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    MmGranrodex

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    MmGranrodex

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    監督生♀(23)が童顔だがヤクザマインドという設定の話。
    ※男装していない

    「ジャパニーズ女子の心はヤーサー。」


    ーーーーーーーー

    異世界に放り出された監督生は御年23歳女性。見た目が見た目でごまかしがきかない男子高校生にスカートを履いて混ざることとなった。
    いやはやは魔法を扱ってしまうこの世界、更に名門校ということもあり生徒として認められた初日に監督生は担任のデイヴィスクルーウェル氏にたずねた。

    「エレメンタリースクール課程のテキストはどちらで用意できるでしょうか。」

    そこから監督生は凄まじかった。彼女から数年年下の男の子の友人たちが彼の顔を見るなり小さく悲鳴を上げるほど凄まじかった。

    日々図書館にこもり、頼れる先生方へ厚い補習を依頼し、頼れる先輩方へアドバイスを仰ぎ、そして日々のオーバーブロッド大事件への東奔西走。オーバーブロッドオーバーブロッドエトセトラ。いつからか猛獣使いとも呼ばれるようになっていた。

    最近では血走る眼を真っ青な隈が抱え、鼻息は必要以上に荒く、唇は乾きその端は切れ、肌荒れはひどい。ソレを見かけたポムフィオーレ寮長は彼女に怒号を飛ばし、美とはなんぞやと唱えたものの監督生の耳には一切はいらない。日々図書館へ走ったのである。

    そして監督生がクルーウェル氏に腰を折ってから早3ヶ月。
    「…どうですか。」
    「…Good girl.満点だ。」

    監督生はユニバーサルシティの受験問題を難なく解けるようになるまで成長した。すなわち、ナイトレイブンカレッジで履修する基礎科目は3年生課程まで終了したことになる。

    放課後の魔法薬学室で監督生は肩の力を抜いた。そしてクルーウェル氏はピッピとチェックマークを答案用紙につけ、最後にexcellentと走り書きをした。
    クルーウェル氏は監督生に座っているよう指示し、コーヒーを淹れて監督生に差し出した。彼女は礼をいってマグカップを受け取った。

    「よくやった。」
    「あ、ありがとうございます。こちらこそ数ヶ月間質問攻めにして申し訳ありませんでした…補習もしていただいて…」
    「この時期はテスト期間からも離れているからな…トレイン先生や他の先生にも頭を下げておくことだな。」
    「はい、そうします。」

    クルーウェル氏から答案用紙を受け取った監督生はほっとため息をついてコーヒーを一口口に含んだ。香ばしい香りが鼻からぬける。

    「ところで仔犬。」
    「はい。」
    「なぜそこまで入れ込んだ。」

    一瞬の沈黙の後、彼女は答えた。

    「それは…まわりは16歳で7つも違う男の子と同級生みたいに振る舞えるわけがないじゃないですか。私が頑張れるのは魔法を使わない分野だけで…」
    「ほう。」

    クルーウェル氏はじっと彼女の目を見て言った。鋭い目つきに妙に背中が伸びた。

    「では聞き方を変える。俺は理由を聞いているのではなく目的を聞いているんだ。」
    「え……あー、ああ、そういう…」
    「学生という期間を学園長がお前の保護者として保証している。なぜそこまで根を詰めた。お前、バルガスの体力育成のときに貧血で倒れたそうだな。それに食堂で食事を取りながら寝ていたと。」
    「あー、あはは、そ、そうですね。」

    監督生の目が泳いだ。クルーウェル氏の整いすぎた顔から目線を外した。怖いと感じたのである。

    「勉強の資本は体からだ。」
    「す、すみません。保健室のリリー先生にもお世話になりました。」
    「ああ、俺は謝罪が聞きたいわけじゃない。」
    「…そ、その…」

    監督生は狼狽えた。自身の答えるべき回答を必死に組み立てようとした。しかし妙な緊張感の中でそれがうまく行かない。

    けれども監督生は子どもではない。目的があった。必死に努力する理由の先にある目的が。自身の体温が上がるのを感じながら監督生は口を開いた。

    「私、やっぱり邪魔じゃないですか。」
    「どういうことだ。」
    「いや、まァ、その、女ですし、わけのわからない異世界から来たことになっているじゃないですか。その、やっぱり…」
    「結論から言え。」
    「は、はやく独り立ちしたいんです。」

