充分甘いよ。それ見たことが。
だからあの時言ったのだ。
睡眠障害に味覚障害…?
ヒトとしてきみはまともに生きれているか?
なぁ、それでも大丈夫だと、そう言うのか?
本当にバカげてる。
「味の薄いコーヒーに入れる砂糖は美味しいかい?」
「…嫌味?」
「いいや?サーヴァントとしてマスターの身体を案じているのさ。糖分のとりすぎは良くないよ」
あの眠れなかった夜。
皆でコーヒーを飲んだ日から数日経った夜。全てを見透かしていたかのようにオベロンは彼女にそう語った。
「それとも、その身体ももう朽ち始めている、とか?」
「全ッッ然!!平気だし!」
んべ、とリツカは元気よく舌を突き出し嫌みを放つオベロンを一喝してみせる。
「じゃあ何故ここにいる?
今日も眠れないんだろ?」
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