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    アロマきかく

    @armk3

    普段絵とか描かないのに極稀に描くから常にリハビリ状態
    最近のトレンド:プロムンというかろぼとみというかろぼとみ

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    アロマきかく

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    ヤツが覚えているらしい死因。
    実際はどんな感じだったのかちょっと思い出してもらいました。

    話してくれる気になったら増えるかもしれないし、
    何回目の死因かは覚えていないが死んだ時の状況は覚えている例も聞き出すことがあるかもしれないしないかもしれない。

    #ろぼとみ他支部職員

    彼は覚えている 点を飛び始めてから4回目までは死因をハッキリ覚えている。

     管理方法なんぞ読めないからこそのやらかしだ。裏路地のドブ漁りが識字力なんぞ持ち合わせてるわけもなし。誰かに教えを請うたり協力してもらったりなんて発想はハナっから無かった。
     オフィサーのはずの俺が突然「今からお前は管理職だ」って言われてもなんのこっちゃだよな。自分の身に何が起きたのか把握できるわけもない。そのまま混乱した頭でわけもわからず管理作業に放り込まれた。見様見真似で最初のうちはなんとかなったが、管理業務がそんな簡単に務まるもんじゃないってのはあんたも嫌って程心得てるだろ。
     管理方法を読めない管理職が辿った末路。……それだけでもう何となく予想つくよな。おおよそあんたの考えてる通りだ。



     【妖精の祭典】



     点を飛んでから初の死因。妖精に喰われるっつったって、実際は即死するわけじゃない。あの妖精どもは新鮮で傷みやすい部位を優先的に食う。すなわち目玉や内臓だ。
     周囲をキラキラ光りながら飛んでたちっこい妖精が、横っ腹にちっこい穴開けて潜り込んで内臓を片っ端から、あのちっこい口で囓りやがるんだ。内臓喰うために横っ腹に穴開けようと小さな光がわっと寄ってたかって、着慣れないスーツとシャツをあっという間に虫食いの穴のごとくズタボロにする。
     その後は横っ腹の皮膚を肉ごと抉るように囓ってくる。囓り付く妖精をむしり取っても次々群がってきてキリがなかった。むしり取るときに囓ってる腹の肉持っていきやがるから、一度取り付かれた時点で終わり。抵抗虚しく、妖精どもが腹を囓る感触と痛みに耐えるしかない。
     そのうちとうとう横っ腹に穴が開いて、群がった妖精どもが我先にと腹ン中にその身をねじ込もうとする。ちっこい穴を無理やり押し広げようとするからまぁ痛いの痛くないのって。微妙に我慢できそうな痛みなんだよな、その時点では。
     突然自分を取り巻いている小さな光が一瞬にして群がってきて、服も肉も小さな歯といえど数の暴力で穴開けちまう。最初は何が起きたのかわからなかった。服が喰い破られて腹に囓り付かれたとき、ようやく命の危険を感じた。既に手遅れだったんだけどな。

     目玉にもかぶりついてくる。チラッと視界の端に光るものが見えたかと思いきや、素早く目玉に取り付き、そのまま小さい身を目玉の裏側に潜り込ませる。目玉を掻き出したくなる不快感と激痛。そのまま眼窩の奥から目玉をひたすら囓って囓って喰い尽くす。
     自分で目玉抉り出しちまったほうが、きっと多少は楽だったんだと思う。まぁ、いずれは内臓喰い尽くされてどうしようもなくなるのは確定してるんだけどな。さすがに自分の手で自分の目玉抉り出すのは……。咄嗟のこととはいえ、躊躇するに決まってる。