    クルーウェル氏は黙った。監督生は続けた。

    「さきほども申したとおり、私は周りの皆さんより年上で、女で、この世界についてなにも知らなくて…不本意ですが非常に迷惑をおかけしていることは重々わかっています。」
    「だからはやく知識をつけてここを去ろうと」
    「なんとかコネを作っていただける人材にはなろうと努力したまでです。ユニバーシティには飛び級やスカラー制度があることも調べましたし、職業訓練校はそもそもそこまでのオツムいらないらしいじゃないですか。色々見ましたよ私。」
    「ほう。」

    監督生は自分の口を止められなかった。コーヒーカップから手を離し、両手の平を机の下で組んだ。

    「なんとかこうやって結果がだせれば学園長に虚偽の戸籍でもつくってもらって早く…」
    「仔犬」

    クルーウェル氏は芝居がかったような素振りで大きなため息をつきながら頭を振った。やれやれと。

    「どんな異世界から飛ばされてきたかはしらんが…お前はどこかのご令嬢なのか。」
    「は、」

    自身の胸が冷えた。監督生は口を開いたままクルーウェル氏を見つめた。まさかまさか、教員ともあろうものが…まあまあまあ、彼はここの教員、そうだ、彼の言いたいことを私が取り違えているだけかもしれない。

    「クルーウェル先生、それは…私が、世間知らずの、甘ったれ…ってことですか。」
    「…ああ、そうだな。」
    「『ああ、そうだな』ァ」

    監督生は席をガタンと立ち上がりまっすぐクルーウェル氏を睨みつけた。今までの謙虚さなんていらない。真っ向からこの男を叩きのめすと言わんばかりの気迫だ。

    監督生はクルーウェル氏のきれいな顔に噛み付くようにして吠えた。

    「自分のどこが一体どっかの努力しないで3時にお菓子が出てくるお嬢様と同じだってんですか。ああ、自意識過剰、傲慢むしろ滅茶苦茶謙虚じゃないですかァええ精一杯なんですよこっちは。そりゃあ『クルーウェル様』はこのツイステッドワンダーランドでの名門校ナイトレイブンカレッジの『大』先生かしれませんがねェ私は、全くなんの魔法も使えない、女だ。」

    監督生の声はどんどん大きくなっていく。

    「学園長は何考えてるかわからん上にデリカシーのデの字もない男子高校生の中に22歳の私を生徒として放り込むわ、きっない館に住めだの飯は金が必要以上にかかるわたまったもんじゃない。ああ、衣食住の保証の定義を契約書にまとめさせるべきだった。頭がない一文なしは野垂れ死になるしないでしょう。福祉国家と銘打つ私の国でもそうだった。」

    クルーウェル氏は言葉を発さず監督生を冷たく見据える。彼女は語気を一切緩めない。日頃の品行方正は消えた。

    「私が焦る理由、わかりますよね。これからどうなるかわからない状況で楽しくゆっくり学園生活でもおくれって言いたいんですか。まっぴら御免ですねそんなの。次に私が学ぶべきは飛行術だの古代魔法ではなく法律と護身術だ。」

    「過度に女扱いをしてほしいわけじゃない。こんなスカートも私にはいらない。もとの世界に帰れないのであればここで、自分で一人で生きるために必要なものを揃えるんです。そのための教育機関でしょうがよ。それなのに、それなのに、」


    ーーーーーーー

    レオナキングスカラーは生徒会議室で微妙な顔をして巨大モニターを見てて座っていた。

    『あなたたちは何もわかっちゃいない私にとっていかにこの世界が生きづらくて、魔法が使えないことがいかに自分を惨めにさせるのか。できない自分を認めるなんてすぐにできるもんですか』
    『私が今生きてるのが奇跡であると思わないんですか、この前生徒の仲裁で髪の毛が炎で焦げましたよ肩にやけどを負ったのもしらないでしょうねここでみせてあげましょうか』
    『大体なんなんだ魔法なんて、空飛ぶ箒なんて、そんなもの、そんなもの私には…』

    あの監督生が顔を真っ赤にして怒り狂っている。聞いたことのない声で叫んでいる。クルーウェル氏の声は一切聞こえない。
    レオナはその場を離れたかったが監督生の言葉にショックを受けてしまい動けなくなった。

