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    帽子屋(とある星の語り部)

    うちよそは、穏やか雰囲気で。
    うちの空は、ほんのりビターな雰囲気で。

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    POIPOI 26

    幼年期:雀時代

    Ⅱ:安らぎの代償アレが消えた後。ひとり書庫に戻ることも出来ず、ふらふらとした足取りで生まれて初めて踏み入れた故郷は、記憶にある風の音よりも激しさを増した巨石が飛ぶ危険な場所だった。

    進むべき道が分からず、呆然と立っているとソレの横を黒い影が走り抜ける。
    その星の子は、少し進むと後ろを振り向き一声鳴き、腕を回して合図する。意味が分からずジッと見ていると、その星の子は少し進み、後ろを振り向き又、一声鳴き腕を回した。

    ソレが恐る恐る追いかけると、その星の子は前に進み安全な場所でソレを待っていた。最後のエリアの坂を登り、原罪に続く回廊までソレを先導した星の子は、最後に赤い蝋燭をソレの目の前に差し出した。ソレが首を横に振ると、一声鳴き蝋燭を差し出す。

    ソレが、ガタガタと震えながら蝋燭を差し出すと互いの姿が初めて見えた。

    相手は短髪で長身の星の子だった。震えるソレを見た星の子は、怪訝な目でソレを見つめ一言呟いた。

    「なんだ。可笑しな気配の星の子だと思ったら暴風域のヤツか」

    次に来るであろう罵倒や罵りの言葉に、ソレが身を縮める。しかし、続いた言葉にソレは目を見開いた。

    「この先の行き方分かるか案内は必要か」

    目線を平均より少し低いソレの目線に合わせ、その星の子は聞いてきた。ソレが恐る恐る首を横に振ると、彼は1つ溜息を付き白い蝋燭を差し出してきた。

    「仕方ないから案内してやる。先に言っておくが助けられないこともあるからな期待するなよ」

    ソレが生まれて初めて自分に差し出された白い蝋燭に驚いて固まっていると、彼は勘違いしたのか蝋燭を更に押し付けてきた。

    「最低限は助けてやるから安心しろ。早く受け取れよ、進めないだろ」

    ようやく、本当に自分に差し出されたのだと気付くと、ソレは憧れ続けた蝋燭を貰える喜びと、差し出された彼の手の暖かさに、声をあげて泣きたくなった。
    その時感じた高揚感と幸せは、言葉にできないほどの衝撃だった…それだけに、彼の蝋燭を受け取ったことをソレは後々、生涯後悔し続けることになる。

    ーーーー

    彼はソレの手を引き原罪へと進むと、原罪や転生について教えてくれた。そのお蔭もあってソレは無事に転生を果たす。知らなければ、おそらく暗い部屋から出ることも天空に辿り着くことも、ましてや天空から地上に戻ることも無かっただろう。それ程までに、あの場所は苦しみも何も感じない『心地よい空間』だった。

    しかし、ソレは地上で再び目を覚ます。初めて蝋燭をくれた彼の存在が、ソレを地上へと舞い戻らせた。

    目を覚まして周りを見ると、彼はすぐ近くでソレを見ていた。

    「初転生おめでとさん。今のを繰り返して光の子となって地上に留まっている元精霊を天に還すのが俺らの『お役目』てわけ。ところでお前、名前なんての俺は白兎(はくと)」

    「…ソレ」

    「はどれ」

    「だから名前…ソレ」

    「白兎か俺と同じ名前なのか」

    「…違う。…みんな、ソレて呼んできたから…ソレが名前」

    「あー……『ソレ』は、たぶん名前じゃねぇよ。仕方ねぇな…」

    下を向いてしまったソレを見て白兎が、頭をかきながら空を見上げた。

    「よし決めたお前は今日から【白練(しろねり)】」だ!」
    「…白練名前、しろねり」
    「そう俺の名前の一字をやるよいい名前だろお前は今日から白練だよろしくな白練‼︎」
    「うん白練お前の名前は白練」
    「いや違うし⁈…白練がお前。俺は白兎」
    「うん。知ってるよ」