    ――自分で目玉を掻き出すかどうか迷ってる間に凄まじい速度で右目を食い尽くされた。せめて左目だけはと必死に守ろうとするも、腹ン中では着々と内臓が喰われていく。どうしても腹の蠢く激痛に気を取られる。身をよじるたびに全身が裂けるような痛みが響いて、その隙をついてとうとう左目にも喰い付かれた。
     そのあとは右目と同じ。目の裏側に何かがいる。蠢いている。感じたことのない類の痛みが目玉を劈いて脳天まで走る。
     目玉はそんなざまだし、腹ン中ではこれまた妖精が暴れてるしで無様に叫びながらのたうち回るしか出来ない。だんだん出血が酷くなるからそれで感覚と意識が鈍ってくる。
     結局左目を掻き出す勇気すらなかった。掻き出そうと身体の中心から走る痛みに耐えて、震える指先を左目へあてがいはした。怖くてそれ以上指を突っ込めなかった。目玉喰われるのと、自分で目玉を抉り出すのと。どっちか選べって言われたらどうするよ。
     目玉の裏側から喰われてるんだから押さえても無駄なのはわかってるのに、只々痛みに耐えることしかできなかった。光が視界から消え失せて、どっと一気に恐怖が押し寄せてきた。ただの暗闇じゃぁない。よりによって両目を喰われた事による暗闇だ。普通に目を閉じると、瞼が多少は光を通しているのが見えるだろ。それが一切ないんだ。
     まぁオフィサー時代は仕事の関係上しょっちゅう目隠ししてたが、目隠しってのは目があること前提だからな。目玉を失ったことによる暗闇はもうそれだけで絶望に近い恐怖だった。それもただ失ったわけじゃない。視神経繋がったまま目玉を喰われたんだ。激痛のなか、突然うっすらと感じていた光が消え失せるんだ。怖いなんてもんじゃなかった。
     暗闇は恐怖を煽るもんだって裏路地でドブ漁ってた頃から知っちゃぁいたが、いよいよ本格的に死を覚悟した。内臓も喰われてるしな。

     腹ン中からは様々な臓器が少しずつ囓って削られていく感触がひたすらに気持ち悪くて、妖精どもが内臓囓りながらもぞもぞと腹の中で蠢く傷みはもう地獄のようだった。死ぬほど痛いが、残念ながら文字通りとはいかずなかなか死ねない。その程度じゃ人間ってのは死ねないようにできている。
     吐き気もだいぶ酷くてな。腹に力が入らないながらも、なんとかして吐き出した胃の中身にはたんまりと血が混ざってた。左目が一瞬捉えただけだったが、こいつはもうだめだな、って諦めとも絶望ともつかないものが思考を覆うには充分過ぎた。
     吐き出すだけでも窒息しかけた。呼吸がままならなくなって、もうとっくに手遅れだってのに痛むのを承知で必死で身を捩った。ひたすらのたうち回って、どうにか吐くもの吐いて呼吸したい。そう本能が求めるんだ。呼吸できたところでもう長くないのにな。
     そうこうしているうちにも内臓はどんどん喰われていく。結構な量の血が混じってたんだ、胃も相当喰われてるんだろう。腹どころか全身に力が入らない。最初は痛みのせいで、時間が経つにつれて出血で神経が鈍っていくのもあって、なかなか気づかなかった。
     明らかに軽かったんだ、腹のあたりが。それが活力からくるものだったらどれだけよかったか。実際は自分でもわかっている。ただ、その事実を確かめるのが怖かった。

     右目も左目もすっかり食われて視界は真っ暗。このまま暗闇の中で死ぬのか。死にたくない。朦朧とした意識で何とか内臓を喰われる傷みに抵抗しようと腹を押さえた。そのときに手のひらで感じた、ただでさえ細い腹の中がほとんど空っぽで虚無のような感触。ただ血液がたぷたぷと腹の中で波打って、時折妖精が横っ腹に開けた穴から溢れていた……と思う。目はもう喰われちまってたから、そういう感覚だけ。
     あまりにも腹の中に何もなさすぎて、ペラッペラで。死にたくないというよりはもう死ぬしかない状況に思わず笑っちまった。

    ……覚えているのはそこまで。実質2回目の、「あぁやっぱり死ぬんじゃないか」という諦観と、この訳の分からない状況から開放されるならいっそ殺してくれ、という気持ちと、やっぱり死にたくなんてないという気持ち。色んな感情がないまぜになって、最早覚えているというよりは脳の奥底に焼き付いて離れない。
     そりゃぁ、こんな記憶ばかり覚えていたらそれこそあっという間に気が触れちまう。4回目の死因を思い返しているうちに、そう悟った。だから5回目以降は覚えないことにした。即死できるなら儲けものだ。緩慢に死ぬタイプのやつがキツかった。肉体的にも精神的にも。

    ――ん?覚えるのをやめたのは回数と死因だけだぞ。何回目に何で死んだ。きっかけさえ覚えなければそう簡単に詳細までは出て来ないもんだ。それとは別に、死に至るまでの過程を忘れようとしても忘れられないヤツがいくつもありすぎる。出来ることならそれらまるごと全部忘れたいよ。普段思い返す機会がないから記憶の隅っこに追いやられてるだけだ。
     聞きたいってか?
     あんまりやりたかねぇが、思い出そうとすれば結構色々出てくるんじゃねぇかな。主に覚えてるのはしんどい死に方するやつばかりだ。思い出す方の身にもなってくれよな。過去の話とはいえなかなかキツいんだぜ。
     で、そいつを聞いたところで何になる。自分は失敗しないように戒めるためか?慎重なこって。

