洗脳⇨返品(後編) 数人の救急隊に搬送されたコウスケの付き添いとして付いていくことになった。コウスケはいつの間にこんなに大きくなったんだ。いつもミキの事しか見ていなかったんだなと現実を最悪な形で突きつけられた。
それからコウスケは市内の病院へ搬送された。だが医師の治療を受けるが意識は戻らず集中治療室へそのまま移されることになった。家へ戻るとすでにミキ達がコウスケの荷物を纏めていた。ドアを閉めるとこちらに気づいたミキが不安な表情をしながら駆け寄ってきた。
「コウスケは...?すぐに帰ってくる...?」
「コウスケはすぐには帰ってはこないな。あいつの事だ。今頃目も覚ましているはずだ。」
そう会話をしている時電話が鳴った。
「はい、ヤマムラですが?」
「こちらは◯◯警察所です。ヤマムラコウスケ君の誘拐事件の件で話があります。恐れ入りますがお時間がありますでしょうか?」
ー警察所ー
「誘拐犯の裁判?!」
「はい、今回の事件は被告人の証言と被害者の証言の詳細ない部分が違う箇所が複数存在しています。」
刑事から提出された取調べ記録の中には犯人が供述したであろう文章が呪文のように綴られていた。
「こんな出鱈目を信じるんですか!?こいつの言っていることは全部ウソだ!!!」
座っていた椅子を投げ出すような勢いで立ち上がり机を叩いた。バン!と乾いた音が取調室の空気を震わせた。
「分かっています。相手は犯人。今回の事件を無罪主張する可能性が大いにあります。その証言を覆すために被害者家族の代表である貴方に証言をお願いしたいのです。」
「____裁判は何時ですか.....?」
「1週間後の午前10時です。場所までは報道関係者の追跡を避けるために我々と行動をお願いします。」