    「…あぁ!お前、自分の呼び方が分かってないだろ」
    「なにそれ」
    「暴風域のヤツ…知らないこと多すぎだろ…いいか自分のことを呼ぶ時はな、『私』とか『俺』とか『僕』とかを使うんだよ。「だから白兎は、俺」…相手が話してる時に話し出すのはマナー違反だからなん~、白練の場合は『ぼく』の方が似合う気がする」

    「ぼくマナー違反て何ぼくに教えて白兎」

    「順応はやっ⁉︎…まぁ、これも何かの縁だなよし俺が色々教えてやる何でも聞いていいぞ」

    「何で、ぼくたちは生きてるの生きるって何」
    「あのさもう少し軽めのやつから聞いてくんない…」

    『初めて出来たフレンド』優しい白兎に出会えたことが、白練にとって幸せな時間の始まりとなった。

    ーーーーー

    白兎は、白練より数年前に峡谷の門を潜って生まれた『峡谷生まれ』の星の子だった。裏表がなく正義感が強い白兎は、フレンドも多かった。
    白兎に連れられ峡谷の中央にあるスケートリンク近くの小さな集落で、白練も暮らし始めた。白兎のフレンドたちは気の良い星の子で、色々なことを白練に教えてくれた。今までが嘘のように、生まれて初めて優しくされ幸せだった。


    幸せの中で、白練は忘れていたのだ『暴風域生まれは忌み嫌われる存在』であることを。


    その日、峡谷の神殿前で白兎や白練達が次の転生をいつするかと相談していた時だった。峡谷神殿前は中央にリンクがあり、客席とリンクの間に雲の境界が引かれた独立した中央リンクとなっている。

    リンクを背にして話を聞いていた白練を、誰かが後ろから引っ張り雲の境界へと投げ入れた。突然のことに咄嗟に反応できなかった白練は、バランスを崩し階段に頭をぶつけ意識を失い、抵抗できぬ間に雲の中に消えてしまった。

    慌てて白兎が落ちた白練を助け介抱したが、逃げた犯人は見つからなかった。
    その日を境に、白練は度々怪我をするようになる。

    ある時は、集落近くの氷の洞窟内で氷柱が落ちてきて擦り傷ができた。飛んでいる最中、急に雲の中に引き摺り込まれバランスを崩し、地面にぶつかり体にヒビが入った。

    この時代の星の子は体が脆く少しの衝撃で羽根が散り、体に宿る光が消えた。酷い時は体にヒビが入り欠けることも、最悪の場合は死ぬこともあった時代。

    白兎は、怪我するたび白練を助け介抱した。

    しかし。白練の怪我が酷くなるにつれ、白練とフレンドたちとの関係が悪くなり始める。
    はじめは怪我を心配し犯人を探していた彼らだが、探しても見つからない犯人。
    誰かが言い始める。