     でもな、気をつけていてもどうしようもないときだっていくらでもあるんだぜ。――巨木の樹液とかな。
     あの時は……本当に、申し訳ないことをしたと思ってる。



     【女王蜂】



     女王蜂……女王蜂、な。わりと最近のことだし、あんたも記憶に新しいんじゃないか?
     こいつは別に管理方法が読めなかったとかじゃなくてだな……あー、……俺自身への戒めだな。もう記憶違いなんかで同僚を死の危機に追いやりたくはない。”次”なんて、絶対に起こさせない。
     俺はいつもそういうつもりで作業してるんだぜ?意外そうな顔すンなよな、俺に失礼だろが。

     改めておさらいしておくか。
     作業結果が普通・悪いのとき、部門全体に胞子をバラ撒く可能性がある。……この胞子が厄介でな。あの管理方法の書き方だと分かりづらいんだよな。今度イェソドに掛け合ってくるかねぇ。
     っと、話が逸れたな。
     重要なのは、”部門に所属する人間を直接狙ってくる”ってところだ。ただバラ撒いてはい終わり、じゃないんだよ。目的は人間への寄生だ、胞子一つ一つが人間を追いかける意志を持っている感じだな。とはいえあの大きさだ、ある程度の量がまとまって初めて人間に影響を及ぼすようになる。
     ”人間が胞子を吸い込む”んじゃない。”人間にまとわりついて無理矢理にでも体内に入ってこようとする”んだよ、奴らは。だから数人を集中して狙うし、部門をまたいで逃げたところで……一度まとわりつかれたら成すすべはない。管理人に赤シールドの要請でも出すんだな。そこから先は管理人に祈っとけ。
     俺は……そこを勘違いしていたから、危うく……。

    ……あぁ、すまん。だいぶ落ち着いたと自分じゃ思ってたんだが……。はは、まだ引きずってら。
     いや、引きずってるからこそ忘れにくくなる、か。

     何でそこまで思い詰めるのかって?
     みんなには、あんな思いさせたくないからだよ。それっきゃないだろ。
     あぁ。寄生されたこともある。喰い破られたこともな。覚えてる限り一度や二度じゃない。あれもキッツかったな。その印象が強すぎて他の要素がうろ覚えになっちまったのかもなぁ。

     洞察が有効だってのは初手の作業結果からなんとなくわかってた。ランク5なら、な。俺の慎重さはどうもイマイチランク5の評価に足りなかったらしい。生憎それが開示されたのは俺の作業の後。
     作業結果は普通だった。結果が普通でも油断しちゃいけない奴らは沢山いるってのに。当時の俺はWAWクラスを甘く見すぎてたフシがあった。だから作業終了のあと、女王蜂が胞子をバラ撒いたのに気付くのが遅れたんだ。

     作業は終えたが、女王蜂に囓られた傷が結構深かった。結果も普通だったし、その分作業ダメージもだいぶ嵩んだ。早く休憩したくて、血を拭いながらメインルームに戻ろうとする、その帰り際。
     ふと視界に霧がかかったように感じて、やらかした、そう思ったときにはもう周囲が胞子まみれだった。前が見えなくなるほどの胞子の量だ。我を忘れてとにかくメインルームの方へ走った。再生リアクターの効果でなんとかなるだろうってな。
     知っての通り、胞子が入り込んで体内を蝕んでるあいだは一切の体力回復効果が意味をなさなくなる。その情報がなかったのも、対処が遅れた一因だろう。……この情報も追加すべきだな。やっぱ明日イェソドんとこ行くか。面倒臭ェけど。
     んで、息切らしてメインルームに飛び込む頃には大方俺の身体ン中入り込んだ分と、空中に漂ったまま力尽きた分でほとんど胞子は消え去っていた。再生リアクターもあるし胞子も消えたし、ひとまず安静にして様子を見よう。しばらくしたら作業時に受けた傷も治るだろう。
    ……そう思って何も申告しなかったことを心底後悔する羽目になるとは、当時の俺はこれっぽっちも思ってなかった。

