君は『殺しの番号』を知ってるか 眉見鋭心は困っていた。今にきっとガッカリするであろう後輩が如何にダメージを受けないで済むか、その方法を模索していた。
事の発端はC.FIRSTに舞い込んできた仕事にあった。SFを元にした海外産RPGゲームの日本語版発売を記念して、その実況の仕事をすることになったのだ。
秀の提案で、最初の操作は鋭心がすることになった。ゲームが得意なのは秀だが、バラエティ的に操作が覚束無いであろう鋭心のほうが撮れ高が高いと踏んだのだ。
予想に反して鋭心のプレイはスムーズで、彼らは所々でグラフィックの美しさや内容に感心しながらゲームを進めていく。そろそろ操作を百々人に代わろうか、というタイミングで鋭心がぽつりと呟いた。
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