    《白練の自作自演ではないのか》
    《何のために》
    《白兎を独り占めしたいんじゃない暴風域生まれは、何かを執拗に欲しがる『星狂い』だもん》

    一度広がった疑惑の波紋は、周囲を巻き込み大きな渦となり白練を襲った。

    「ぼくじゃない自分で怪我なんかしてない白兎に迷惑をかけること、ぼくはしない信じてよぼくじゃない‼‼」

    身の潔白を必死で泣き叫ぶ白練を、集落の皆が冷ややかな目で見ていた。

    「白兎白兎は信じてくれるよねぼく、白兎に感謝してるんだだからだから!ぜったいに自作自演なんてしてないほんとだよ…はく、と」

    縋り付くように伸ばした白練の手が、白兎のケープを掴むことは無かった。

    白兎が咄嗟に身を引いて、白練の手から逃れたのだ。白兎自身も、驚いた目で呆然と白練を見ていた。

    すると、それを見ていた周りの星の子たちが一斉に白練を糾弾し始める。白兎に拒絶されたショックから、白練は絶望感に動くことが出来なくなっていた。

    「みんな落ち着いてくれ 白練ちがうんだ俺お前を疑っているわけじゃ…‼!」

    我に返った白兎が皆を落ち着けようと声を張り上げたが、一度火がついた糾弾を抑えることは出来なかった。

    白兎の近くに立っていた星の子が何かの塊を投げたのが見えた。

    「出て行け星狂いのバケモノ」

    「あぶない‼︎‼︎」

    白兎が大きな声で叫び、白練の体に覆い被さった。刹那、何かが割れる音が響き周りが静かになる。次いで峡谷に悲鳴が響き渡った。

    白練は何が起きたのか分からず、自分に覆い被さり動かない白兎の体を揺らした。

    「白兎どうして今更助けるの⁈ねぇ、どいてよどけったら‼︎」

    勢いよく押した白兎の体は、
    なぜか抵抗なく白練の体の横に転がった。

    「……はくと⁇」

    頭から黄金色の血を流し顔に亀裂が入った白兎が、大きく見開いた目で白練を見ていた。

    あちこちで悲鳴があがり、周りを囲んでいた星の子たちが一斉にその場から飛び退いた。

    「あいつの…暴風域の星狂いのせいだ‼︎あいつがいたから白兎は、おかしくなったんだ‼︎バケモノを庇うなんて正気じゃない‼︎アイツのせいで白兎が死んだんだ」

    「原罪以外で死んだ星の子は生き返らないのにアイツが白兎を殺したのよ」

    「だから反対したんだ暴風域の星狂いなんて仲間に入れるべきじゃなかったんだ」

    口々に罵声を浴びせる声が響く中。突然、白練は狂ったように笑い出し、白兎の体を抱えると大声で叫んだ。

    「あはっあははははは‼︎白兎は死んでない死ぬものかすぐに原罪に行けば転生すれば元に戻る全部、元通りだ」

    力無くグッタリと動かず頭から血を流し続ける白兎を抱えあげ、白練はホームへとワープすると暴風域へと続く扉へ飛び込んだ。彼らが通った場所には、光る血が道を作り、暫くすると血は跡形もなく消え去った。

    ーーーーー

    暴風域を自らの羽根が散るのも厭わず飛び続け、原罪へと飛び込んだ白練は、赤い石が飛び交う奥へと無我夢中に進んだ。

    「大丈夫だよ白兎…大丈夫原罪で羽根を全部散らせば転生できるんでしょ傷も治るよ…ねぇ白兎⁇ねぇ⁇何で羽根が散らないの⁇何でどんどん光が無くなるのに、羽根が散らないの⁇⁈白兎白兎‼︎起きて‼︎起きてよ!ねぇ何で体から光が消えるの⁈教えておしえてよ白兎‼︎‼︎おきてよ」


    白練の叫び声が響き、最後の羽根が散る音が原罪に響いた。


    白練が最後に見た光景は、荒れ狂う原罪の奥、倒れた柱の陰で石になった白兎に覆い被さり同じく石になった自分の姿だった。

    ーーーーー

    暗闇の中。ひとり座り込み手を差し出す光の子の目の前で、光を失った子どもが地に伏し涙していた。

    「ぼくのせいだ…ぼくが、白兎の手を取ったから…蝋燭を受け取ったせいで白兎は死んだんだ…星狂いのバケモノが、星の子になろうとしたからバチが当たったんだ…ごめんなさい…ごめんなさい…白兎…ごめんなさい…」

    暗闇の中で子どもは謝り続ける。
    そして、目の前の光の子も又、子どもに手を差し伸ばし続けていた。その差し出された手は、助けを求める手か、はたまた目の前で謝り続ける子どもを助けるための手なのか
    分からないまま、数ヶ月の月日が流れた。

    ーーーーー

    不意に光の子の体が前に倒れ込む。長い間謝り続ける子どもの頭に、光の子の手が触れた。光が体に吸い込まれると、現れた子どもはふらふらと歩き出し、光の柱へと身を投げ出す。