     おかしい。再生リアクターの効果が出ていない。とっくに10秒は経っているはずなのに、全く痛みが引かない。どころか、胸と腹の辺りがやけにチクチクする。少し遅れて体内で異物が蠢く異常な感覚が襲ってきた。
     いい加減俺も様々な死に方経験してるからな。詳細はともかく、身体の中に何かがいる。それだけで最悪の事態を想定した。こりゃ死んだな、ってな。
     実際は死んだ後も働き蜂が出てきて暴れるから、最悪よりももっと酷いんだが。

     自分の死を悟ったと同時に吐血した。
     再生リアクターも効かず、ただ内側からじわじわ喰われていく。
     似たような経験は何度もしてきたが、慣れる慣れないの問題じゃねぇな、あれは。「死に慣れてる」なんて嘯いちゃいるが、慣れてるのは死ぬことだけだ。苦しいもんは苦しい。
     結局人と同じように散々苦しみ抜いて死ぬのは俺だって変わりゃしねぇ。

     明らかな俺の異常を見て、周囲の職員がざわつく。管理人に連絡したり、応急処置を試みようとしたり。
     一方で俺は「メインルームここから離れるべきだ」って薄々感じていた。異物感が膨れ上がってくるんだ。明らかに体内に居ちゃいけないでかさの何かが、更にでかくなりながら蠢いてる。絶対に二次被害が出るだろ、こんなん。――って考えは俺の経験則。あんまり役に立てたくない経験則だがな。
     異物感で焦っちゃいたが、腹痛も酷かった。腹痛なんてレベルじゃないな。まさに腹ン中のありとあらゆるものが糧となって喰われ、代わりに体の中のモノは瞬く間に成長する。胸の辺りも何かが詰まったような息苦しさを感じる。
     腹痛に耐えきれず腹を押さえた。”それ”に触れた瞬間、血の気が引いた。普段はこんな細っこいガリガリの腹が、中に詰め物でもしたかのように、歪に膨らんでた。あ、見せなくていいって?すまんすまん。まぁ結構デカい古傷とかあるしな。そういう話じゃないってか。

     血を吐きながら腹を押さえて必死で這ってメインルームから出ようとする俺を、無理するんじゃない、とか言いつつ周囲のみんなが止める。こちとら無理してでも人のいないほうへ行きたいってのに。
     理由を説明しようにも、もうだいぶ息苦しくなってきて、痛みも酷くてまともに声が出せない。
     声を出そうとしたときにようやく気づいた。首筋が酷く痒い。いつの間にか無意識に掻きむしっていた。あまり普段から爪をこまめに切る習慣なんざなかったせいもあって、指先はもう血まみれだった。痛覚のほうは殆ど腹のほうに持ってかれて、首筋は痒みに上書きされちまってたんだろう。

     首筋を掻きむしった結果の血まみれの指。意識してしまうともう”そっち”に集中しちまう。痒い。痒い。只々掻きむしった。人のいない場所へ、なんて目的はあっという間に消し飛んだ。痒い。痒いから掻く。
     首筋を掻きむしるあいだに、身体ン中の異物感――もう働き蜂でいいか。働き蜂が腹から胸の方へどんどん膨らんでくる感触。腹から胸、胸から……
     掻きむしって柔らかくなった首筋へ。

     掻きむしりながら頭のどこか冷静な場所が、「そろそろ終わりだな」って思考してる。酷く冷たくて、完全に切り離された場所。身体は血を吐きながら手を血まみれにしつつ首筋掻きむしってのたうち回ってる。

    「出てくる」。冷静な思考と、苦痛に喘ぐ必死な思考が、同時にそう思った。

     首筋が裂けた。掻きむしった痕に沿って裂かれていく。首から胸、胸から腹へ。
     ブチブチ、だのメキメキ、だの。およそ聞きたくない俺の身体が裂けていく音が脳髄に響き渡った。
     痛みを感じる余裕なんて無かった。今の今まで首筋を掻きむしってた血まみれの指は、首筋の傷を裂いて、傷口に指先突っ込んで開いてた。働き蜂が出てきやすいように。腹押さえてたほうの手も、無意識のうちに裂かれた腹に手突っ込んで、無理やり傷口を開いてた。「これで楽になれる」。そう思ったのは覚えてる。

     そのあとはもう記憶がない。どうせ出血性ショックか多臓器不全あたりで死んだんだろう。働き蜂が急激に成長しすぎなのも、身体ン中殆ど喰い尽くされても働き蜂が出てくるまでは生きていられるのも、理屈じゃ全く説明できないが――それがアブノーマリティってやつだ。常識なんて通用しねぇ。