    『大体この学園性教育どうなってんですかなんで20にもなってスカートめくりしてんだよ生理の時面と向かって臭いって言われましたよもう本当にどうしてやろうかと』
    『おかしいと思いませんか、年上への口のきき方ァお礼の言い方ァ紳士ってなんですかァ突然締めるな』
    『厳格な法律は合理性を精査しろ話はそれからだ治外法権』
    『熟慮言うなら消しゴム一つでケンカするんじゃない私を跨いで喧嘩しないで』
    『美がどうのこうのより言葉と心を美しくしてよなんだよズケズケズケズケと化粧は自己満でしょうがよ』
    『魔力が強けりゃ偉いのか肩あたったら舌打ちじゃなくてすみませんでしょうがええ』
    『声はハッキリだせ聞こえない』
    『もう決めたたった今決めました何が何でも障壁突破して一刻でも早く転校して弁護士になって学園を訴えてやる』

    レオナのしっぽは自身の足に巻き付いてしまった。ふと視線を感じて周りをみると、各寮長が揃いも揃って苦いカオをして俯いていた。

    その瞬間、監督生は白目を剝いて後ろに倒れた。クルーウェル氏が魔法で彼女の体を支えた。体は宙に浮いた。
    そして間もなくクルーウェル氏がこちら(モニター)に向かって言った。

    『生徒相談終了だ。監督生を保健室に運ぶ。』

    クルーウェル氏、最高に胃が痛そうな顔である。

    ーーーーーー

    監督生は目覚めた。長い夢を見ていた気がする。たしかクルーウェル先生に答案を出してそれで…それで…


    それで


    「あ、起きた。」
    「…え、エース…え」
    「そうそう。薬学室でぶっ倒れて今保健室。まあ寝てろって。」
    「へァ…ハァ。」

    私はどうやら保健室のベッドの上で寝ていたようだ。窓からオレンジの日がさしている。いつもならこの時間は図書館で勉強をしていた。ああ、今日はたしかクルーウェル先生に答案を採点して頂いて…満点で…これでやっと…やっと、何であったか。そういえば。そういえば。

    監督生はガバっと起き上がってエーストラッポラの目を見た。

    「エース、私とんでもないことをしたような気がする。」
    「はぁ」
    「夢であって夢なら最悪、最悪だけど現実だったら今までの計画が全部水の泡…」
    「何言ってんだよ監督生、起きるな起きるな。」

    エースが監督生の肩を抑えていたらデューススペードがグリムを連れて保健室の扉を派手な音を立てて開けて入って来た。

    「おい監督生無事か」
    「無事だけど無事じゃないかもしれない主に女としての矜持が。」
    「お前やっぱりあの陰険白黒野郎にイジメられてたんだゾ」
    「陰険白黒野郎て。」

    バタバタとベット脇にかけてきた彼らは心配そうにこちらを見つめた。

    「さっき各寮長が緊急招集されたんだ。」
    「はい」

    ーーーーーーーー

    レオナキングスカラーは頭を抱えていた。リドルローズハートは何度となくため息をついた。アズールアーシェングロットはメガネをせわしなく動かしていた。カリムアルアジームはいつもの元気がなく、ヴィルシェーンハイトは美しい顔の眉根を寄せていた。タブレットのイデアシュラウドは無言を貫きマレウスドラコニアはその場におらずリリアヴァンルージュが出席している。

    リリアは窓の外が大雨雷であるのをみて困ったふうな顔をしていた。

    「いやはや監督生さんは聖母のような方だと思っていたんですがねぇはてはてやれやれ。快活なお人だったんですねぇ」
    「よくこの空気の中それが言えたなクロウリー。」
    「冗談ですよクルーウェル先生そんな怖い顔をしないで。さァ、君たちも顔を上げて。」

    生徒らは目だけをクロウリー氏に向けた。その目は「なんでお前がそんな調子なんだ」と言わんばかりの軽蔑の目だ。

    クロウリー氏は監督生の保護者である。始めは異世界からの訪問者がやってきたと魔物と共に余計な仕事が増えたものだと思っていたところ、品行方正、教師受けの良い素直な性格、スカートをはためかせる彼女は荒れくれ者の集う男子高校生共の中、注目を集める凛とした華ということで、憎からずおもうようになった。要するに、「かわいい生徒」という認識になったのだ。