    次に天空で目覚めた白練は、眼前に広がる星々の海を色を失った目で見つめ、彷徨い歩き始めた。何かを探すように、うろうろと。

    時折やってくる星の子たちは、白練の姿を見るたび目を背け、転生の門へと走り去る。誰一人として、白練に手を差し伸べる星の子はいなかった。

    天空にいた大精霊たちは、その姿を悲痛な面持ちで見ていた。

    ーーーーー

    「終わらせてやろう。流石に哀れではないか」

    捨て地の大精霊が己が武器を構る。
    しかし雨林の大精霊が止めた。

    「あの子は…まだ死んでいない。」
    「しかし…」

    沈痛な面持ちで、白練を見つめる捨て地と雨林の大精霊の間にいた峡谷の2人の大精霊も悩んでいた。

    嘗、統治した地で起こった悲劇。
    真実を知る彼らからすれば、白練は不当な扱いを受けた被害者だった。しかし、今の白練に悲劇の真実を知らせて何になる

    悲劇の真相は、余りにも皮肉なものだった。
    神殿前で、白練を雲の境界へと投げ入れた星の子は、"優しい星の子"であることに酔っている星の子だった。

    時折現れる”暴風域生まれ”や”困っている星の子”を助け優越感を抱いていた。しかし、暴風域生まれは精神が不安定で直ぐに姿を消す。自分の優しさを理解しない暴風域生まれに不満が募っていたある日。ひとりの暴風域生まれの星の子に出会う。白練と名付けられた星の子だ。

    白兎に連れられやってきた白練は、常に周囲を警戒し怯えていた。しかし優しく接する内に笑顔を見せ、自分に懐いたかに見えた白練の姿に、星の子の優越感は満たされていった。

    しかし、ある時気付く。
    実際は、白練が懐き頼っていたのは白兎だけだった。

    身勝手にも裏切られたと感じたその星の子は、白練に危害を加え始める。皆の前では、心配する優しい星の子を演じ、裏では孤立させ自分だけに縋るよう計画を進めていった。
    影で、白練への不信感を白兎に吹き込んでいた星の子は、あの悲劇の日。目の前で自分が投げた疑惑の波紋が、白練を襲い白兎に拒絶されたと瞳に絶望の色を浮かべた白練の哀れな姿を見て、ようやく自分のものに出来るチャンスだと歓喜に震えた。

    ぼろぼろになった白練に手を差し伸べ、自分に縋る白練を手に入れる計画だった。

    浅はかで身勝手な計画は、最悪の結末を生む。

    最後の仕上げとばかりに、ろくに確認もせず投げたモノは「不恰好な氷の塊」だった。隣にいた仲間の驚愕に見開かれた顔が視界に入った瞬間、鈍い音と何かが割れる音が響いた。音のした方へ目を向けると、白練に覆い被さり頭から血を流し倒れている白兎の姿があった。

    自分の犯した現実を受け止められなかった星の子は「白練のせいで白兎が死んだ」と叫び、一目散にその場を逃げ出した。

    ーーーーー

    「いまさら真相を知ったところで、あの星の子が生き返ることは無い。教えたところで無意味だろう」

    孤島の大精霊が、静かに語る。

    「せめて…もうしばらく休ませてあげましょう。あの子には…まだ時間が必要なのです」

    書庫の大精霊が呟くと、草原の大精霊が光の蝶を白練の周りに呼び出す。
    光の蝶に包まれた体が傾き、白練は星の海に静かに倒れ込んだ。深い眠りについた白練を抱き上げ、星の海の外れにある星の花咲く一角に横たえた峡谷の大精霊の1人は、頭をひと撫でし何も言わずに姿を消した。大精霊たちが己が神殿に戻っても白練は眠り続けた。時折、仮面の下で涙を流す白練を星々だけが見守りつづけた。

    数年の月日が流れる。

    ーーーーー

    眠り続ける白練は、夢を見ていた。

    白兎が生きている幸せな夢。夢の中の白兎は現実と同じ様に白練にいろいろな話をしてくれた。

    それは、たわいもない過去の出来事から、星の子が知るはずもない『物語』、星々の歴史。精霊が生きていた時代の話など、ときに面白可笑しく、ときに感情的に夢の中の白兎は話してくれた。