    ……これは俺自身今でもあんまり信じたかぁ無いんだが。血みどろでぬらぬらの働き蜂が、縦に裂けた俺の身体から”生まれる”瞬間、本当にほんの一瞬。
    「肉を」……確かに、そうよぎった。
     働き蜂の思考が伝わってきたのか、それとも俺の一部が働き蜂になっちまった残滓を感じ取ったのか。知る術はないし、知りたいとも思わない。どうせ知ったところで確実にノイズにしかならない。

     大体わかったろ?こんな思い、絶対させたかぁないよな。
     俺は危うくグレゴリーに同じ思いをさせるところだった。あのときのグレゴリーは赤弱点だったから、狙われたらまず助からない。
     シールド弾のことも完全に頭から抜けてた。本当に、何でこんな事忘れて……。

     あぁそうだ、あんたもちゃんと覚えといてくれよ。これから先、また女王蜂を収容する機会が無いとも限らん。あれでもWAWん中じゃおとなしめな方なんだ。俺が居なくても、ちゃんと対処できるようにな。

    ……冗談だよ。

    ――(グレゴリーは俺が管理人に”選ばせた”キュートの奴に殺されて、それがしばらくトラウマになってたからな。一度俺がグレゴリーを殺したようなもんなんだ、これ以上俺のせいで死なせたかない。あの時は本当に……運が良かっただけなんだ)――
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    アロマきかく

    DOODLEたまにはサブ職員さんの解像度を上げてみよう。
    49日目、オフィサーまでも一斉にねじれもどきになってその対応に追われる中、元オフィサーであったディーバにはやはり思う所があるのではないか。そんな気がしたので。
    甲冑で愛着禁止になったときも娘第一的な思考だったし。
    なお勝手に離婚させてしまってるけどこれは個人的な想像。娘の親権がなんでディーバに渡ったのかは…なぜだろう。
    49日目、ディーバは思う 嘔吐感にも似た気色の悪い感覚が体の中をのたうち回る。その辛さに耐えながら、“元オフィサー”だった化け物共を叩きのめす。
    「クソっ、一体何がどうなってやがんだよ……ぐ、っ」
     突然社内が揺れ始めて何事かと訝しがっていたら、揺れが収まった途端にこの有様だ。
     俺がかろうじて人の形を保っていられるのは、管理職にのみ与えられるE.G.O防具のお陰だろう。勘がそう告げている。でなければあらゆる部署のオフィサーばかりが突如化け物に変貌するなどあるものか。

     もしボタンを一つ掛け違えていたら、俺だってこんな得体のしれない化け物になっていたかもしれない。そんなことをふと思う。
     人型スライムのようなアブノーマリティ――溶ける愛、とか言ったか――が収容された日。ヤツの力によって“感染”した同僚が次々とスライムと化していく。その感染力は凄まじく、たちまち収容されている福祉部門のオフィサーが半分近く犠牲になった。そんな元同僚であるスライムの群れが目前に迫ったときは、すわ俺もいよいよここまでかと思ったものだ。直後、管理職の鎮圧部隊がわらわらとやって来た。俺は元同僚が潰れてゲル状の身体を撒き散らすのを、ただただ通路の隅っこで震えながら見ていた。支給された拳銃を取り出すことも忘れて。
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    アロマきかく

    MOURNINGコービン君から見た緑の話。
    と見せかけて8割位ワシから見た緑の話。未完。
    書き始めたらえらい量になり力尽きて改めて緑視点でさらっと書き直したのが先のアレ。
    コービン君視点、というかワシ視点なのでどうしても逆行時計がなぁ。
    そして33あたりから詰まって放置している。書こうにもまた見直さないといかんし。

    緑の死体の横で回想してるうちに緑の死体と語らうようになって精神汚染判定です。
     管理人の様子がおかしくなってから、もう四日が経つ。



     おかしくなったというよりは……”人格が変わった”。その表現が一番相応しい。むしろそのまま当てはまる。
     Xから、Aへと。

    「記憶貯蔵庫が更新されたらまずい……それまでになんとかしないと……」
     思い詰めた様子でダフネが呟く。続くだろう言葉はおおよそ察しがついていたが、念のため聞いてみる。
    「記憶貯蔵庫の更新をまたぐと、取り返しがつかないんですか?」
    「……多分」
    「多分、とは」
    「似た状況は何回かあった。ただし今回のような人格同居じゃなしに、普段はXが表に出ていてAは眠っている状態に近い……っつってた、管理人は。相変わらず夢は覚えてないし、記憶同期の際に呼び起こされるAの記憶は、Aが勝手に喋ってるのを傍観しているような感じだったらしい」
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