Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

    ☆quiet follow Yell with Emoji ❤ 🌟 🎀 🍎
    POIPOI 434

    85_yako_p

    ☆quiet follow

    鋭心先輩が本を出す話。仲良しクラファ。
    100本チャレンジその43(2023/9/18)

    ##花園百々人
    ##眉見鋭心
    ##100本チャレンジ
    ##カプなし
    ##C.FIRST

    例えば笑うと幼く見えたり マユミくんが本を出すことになった。なんでも、雑誌で連載していたコラムをまとめて出版するらしい。
     そのコラムは僕も読んだことがある。マユミくんの好きな映画を中心として、マユミくんの好きなものが理路整然としたマユミくんらしい言葉で語られるとても好ましいものだった。アマミネくんと一緒に読んで、マユミくんってこういうのが好きなんだね、って話をしたりもしたっけ。
     さぞかし素敵なものができるに違いないと他人事として楽しみにしていた僕は、マユミくんのお願いで一瞬にして当事者となってしまった。マユミくんは僕に著者近影を描いてくれるないかと頼んできたのだ。
     なんで、僕に? その問いを受けたマユミくんは毅然とした男らしいカッコ良さでずいぶんと可愛らしい答えを返してきた。曰く、
    「このコラムは俺がよいと思ったものや面白かった映画についてを書いたものだ」
    「うん。僕も読んでるよ」
     楽しそうで僕も幸せになると伝えた。そして、少しだけ妬けるとも。
    「僕らにも、同じくらい話してくれればいいのに」
    「む……俺としては、話が長くなるから自制しているんだが……」
     それはさておき、とマユミくん。
    「……俺は百々人や秀といるときが一番楽しいんだ」
    「……うん?」
     妬いたと冗談半分、本気半分で言った僕へのリップサービスだろうか。それにしても嬉しいことを言ってくれる、だなんて考えている僕にマユミくんは照れる素振りも見せずに言う。
    「映画を見ている俺も、何かを好ましいと思う俺も、きっとお前たちの前が一番いい表情をしていると思うんだ」
     幸せだから、と彼は言う。僕たちもだよって言う暇も与えずにマユミくんが口にした。
    「だから、その表情を知っている百々人が描く俺が……百々人の描く著者近影が、俺が好きなものを語る本に一番ふさわしいだろう」
    「……そっかぁ」
     マユミくんが真顔だから代わりみたいに僕が照れてしまう。この人、本当にこういうところがあるよなぁ。
     僕は二つ返事……いや、ぴぃちゃんを通して依頼を受ける。
     僕たちだけが知る一番素敵なマユミくんを白日の下に晒すのは、もったいないけどなんだか誇らしかった。

     後日、僕とアマミネくんは膝を突き合わせて会議をする。著者近影を頼まれた僕と、帯のコメントを頼まれたアマミネくん。僕らは僕たちだけが知っていた、マユミくんの話をしながらクリームソーダを飲み干した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💛💙❤🙏😭😭💖💖💖💖😭😭😭🙏🙏💖💖💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    85_yako_p

    DONEかなり捏造多めなタケ漣です。自分の知らない一面をなかなか信じたくないタケルの話。猫が死んでます。タケ漣とするか迷いましたが、タケ漣でしょう。(2024/10/12)
    野良猫の憂鬱 予感がした。それだけの単純であやふやな理由で俺はわざわざ上着を羽織って夜に踏み出した。目的地なんてあるはずもないのに、足は路地裏に向かっていた。
     歩けば歩くほど無意味に思える時間に「明日は朝から雨が降りそうだから、アイツを家に入れてやらないと」と理由をくっつければ、それはあっさりと馴染んでくれた。そうだ、俺はアイツを探しているんだ。訳のわからない予感なんかじゃなくて、でも愛とか同情でもなくて、この意味がわからない焦燥はアイツのためだ。
     明日が雨予報だってのは嘘じゃないけど、今夜は晴れていて月が綺麗だった。だからアイツがいたら一目でわかるはずだし、パッと探していなかったら今日は捕まらない。だから、と自分の中で線を引いてから路地裏を見ると、いつもチャンプが日向ぼっこをしているドラム缶の上にアイツがいた。片足をだらんと垂らして、片方の足はかかとをドラム缶のふちに乗せている。そうやって、何かを抱き抱えるように瞳を閉じている。
    4310

    recommended works