巣作り日々や季節を繰り返す毎日。
引きこもって研究に明け暮れる相方が、珍しく連日顔をだし近況報告やら研究報告を熱く語るのを、柴郡は適当に相槌を打ちながら聞いていた。
柴郡以上に気まぐれで神出鬼没。趣味のエリア探索や調べ物に没頭している相方が、花鳥郷について熱く語っている。
「私が思うに、このエリアって滅びゆく世界の精霊が『最後に生存の望み』を賭けた場所じゃないかって思うのよ所謂『方舟』のエリア版ね!だから星の子が未練を解放したことで、生前叶えられなかった願いの続きを、この場所で紡ごうとしているんじゃないかしら。この地の発展とはつまり――だと思うのよ!ね!チーは、どう思う?」
「興味ない」
「はぁぁぁぁぁ?!あんたね…それでも、記憶持ちの元精霊?私たちが死んだ後、世界が滅んだ真の原因や、今の社会のルーツに繋がるかも知れない過去の情報が手に入るかもしれないのよもう少し興味持ちなさいよ」
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