    白練が呟く。

    「なんで、暴風域に星の子が生まれるんだろうね白兎たちみたいに、他の門を潜って生まれたかった…みんなと同じがよかったなぁ」

    すると白兎は、今にも泣きそうな顔で話し出す。

    「悲しいこと言うなよ。暴風域生まれだって『同じ』星の子だろ」

    白兎は話し出す。
    何故、大精霊のいない暴風域に星の子が生まれるのか簡単な話だ。いたのだ。かつて大精霊と同格。いや、それ以上の存在が。

    とある理由でその力を失い、最初の犠牲となった存在が残した微かな加護。慈しみに溢れ、他者を思いやる優しい存在が残した加護に引きよせられた"かつて精霊だった者たち"。それが暴風域の星の子たちだった。

    大精霊の嘆きと救いを求める精霊たちの祈りから、メガバードによって精霊を模して作られた魂の星の子とは違うオリジナルの魂。

    しかし一度は死して失われた魂であるため、酷く不安定な存在となった"精霊だった"星の子を大精霊たちは複雑な思いで見ていた。

    「ぼくは、精霊なの?」
    「今は違う。今を生きる皆と同じ『星の子』だ。ただ精霊だった魂というだけの、普通の星の子だよ。」

    「白兎は」
    「俺も普通の星の子」
    「一緒」
    「一緒だな」
    「へへ///嬉しいなぁ、ぼくは白兎と同じ普通の星の子なんだ」

    嬉しくて堪らないと抱きつく白練を、白兎は優しく抱きしめた。

    「ねえ、白兎普通の星の子は、何をするの」
    「…使命を果たす。」
    「原罪に行って転生すること」
    「そうだけど少し違うかな…なぁ星の子の秘密を教えてやるよ。でも、誰にも言うなよ2人だけの秘密だ。約束できるか破ったら絶交だからな」
    「絶交」

    「白練のこと、大っ嫌いにな「やだ約束する絶交はダメ‼︎」…あのなぁ話の途中で話すのは」
    「……マナー違反。ごめんなさい。でも…絶交はやだ…」

    「仕方ないなぁ。約束だぞ」
    「うん」

    目に涙を浮かべ、力一杯頷いた白練の頭を撫でながら、白兎は話し始めた。

    「星の子の体はな…光の子となって地上に残る精霊を入れて原罪まで運ぶ入れ物…器なんだよ。」
    「入れ物」

    「水を持ち運ぶ時、壺とかに入れて運ぶだろ水が光の子で、壺が星の子。」
    「でも、壺は歩かないし飛ばないよ」

    「だから星の子は動ける器が与えられたんだよ。でも動けるだけの器じゃ、水を汲んで運ぶことは出来ないだろメガバードは意思を持って動く事の出来た精霊を参考に、魂を作って器に入れた。かつて生きた精霊の感情や行動を見る事で、行動を学習する魂を作ったんだ。」

    「なんで、自我が必要なのそんなのあったから喧嘩したり嫌な思いだって…」
    「嫌なことばかりじゃないだろそれに、自我を持ったのは偶然なんだよ。行動する内、他の星の子同士で接触する内に自我が芽生える魂になり、それが他の星の子に伝染した。」

    「伝染」
    「初めて転生するまでは、何が何やら分からず進んだだろ転生を繰り返すうちに魂に刻まれる記憶が強固になり自我が確立する。それを見た周りが真似して行動していくうちに個性が生まれて『自分』になる。」
    「…むずかしい」
    「だよなwwwまぁ…つまり。最初に自我を持ったやつを真似してたら、みんな個性を持った星の子になったてことだ」

    話が難しく、頭を抱えてうなりだした白練をみて白兎が豪快に笑いだす。

    「ほかにも聞きたいことあるか俺が色々教えてやる何でも聞いていいぞ」
    「もう少し、簡単に教えてほしい」
    「わがままめwww」

    夢の中、白兎との語らいが何時までも続いていた。

    現実の時間は止まらず、進み続ける。
    眠りについた白練の近くを走り抜けていた星の子たちは、いつしか殆ど姿を見せなくなっていた。







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