Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    hebiashixxx000

    @hebiashixxx000

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 25

    hebiashixxx000

    ☆quiet follow

    えふごくんねた/インぐだ♀/名前は藤丸立香で固定
    インドラ(広義→)←藤丸♀/距離感がバグってる神様と人間(肉体関係はない)
    久々に男女?cpにぐちゃられた結果

     微小特異点を修正した藤丸立香がマイルームへ帰還したのは、深夜一一時近くの事。
     今日の特異点はまさに東奔西走。休みなくあっちへこっちへと走り、やたら増える敵と戦い、何もしていない時間がない程にとにかく動き回った。体力も魔力も気力も使い切って最後は立香だけでなく、同行したサーヴァント達もヘトヘトになりながら何とか特異点の修正を完了し、ノウム・カルデアへと帰還した。
    任務中は「やることが……やることが多い……!」と同行サーヴァントの一人である刑部姫がどこかで見覚えのある画風で悲鳴を上げていたのがやたら頭に残っている。
     閑話休題
     ぐったりしながらマイルームに戻り、何とかシャワーを浴びてくると既に時刻は一時を過ぎていた。普段ならシャワー後は寝る前に少しでもレポートを進めているが、今日はもうタブレットを開く気力も出ずに真っ直ぐにベッドに倒れ込む。低反発マットレスに沈む気持ち良さと柔らかなタオルケットの柔軟剤の香りには勝てず、立香は一瞬で眠りに落ちていった。