    そんな彼女がここ数カ月、何かに取り憑かれているかのように図書館に籠もりっきりになっているというのだ。

    優しい優しい学園長は教師共にその事情を聞くが、「監督生がせっかく異世界のTWLにやってきたのだから吹っ切れて勉強をたくさんしたいなんて言うもんだから、熱心に教えを乞うのでどこまでも教えてしまう」と男共は答えた。クロウリー氏、なんだなんだ、結構なことだ。学ぶことは千里に通ずる。教師冥利に尽きるじゃないか優しい我々は優秀な生徒に手を貸そうじゃないかアッハッハ。

    と、いった具合に優しくプライドの高い男共はこぞって張り切って彼女に教授を施した。(最終的に3ヶ月で彼女はメキメキ知識の塊を頭に叩き込んだ。)学園長はそれをにこやかに見守った。

    しかし自身で教鞭をとりながら、デイヴィスクルーウェル氏、モーゼストレイン氏らは違和感を覚えた。いやはやそれにしてもおかしくないかと。彼女はあんなに眼光が鋭かったか彼女はあんなにやつれていたか最近表情が芳しくないのではという具合に。

    一方その頃、学園内の生徒たちも彼女の異変が気にかかっていた。特にポムフィオーレ寮長であるヴィルシェーンハイトは彼女の容姿の変化に悲鳴と怒号をあげ、それをルークハントがなだめていた。リドルローズハートは彼女の親しい友人であるエーストラッポラやデューススペードらに最近彼女の様子はどうだと聞き込みを入れていた。(案の定彼らはグリムと一緒に彼女に迷惑をかけていたことが判明する。)アズールアーシェングロットはモストロラウンジのバイトの彼女のシフト回数がここ数週間減少気味であったことから「学園長からの支援が増えたのか」と彼女に直接聞いたが苦笑いを返されるだけであった。(実際は彼女の体調が芳しくないのであった。)

    そこでリドルはトレイン氏に相談した。ヴィルはクルーウェル氏に相談した。(ここの動きの一致は全くの偶然であった。残念ながら、彼ら生徒では彼女に何を聞いても納得のいく回答を得られなかった。)

    そしてクルーウェル氏とモーゼス氏は学園長に掛け合った。彼女の「生徒相談会」をするべきではないか、男子校に一人の女子はさすがにストレスを抱え過ぎてはいないか確認しようと。(しかしクロウリー氏は「そぉんな心配しなくても彼女は元気で優秀な生徒ですよぉ〜」と言っていた。これが学園長たるや結構な話だ。)

    クルーウェル氏とトレイン氏は考えた。理系脳と文系脳をぶつけ合いながら彼女の本心を(純粋な学びへの欲求ではない、という仮説のもと)聞き出すための手段を考えた。

    そしてとった手段は

    ーーーーーーー
    「監督生…その…いや…」
    「突然何デュースさっきから変じゃない」
    「なにから切り出せばいいかわからないんだ。」

    さきほどからデュースの様子がおかしい。へんなものでも食べたのか、いつも彼女をまっすぐ見つめる目はあっちへこっちへ泳ぎ回っている。

    「だーーーーーーッもうこれだからデュースちゃんは寮長が言ってたろ」
    「だってか、監督生は、その、年齢はいくつだ」
    「…なるほどね。」

    監督生は額に手を置いた。

    「50だよ」
    「いやそれはウソだろ」

    エースが間髪入れずにツッコむ。

    「じゃあ何ですか。私が23だったら君たちのとった行動が変わったのかね。」
    「いや…それは…でも…」
    「さすがに…年上には格好つけるっつーか…」
    「いいんだよ、別に。それであってこそ男子高校生なんだから。グリムはまるで意味わかってないみたいだからね。」
    「お前、レオナより年上だったんだゾ」
    「そうそう、そういうこと。」
    「それだけなんだゾ」
    「それだけだよ。無駄に格好付けず、無鉄砲で無作法で元気一杯。それでいいんだよ君たちは。」

    監督生は努めて優しく語りかけた。日頃下ネタで喜ぶ元気で馬鹿な男子高校生が塩らしいと調子が狂うと思った。年は離れているが友人は大切にしたいものである。

    「でもまァ…改善できることはあるかもしれないね。」
    「「はい…」」
    「ところでエースとデュースは…クルーウェル先生がどこにいらっしゃるか知ってる」
    「え」
    「確か生徒会議室のはずだけど」
    「…。」

