ワンドロ【酔っぱらい】 唇と唇が触れる。
濡れた唇は熱を帯びていて、はぁ、と吐き出された吐息からも酒の匂いがする。触れたところも同じ香りがして、もう一度粘膜を押し付ける。閉じられていた谷間に舌先を差し入れると、酒が回ったように脳の中枢をじわりと痺れさせた。
「……ん、んむ」
口内に入り込んだ舌先に自分のそれを絡ませて、カーヴェが溢れる唾液をこくりと
飲み込む。いつの間にか閉じた瞳は長いまつ毛を震わせていて、アルハイゼンの腕の下から背中に回した両腕は、そっと抱き寄せてくる。
(……ん?)
うっすら瞼を上げたアルハイゼンは気づかれないようにカーヴェの顔を伺う。
最初に舌先を差し入れたのはアルハイゼンだが、既に主導権はカーヴェが握っていた。ちゅうちゅうと先を吸われて、ざらりとした舌で裏側を撫でられる。その刺激にアルハイゼンの背筋に痺れが走って、動揺が気づかれないようにそっと顔を離した。
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