     暗い夢の奥から、意識が浮上しようとしている。
     ベッドの中で融けていた意識が徐々に形を作っていくような心地良さの半覚醒状態。久々に結構長く寝たかもしれないと立香は思いながら今日の予定を思い出す。確か久々に任務もない完全オフの日だ。昨日の時点までは無視できない特異点は今のところ発見されていないから「よっぽどの事がない限りは呼び出しは掛けないよー」と、帰還時にダ・ヴィンチから言われていた。
     目を閉じたままぼんやりと、昨日の特異点のレポートをやろうかと思い付いて起きようとしたが、全身を押さえつけられているように動かせない事に気づいた。俗に言う疲れからの金縛りというやつだろうか。それにしては全く動けない訳ではなく、指先等は普通に動かせる。原因は何だろうかとうっすらと目を開ける。
     照明を付けっぱなしで眠ってしまったので普段と変わりないマイルームが見える筈なのに、視界いっぱいに黒く滑らかなものが広がっていた。
     何だこれ。と目の前のそれをまじまじ見詰める。所々に交じる青白い輝きを放つ線が繊細な刺繍で、それが見慣れた曼荼羅のような紋様を描いているのに気づき、これが誰なのか理解した。
    「インドラさま……?」
     寝起きのかすれた声で頭上に問いかける。立香を抱え込むように胸元へ抱き寄せているインドラはその大きな体躯からは想像も出来ないような静かな寝息を立てている。仄かな酒気とその奥から薄っすらとペトリコールが香る。昨日も随分飲んだのだろう事が伺える。
     昨日はマイルームに誰も居なかったのは覚えている。わざわざ来てくれたのかと、胸の奥がほんのりと嬉しさで満たされるが、その想いはそっと奥に仕舞った。
     インドラとは随分前──人理修復の時に唐突に召喚されてからの付き合いだ。ロンドンの特異点を修復後から少し不眠気味で、どうしても眠れずカルデア内をこっそり徘徊していたのを見つかり、何がどうしてそうなったのか半強制的に添い寝をするようになった。多分恐らく神様なりに憐れんでくれつつ、どうにかしようと思っての添い寝なのだろうなと立香は考えている。息子であるアルジュナにも不器用な父親ムーブをしているのを度々見かけているので、それに近いのかもしれない。
     インドラはセミダブルのベッドの中で窮屈そうに体を曲げながら長い手脚で立香を包み込むように丸まって寝ている。立香が顔を上げようと少し身動ぎすると、それに合わせて細い体に絡まっている長い手脚に力が入っていき、ますます動きづらくなっていく。
     どうしたものかと立香は思案する。いつもならインドラの傍にいるヴァジュラ達も居ない。もし居ても、自分が頼んで彼らがインドラを起こしてくれるかどうかは定かでないのだが……。
    「インドラ様が傍らで瞑想している円満具足とんでもない幸運を噛み締めると良いでしょう」「身に余る光栄だな〜人間?」と、頭の中でヴァジュラ二人のありがたい返答お言葉が返ってきた気がする。仕方ない、自分がどうにかするしかない。
    「インドラ様、起きますよ」
    「ん……」
     先程より少し声を張り上げると、聞こえたのか少しだけ不機嫌そうな吐息が漏れ聞こえた。深く眠りについているようで、モゾモゾと身動ぎするものの手脚を絡めるのは変わらない。体格の違いもあってまるで檻のようだなと思う。
    「朝ですよ、多分」
    「……喧しい」
    「おはようございます」
    「……寝とらん……深く瞑想していただけだ……」
     ようやく覚醒してきたらしい。手脚の力を少しだけ緩めつつ、不機嫌な声色で転た寝している時のいつもの言い訳が返って来た。
    「今日は休みだろう……」
    「はい」
    「ならこうして閨で微睡んでいても問題あるまい。黙ってこのまま……」
    「でも、今のままでは顔が見えないです……」
    「……」
     立香の言葉にインドラは渋々腕を緩めてくれる。
     ようやく顔を上げると、頭の上でインドラは乱雑にサラサラの白い前髪を掻き、眉根を寄せながら瞼を重そうに上げて立香に目を向けた。
     いつもなら五〇センチ以上の身長差から見上げている澄んだ宙を映した虹彩の輝きがとても近くに見える。長い睫毛と瞼の隙間からチカチカと瞬く光が、まるで雲間を走る雷のように漏れ出ている様は、人の形をしているけれど、確かに神様なのだと知らしめているようだと立香は思う。
    「動けなくてびっくりしました。いつマイルームに来てくださったのですか?」
    「おまえが寝て直ぐだ。帰ってきて一時も顔を逢わせず寝入った挙げ句、傍らに来ても一切反応がないとはな」
    「すみませんでした。ベッドが呼んでいたもので」
    「不敬だな、人間」
     立香の返答にインドラはムスッとした表情で小さな鼻を摘む。「フギャッ」と色気も何もない残念なうめき声を上げる目の前の人間の間抜けな姿には少し溜飲が下がり「フン」と息を吐く。
    「不敬者への仕置きだ」
    「鼻潰れます……」
    「本当に潰したくなければ、次は帰還したら真っ先に逢いに来い」
    「そうします」
     立香の返答を聞き、先程までの不機嫌そうな表情からようやくインドラは少し機嫌を直したらしく口元に笑みを作った。立香はホッとして起き上がろうとするが、即座に長い腕が再びマットレスに沈める。
    「あの、起きたいのですが……」
    「どこへ行く」
    「レポートをやらなきゃなので……」
    オレの顔が見えぬと言うから離してやったがオレから離れるのは許可していない」
    「ええ……」
     再び檻のように体を絡め取られてしまい、こうなった気が済むまで離してくれないだろうなと立香は諦めてベッドと友達になる事にした。そういう行動も言葉も、神様にとってはなんてことない事で、一瞬の出来事なのだろう。それは少し淋しい気持ちもあるが、それでも、この一瞬でも隣に居られるならそれで良いと、立香は目を閉じる。
     人間より低いインドラの体温に自分の体温がじわじわと移っていく感覚が心地良く、再び意識が蕩けるような眠気に微睡んでいると、頭の上でインドラがそっと笑った気がする。
    「良かろう。今一度、オレの傍らで微睡むのを赦す」
    「……インドラ様も二度寝しますか?」
    「先程のは瞑想だ……だが共寝はしてやる」
    「はあい……インドラ様」
    「喧しい、良いから……」
    「遅くなりましたが、帰りました」
    「………………ああ」
     たっぷり沈黙を取ってインドラは返答し、黄昏色のつむじに顔を埋める。人工的な花の匂いと仄かな甘い匂いに人間の営みを感じ、少し安堵する。胸の中で人間がまた眠りに落ちたのを確認した雷霆神も再び瞼を閉じる。
     この時間は神にとっては瞬きの如き時間、肌に落ちた雨粒が流れる一瞬。その時間が流れるのが惜しい程に愛しいものだと、共に在れる一瞬が無二のものだと神は識っている。
     これが契約者である人間への親愛なのか、神に選ばれた佳い女への情愛なのか、はたまた親から子へ向ける慈愛なのか。雷霆神は自身の中で渦巻くその愛をまだ捉えられていない。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏👏💴❤❤❤❤💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    hebiashixxx000

    REHABILIえふごくんねた/インぐだ♀/名前は藤丸立香で固定
    インドラ(広義→)←藤丸♀/距離感がバグってる神様と人間(肉体関係はない)
    久々に男女?cpにぐちゃられた結果
     微小特異点を修正した藤丸立香がマイルームへ帰還したのは、深夜一一時近くの事。
     今日の特異点はまさに東奔西走。休みなくあっちへこっちへと走り、やたら増える敵と戦い、何もしていない時間がない程にとにかく動き回った。体力も魔力も気力も使い切って最後は立香だけでなく、同行したサーヴァント達もヘトヘトになりながら何とか特異点の修正を完了し、ノウム・カルデアへと帰還した。
    任務中は「やることが……やることが多い……!」と同行サーヴァントの一人である刑部姫がどこかで見覚えのある画風で悲鳴を上げていたのがやたら頭に残っている。
     閑話休題
     ぐったりしながらマイルームに戻り、何とかシャワーを浴びてくると既に時刻は一時を過ぎていた。普段ならシャワー後は寝る前に少しでもレポートを進めているが、今日はもうタブレットを開く気力も出ずに真っ直ぐにベッドに倒れ込む。低反発マットレスに沈む気持ち良さと柔らかなタオルケットの柔軟剤の香りには勝てず、立香は一瞬で眠りに落ちていった。
    3299

    recommended works