    監督生は考えた。入学以来、自身は努めて「年齢を明かさないように」していた。なぜならNRCに通うにあたって、今のエースやデュースのようなピチピチ男子高校生の中に女性がはいるだけでも浮くのに年も離れているとなればもっと浮いてしまうと考えたからだ。しかし自身が「意識的に」口を閉ざしていたことをこの二人が知っている…つまり自身が「外的な働きのせい」で誰かに話したことが他者に知られている。

    明白なことだ。

    「自白剤か何か、か。」
    「え」

    監督生は意識を失った数分前薬学室にいた。なぜか記憶がおぼろげで、「なにかしでかした」ことだけは覚えている。これは…。

    「学園長室に行ってくる」
    「まてまてまて、今は」
    「今は、なに」

    エースは監督生の顔をみたら心臓がビシリと凍る思いがした。寮長、すんません、俺ら監督生を止められませんでした。首なら後でハネて下さい。

    エースとデュースはベッドを降りて保健室を出ていく監督生の背中を見送った。グリムはあくびをしてトコトコ彼女の後を追った。


    ー続く…かどうかはわからない。ー



    ※補足
    クルーウェル氏の使った手段は自白剤ではない。自白剤は麻薬や意識を朦朧とさせる薬で危険。生命に関わるから使わない。

    クルーウェル氏はトレイン氏とじゃんけんして負けたので汚れ役を担うハメになった。思ったより監督生の言葉がキツかった。
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    MmGranrodex

    DONEhttps://twitter.com/MmGranrodex/status/1348825022123569152?s=19
    この漫画↑がま〜わかりにくいので、登場する監督生について背景を書いてみました。これを読んでくれるとちょっとわかりやすくなると思わないこともないこともない。
    告白時に服を破った彼の転生前の話です。https://twitter.com/MmGranrodex/status/1282159895307882496s=19


    少年の両親は東京にある大学病院に努める医者であった。父は外科医、母は内科医であり、日々の労働は極めて多忙だった。彼は幼い時から祖母といる時間が長く、彼に勉学を、家事を、所作を厳しくも優しく教え込んだのは祖母であり、小学生の学校行事等にやってくる保護者は全て祖母だった。

    彼女は口癖のように「一人で生きていけるようにならないと駄目よ。」と言った。それはもっともなことだ。幼いながらに彼はその言葉を受け止めた。

    祖母は少年が小学四年生の時に末期の肺がんを診断され、それから一年もかからないうちにこの世を去った。それから彼は保護者が殆ど帰らない家で時間を過ごすこととなる。彼には幸いにも友人や指導者に恵まれ、聡明な性分は一層育った。

    12の冬、彼は自身の父親の出身校である中高一貫校を受験した。無事に合格の通知がやってきたことを彼の両親はとても喜び、数年ぶりに家族3人で食事をしに出かけた。彼は両親に自身も医者になりたいと幼いなが 1360

    MmGranrodex

    TIRED監督生♀(23)が童顔だがヤクザマインドという設定の話。
    ※男装していない
    「ジャパニーズ女子の心はヤーサー。」


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    異世界に放り出された監督生は御年23歳女性。見た目が見た目でごまかしがきかない男子高校生にスカートを履いて混ざることとなった。
    いやはやは魔法を扱ってしまうこの世界、更に名門校ということもあり生徒として認められた初日に監督生は担任のデイヴィスクルーウェル氏にたずねた。

    「エレメンタリースクール課程のテキストはどちらで用意できるでしょうか。」

    そこから監督生は凄まじかった。彼女から数年年下の男の子の友人たちが彼の顔を見るなり小さく悲鳴を上げるほど凄まじかった。

    日々図書館にこもり、頼れる先生方へ厚い補習を依頼し、頼れる先輩方へアドバイスを仰ぎ、そして日々のオーバーブロッド大事件への東奔西走。オーバーブロッドオーバーブロッドエトセトラ。いつからか猛獣使いとも呼ばれるようになっていた。

    最近では血走る眼を真っ青な隈が抱え、鼻息は必要以上に荒く、唇は乾きその端は切れ、肌荒れはひどい。ソレを見かけたポムフィオーレ寮長は彼女に怒号を飛ばし、美とはなんぞやと唱えたものの監督生の耳には一切はいらない。日々図書館へ走ったのである。

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