともその対価のひとつだった。
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