85_yako_p カプ入り乱れの雑多です。昔の話は解釈違いも記念にあげてます。作品全部に捏造があると思ってください。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 434
85_yako_p☆quiet followDONE「THE虎牙道のみなさんです」 ##THE虎牙道 ##カプなし ##140SS Tap to full screen (size:910x590).Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 85_yako_pDONE鋭百アンソロジーに参加するために『花言葉・何をしても可愛らしい』をお題に書きました。主催者様から掲載の許可を得たのでアップします。(2024/7/23)勝者不在「僕ってカッコいいかも」 ソファーで伸びている百々人が隣に座る俺に聞こえるような音量で呟いた。視線こそこちらを捉えてはいないが、何も写していないスクリーンを見つめている春の紫陽花のような瞳は俺の言葉を待っている。 「そうだな。端正な顔立ちだと思う」 「それでね、すごく可愛い」 視線は相変わらず絡まないが、眺める横顔は『カッコよく』て『可愛い』。百々人がそれを認識しているのならなによりだ。 「ああ。顔立ちはもとより、雰囲気が柔らかくて愛嬌がある」 「なにそれ」 百々人がゆっくりと俺を見る。うっすらとした笑みを浮かべた顔は『キレイ』だった。その顔を歪めることなく薄桃色の唇が開かれた。 「じゃあ僕が醜くなっても好き?」 2361 85_yako_pDONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。 歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。 明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。 4310 85_yako_pDONE鋭百ワンスアウィーク第94回『鍵』シアタールームの二人です。あと一歩で鍵を取り逃す鋭百。(2024/8/25)暗がりに栞を挟んで あ、という声が重なった。真っ暗になった空間で、百々人と鋭心はお互いを探すように手を彷徨わせた。こつりと手が触れて、二人は肩を撫で下ろす。 先程までミステリ映画を映していたスクリーンは何の光も得ることはなく、緊迫したBGMを流していたスピーカーは完全に沈黙していた。シアタールームの照明はもともと消していたが、一応スイッチを入れても電気が点くことはない。 「この辺り全部がダメみたい。雷のせいかな?」 スマホを見ながら百々人が言う。そうか、と呟いた鋭心は百々人と同じように困惑しつつも苦く笑うしかない。どうやらこの付近一帯が停電しているようだ。 「すごいタイミングで停電したね」 「ああ、映画のようなタイミングだな……」 2194 85_yako_pDONEヘキだけで書いたタケ漣です。タケルくんが非常に失礼です。憐憫萌え。(2024/8/20)所有「オマエ、プール行ったことないだろ」 チビがそう言ってオレ様を見た。真っ青な瞳の奥に憐れみに似たものを感じて嫌になった。蝉も鳴けないような陽射しの下で、言葉がカゲロウに揺らめいている。 チビがオレ様を憐れむことはないと言い切れるが、チビは自分の当たり前をオレ様が知らないと、どうしようもないほどに苦しそうな顔をする。チビは憐んではいないんだろうが、オレ様がその視線に名前をつけるとしたら『憐れみ』という言葉が一番しっくりくるんだからどうしようもない。 そういう、チビ自身が気がついていない妙な癖にオレ様は気がついている。 プールに行ったことがないなんて、これっぽっちも口にした覚えはない。ただ少し前に学校で撮影があったときに、コイツの前で学校には行ったことがないとは口にした。その時からなんだか小骨が刺さったような顔をしていたから、きっとプールってのは学校に行ったことがない人間には縁がないところなんだろう。 2581 85_yako_pDONEデキてるカイレ(タケ漣)のいちゃつきです。レッカが小悪魔で終始優位。タイトルの半分はまえだちゃんが考えました(2024/8/18)おめかしハニー 紐付けというのはなかなかどうして馬鹿にできない。条件反射とも言えるそれはうまく仕組めればこれほど面白いものはないと、レッカという男は思っている。 ただでさえ人を食ったような男なのだから、他人が自分の思い通りに動いたり困惑したりすることに罪悪感などはなく、愉快だという気持ちしかないのだろう。 パブロフの犬、だなんて言葉があるくらいだから、目の前の人間が犬のように自分の行動に従う様はさぞかし彼を満足させるに違いない。そして彼が興味を持っている人間は数少ないのだから、その少数が餌食になることは想像に難くなかった。 わかりやすく、御し易い。そして何よりレッカのお気に入りであるという条件を全て満たすのは彼のバディであるカイだった。何も全てのおいて可愛らしい彼を振り回し、管理まがいのことをしたいわけじゃない。毒は一滴だけ垂らすから望み通りに回るのだと、聡明なレッカはわかっている。 2334 85_yako_pDONEクロファン(タケ漣)です。ファングがスラム育ちで文字が読めないという捏造があります。(2024/8/16)フロム、ダーリン ファングには週に一度、手紙が届く。 ハートのシールが貼られたそれは俗に言うラブレターで、差出人はクローだ。便箋にはクローの気持ちが綴られているのだが、封筒が開封されることはない。 「なんだその手紙は」 「知ってて聞くな。クローからのラブレターだよ」 「読んでやればいいのに」 セブンの口調は揶揄というよりは苦言を呈するものだった。その苦笑いの意味をファングはわかっている。 「わかってんだろ。オレは読み書きなんざできねぇんだよ」 彼が育ったスラム街では文字の読み書き以上に大切なことなどいくらでもあったから、読み書きができないこと自体はファングにとってなんの負目でも問題でもない。 そんなファングの事情を理解した上でラブレターを渡してくる少年のことをファングは好ましく思っている。手紙を受け取っても理解することのできない男のために、人を殺すための指先で愛を綴る。その行為はファングにとって、どうしようもなく愚かで愛おしいものだった。 1606