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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    85_yako_p

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    クラファ。すれ違いギャグ。(22/9/7)

    ##天峰秀
    ##花園百々人
    ##眉見鋭心
    ##C.FIRST
    ##カプなし

    月より団子 もうすぐ月見の季節だと、秀が嬉しそうに言っていた。たしかに紅葉には遠いが夜には暑さも和らぐ頃合いだ。月も見頃になるだろう。
     意外と言っては失礼だが、秀くらいの年頃で月見を楽しみにしているのは珍しいほうではないだろうか。感心しつつ話を聞いていたら、どうやら百々人も月見を楽しみにしているようだ。最近の秀と百々人はしきりに「そろそろ月見の時期だ」と楽しそうに笑い、嬉しそうに声を弾ませている。
     秀に聞けば月見は毎年の楽しみだと言うから驚いた。それと同時に、美しいものを愛でる感性と余裕は見習うべきだと身を引き締める。美しさと歴史には礼儀を払いたい。
     俺も参加してよいだろうか。そう問いかける前に秀がこちらを見て、パッと顔をほころばせて言った。
    「鋭心先輩! 明日レッスン終わったら俺たちと月見に行きませんか?」
     隣にいた百々人も嬉しそうに笑う。
    「マユミくんも一緒に行こうよ。……ダメかな?」
    「いや、俺から参加させてほしいと言うつもりだった。よろしく頼む」
     それは願ってもない申し出だった。秀と百々人は嬉しそうに明日の予定を話し始める。とは言っても、レッスンが終わり次第出かけるということ以外、決めたことはない。
    「レッスン終わりにすぐだと、時間が早すぎないか?」
    「あー、でも遅いと混むんで。レッスン終わってすぐくらいがちょうどいいですよ」
    「そうだね。マユミくんがこの時間帯で問題ないなら、すぐでいいと思う」
     混む、ということは月が見やすい人気の場所があるのだろうか。そのあたりの勝手は二人に任せてよさそうだ。
     そんなやりとりをしたのが今日の夕方だ。まだ日付は変わらないが、明日のレッスンは厳しそうだし早めに寝た方がいいだろう。それに、レッスンが終わったら二人と月を見に行ける。楽しみになって、ふと考える。
     満月ならば道具などなくても見えると思うが、なにか他に必要なものはないだろうか。
     例えば肌寒くなったときのための上着。そういえば柔らかく滑らかな生地のブランケットがあった。あとは月を見ながら温かいものを飲むためのタンブラーなどはどうだろう。大きめの水筒を持って行って、事務所でコーヒーか紅茶を入れるのはよさそうだ。
     しかし、なにもいらないというのは身軽で来いということなのかもしれない。どちらだろう、と悩むのは時間の無駄だ。俺はグループトークにメッセージを送る。
    『秀、百々人。持ち物はいらないと言っていたが、冷えたときのためにブランケットを持って行こうか迷っている。身軽な方がいいか?』
     返事を待つ間にブランケットを出しておこう。そう思った矢先に返信が来た。
    『あー、クーラーが強いかもしれないですしね。いいと思いますよ』
     クーラー、というのは想定外の単語だった。二人の言う月見に最適な場所というのは、てっきり外かと思っていた。
    『クーラー? 屋外ではないのか?』
    『屋外? ああ、テラス席もあるところだからどっちでも平気だよ』
     どちらでもいいと百々人は言うが、屋内から月は見えるのだろうか。俺が疑問を打ち込む前に、秀のメッセージが届く。
    『ってか鋭心先輩、いつもの店ですよ」
    『いつもの店?』
    『本屋の向かいの』
     気がつく。会話が噛み合っていない。その違和感の正体に近づくために、俺は疑問を投げかける。
    『月を見に行くんだよな?』
     それなりに、沈黙があった。
    『鋭心先輩ほんとごめんなさい』
    『マユミくんごめん誤解させちゃった』
     二人が絵文字もスタンプもつけずに、ただ謝罪をしてくるものだから身構える。おそらく、これはお互いに勘違いしている。
    『俺も勘違いしていそうだ。月見というのは月を見ることではないんだな?』
    『そうなの。月見バーガー』
     きっと途中で送信してしまったんだろう。中途半端な百々人のメッセージから少し遅れて、秀から詳細な説明があった。
    『俺たちが言ってる「月見する」って言うのは、期間限定の月見バーガーを食べに行くってことなんです……』
     要約すると、こうだ。
     俺たちがよく利用するファストフードの店では、毎年秋に『月見バーガー』という限定メニューが出るようだ。秀は毎年それを楽しみにしていて、友人たちと月見バーガーを食べることを『月見する』と言っていた。そのノリで百々人に月見バーガーの話をしたら、すんなりと通じてしまったとのことだ。だから疑問を抱かぬまま、流れで俺に話しかけて──この誤解が生まれたというわけだ。
    『問題が起こる前に誤解が解けてよかった。早合点してすまない。』
    『こっちこそすみません。月見するって言ったら普通月を見に行きますよね……』
    『えっと……バーガーを食べに行くだけだったら、マユミくんは来ない?』
     言葉と一緒に、不安げなひよこのスタンプが送られてくる。こういうとき、俺は文面だけで気持ちを伝えるのが下手なくせに使うべきスタンプもわからない。だから、まっすぐに言葉を紡ぐ。
    『いや、お前たちと食事ができるのは嬉しい。』
     月見をしよう。そうメッセージを送れば、嬉しそうなスタンプがふたつ届いた。
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    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
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