アウトサイド天気の良い、冬にしては日差しの暖かい日だった。
小春日和というのはこのような日なのだろう。
ランチの時間は過ぎ、ティータイムにはまだ早い時間。
カフェのテラス席に鉄道同好会の面々は、春休みの遠征の打ち合わせのために集まっていた。
遠征の費用を節約するため、一番安いメニューのホットコーヒーを飲むメンバーの中、会長だけが少しだけ高いホット柚子ティーの入ったカップを両手で包むようにしてすすっていた。
小春日和とはいえ、風が入る通りに面したテラス席を選んだのは、人数の多い打ち合わせでもカフェ側に迷惑を掛けないだろうという算段だ。
通りを歩く女性達がチラチラと会長の方を見る不躾な視線を感じて、お下げの少女は会長を通りの視線から隠すように席を移動した。
959