デートランチタイムも後少し。午後の仕事が終われば休みが待っている週末。
「あかい!明日、8時に家の前で待ってろ!」
いつも忙しそうにしている彼が早足でやってきて、そして去っていた。
「…?あぁ。」
返事をした自分の声は果たして彼に届いていたのだろうか。
翌朝
「ほら、早く乗ってください」
「君の車で出掛けるのか?」
「ダメですか?」
「どうせなら助手席に君を座らせたい」
「はは!残念、僕は助手席に座る赤井を見たいので却下です」
車を走らせ到着したのは某テーマパーク
「ほら、早くいきますよ」
チケットは既にふるやが用意していたようで、ゲートに直接向かって行った。
入園してから、彼はスマホを少しいじったのちに「さて、郷に入れば郷に従えです」と言い、店の中へ。
「あの、あかいしゅういちが、耳を…!」涙目になりながら笑うふるや。少しムッとしながら横を見て、目についたカチューシャを彼につけて「なんだ、君の方が似合うじゃないか」と言ってやる。なんだか微妙な顔をするふるや(照れてる
そのまま会計をすませ、チュロスを買ったりアトラクションを楽しんだりする。
少し日が暮れてきたテーマパークのシンボルとなってるお城の前。
「そうだ、このあとは午前中にのったアトラクションの近くにあるレストランで夕食にしましょ…」
言葉の途中で手をとられる。
「ふるやくん、俺と結婚しよう」
「!?は、え、あ…もうっ!!いきなり、なんですか!!」
「いや、ここで言わないと負けな気がした」
「…くそ、僕の完璧な計画が」
「それで、返事は?」
「悔しいので、後からです。それより、お前明日も休みだろ?…実はホテルもとってるんです」
「喜んでご一緒させてもらうよ、王子様」
そうして2人は灯り始めたイルミネーションの中、夜のパークに溶け込んでいった。