7/28 天つ空に祝福を無配カヴェ空「えっと、この問題は…… 」
「ここの問は前ページの数式を用いるんだ」
茹だるような気温の中、生命力を掛けた蝉の鳴き声が辺り一面に響き渡り、暑さを余計に増長させている。梅雨も終わった今はまさに夏真っ最中。
学生である空は学校が夏休みに突入し、ほぼ毎日のようにカーヴェの工場に入り浸っていた。
空が入り浸る理由の殆どはマシンの相談だったが、学生も本業である空にとってカーヴェという人生の先輩は助け舟のようにありがたい存在だった。
「そうなると……答えはこう、かな? 」
「うん、正解だ。やれば出来るじゃないか! 」
「えへへ。カーヴェの教え方が上手いからだよ」
空は体育の成績はずば抜けて良いのだが、その他の教科は人並だった。
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