望舒旅館で温泉が湧き出たから事業拡大の為に協力して欲しい、とオーナーから依頼を受けたのが今朝の話。温泉の泉質を調べて実際に入浴してみたり「折角だから稲妻式の別館にしようと思って♪」と意気揚々に話すオーナーのアイディアを取り入れた言笑の稲妻風の料理に舌鼓を打ったりと、これは依頼ではなくただ温泉旅行を楽しんでいるだけでは?と気が付いたのは用意された特別室で寛いでいる時だった。
「ふかふかお布団最高〜♡」
皺ひとつ無い布団に飛び込んで身体を沈め、思いっきり大の字になる。腕と脚を大きく開いて身体を伸ばすと部屋着として渡された浴衣の合わせ目からぷるん、と豊満な乳房が零れた。
『お前〜!仮にも女の子なんだぞ!もっと恥らえよな!?』
パイモンがこの場にいたら間違いなくお小言を貰う様な格好をしていたが、彼女は今自分のお腹を満たしに璃月の街に繰り出している。咎める人物が居ない事に更にごろん、と大きく寝転がる。不意にい草の香りが鼻の奥を掠めた。この部屋は望舒旅館の一室を試験的に稲妻式に改装し、畳が張られている。調度品も拘っていて稲妻から取り寄せられており、稲妻を熟知した自分の目から見てもこの部屋はちゃんと稲妻を彷彿とさせていた。この品質を保っていけるのならあのヤリ手なオーナーの事だしっかりと儲けていくのだろう。何はともあれ自分はすべき事を全てやり終えたので後は自由の身だ、と枕に顔を埋めながら羽を伸ばす。
しかし、静けさが漂う部屋に1人で居るのは多少なりとも寂しさがある。
「魈……」
小さく、恋人の名を呼ぶ。彼はこの望舒旅館を拠点としている。冒険者協会でこの依頼を受けた時、あわよくば会えるかもしれない……と淡い期待を抱いていたが彼は今宵も多忙のようだ。彼の名を呼べば直ぐに駆け付けてくれるというのも確約されたものではないから仕方がない。
「仕方ないよね、魈は忙しいから……」
「何だ?」
「ひょわっ!?」
独りの部屋に突如として現れた第三者の声に本気で驚いてしまった。ドッドッドッと内側から叩かれる心臓の音が煩い。しかも、背後から声を掛けられたものだから本当にビックリしたのだ。
「い、いきなり声を掛けられたら流石の俺でもビックリしちゃうよ……?魈」
「……すまない。お前に呼ばれた気がしたのだが……勘違いだったか?」
どこか気落ちしたトーンで伺ってくる魈がしょんぼり、と落ち込んでいる猫の様に見えてしまって、きゅうんっ♡と庇護欲が掻き立てられる。
「そっ!そんな事ないッ!魈が会いに来てくれて……俺、とても嬉しいよ!」
「……そうか」
ホッとしたように柔らかな表情を見せた魈に愛しさが募る。愛おしくて魈の逞しい腕にひしっとしがみつきながら身体を密着させて更に距離を縮めた。いきなり魈が背後に立っていたのには本気でビックリしたが、会いたかったのが本心だっただけに本当に嬉しい。嬉しさで魈の腕に力を込めると自然と豊満な胸を彼に押し付ける形になっていた。
「ッ!」
小さく息を呑み、魈が少し引き気味に身体を離そうと動いた。その彼の行動がどこか寂しく感じてしまい、意地でも離すもんか!と更に強く絡み付いて躍起になってしまう。
「何で離れようとするの?俺に抱きつかれるの、嫌……?」
「そうではない……ッ!ただ、我には……っお前の胸が……ッ!刺激が強過ぎて……その、目のやり場に困るッ」
言い終わると魈はカァッ……と顔を真っ赤にさせて黙りしてしまった。つまり魈は自分に抱き着かれるのは嫌な訳では無く……この豊満な胸を意識し過ぎてしまい、恥ずかしかっただけっていう事で。
(何それっ!!!!魈、可愛すぎない????)
何度も身体は繋げているし、互いの裸も何度も見ている筈なのに未だに初な反応を見せる魈に胸がキュンキュン♡とトキメキが止まらない。いつもはカッコイイのに時折見せる彼の可愛い一面とのギャップに萌え死にそうになる。今回はあまりにも可愛い反応を見せてくるものだから庇護欲と母性、そして性欲が刺激されてしまった。
(魈が可愛すぎてえっちシたくなっちゃった……♡)
意識し始めるとお腹の奥がきゅんっ♡と切なくなり、同時に性器もじゅんっ……と愛液で濡れ始めた。胸も乳首がぷくり、としてきて今にも魈に食べて欲しそうに膨らんでいた。
「そんな事言わないで……?もっと俺の事を見てよ、魈」
浴衣の帯を解き、何も身に付けていない裸体を彼の前に晒す。ぱさり、と軽い音を立て浴衣が布団の上に落ちる。明るい下で彼に裸を見られるのは初めてだったのでドキドキ、と緊張しているが嫌な気持ちはない。寧ろ高揚してきている。魈の手を取ると自分の柔らかな乳房に導いていく。
「なッ、にを……!」
「んッ♡ぁっ♡」
魈の手に自分の手を重ね乳房を揉ませる。少しだけ汗ばんだ彼の手に乳房が触れているだけで甘い嬌声が零れてしまう。彼は未だに戸惑っている様子だったけど構わず手を動かした。
「ふッ、ぁ……♡んぁッ♡ね、俺のおっぱい柔らかいでしょ?魈の好きにして、いいんだよ?」
「ッ!」
ごくり、と彼が固唾を呑む音が聞こえた。魈も高揚してきたのか琥珀色の瞳には劣情が滲んでいる。そんな性欲色に染まりつつある魈もカッコイイ……♡と見ていると視界が反転する。背中にはふかふかお布団。目のには余裕なんて一切見られない魈でいっぱいだ。
「煽ったのはお前だぞ……ッ」
「うん♡誘った俺が全部悪いから……♡それでいいからぁ……♡いっぱい俺に触ってね?魈」
早くッ♡と急かすように脚を広げて濡れ始めた性器を魈に見せ付ける。そんな格好を見せられた魈は煽られた欲望を満たす為に柔らかな肌に噛みついた。