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    アロマきかく

    @armk3

    普段絵とか描かないのに極稀に描くから常にリハビリ状態
    最近のトレンド:プロムンというかろぼとみというかろぼとみ

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    アロマきかく

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    タイミング的に46か47日目を終えた夜のこと。たぶん。

    器の独白 だいぶ前に、アンジェラさんから訊かれたことがあった。
    「あなたの人生はどのようなものでしたか?」と。
     ただただ何となく、「良かったような気がする」。口をついて出たのはそんな言葉。
     思い返してみれば、L社に入社して管理人という役職を与えられて。その前は何をしていたのか、思い出せない。
     何が「良かった」のか解らない。
     管理人になる前のまともな記憶なんて、僕には存在しないだろうから。



     本当のところはどうだったのだろう。
     あの時点で、僕に“人生”と呼べるようなものはなかったはずだ。僕が管理人Xとして活動を始めてからわずか数日のことだし。
     ただ、既にあの時点で、“僕”は存在していた。それだけは確実に言える。
     空っぽな、ただの器としての僕。そんな僕に、アンジェラさんは何を思ってあんなことを訊いてきたのだろう。
     台本通りに発言した、と言われてしまえばそれまでだけど。
     ヒトとして活動できる最低限の知識を刷り込まれていること以外、実質赤子も同然のこの僕に。
     なぜ、Aさんはそんな台本を書いたのだろう。まるで器の自我を試すような質問だ。むしろ“管理人X”としての自我を積極的に生み出すように仕組んでいるようにも思える。

     そうか、Aさんにとっての“管理人X”の役割を考えれば、何となく腑に落ちる。
     僕はAさんの器であると同時に、Aさんの精神負荷を和らげる緩衝材でもあるから。

     記憶同期でAさんに混ざりゆく僕の記憶は、いずれAさんのものとなるけれど、実際に体験したのはXである僕だ。Aさんは僕が体験してきた記憶を傍観者として俯瞰する。
     初めて職員を死なせてしまったショックも、セフィラの皆さんからぶつけられる感情も。自分の経験でないのならば、然程重く感じずに済むから。
     Aさんにとっては今後の管理業務を進めるにあたって必要になる記憶や経験だけれど、それらを直接受けたAさんの精神はともすればそれだけで壊れかねないほどに、Aさんは脆かった。
     そんな脆い精神を抱えつつ、Aさんがカルメンの研究を引き継いで光の種を完成させるためにはどうすればいいか。
     自分を極力壊さずに済む方法を編み出すしかなかったのだと思う。
     それが、“僕ら”――管理人Xという疑似人格を生み出し、繰り返すたび犠牲にすることになろうとも。

     こうして改めて記憶を辿ってみれば、僕自身は空っぽだったことがわかるけれど。
     しかしそれを自覚したことはない。事実として認識しても、そんな実感は湧いてこない。
     不思議なものだ。目の前には酷く充実した毎日がそこにあるだけ。後ろを振り向こうという気にはならない。
     ひょっとすると、“過去を思い出す”という行動が制御されていたのかもしれない。思い出そうとすると、そこには虚像しかないことが明らかで、その事実にショックを受けたがために管理人Xが壊れてしまうことのないように。
     だからこそ、こうやって余程意識しない限り、過去を振り返るという発想が出ないように枷がかけられていたのかもしれない。

     夢を見ることも殆どなかった。夢は過去の記憶の整理をする時間だと聞いたことがある。整理する記憶なんてないから、夢を見ることがないのも当然といえば当然。
     でも、それで良かったと思っている。思い返すことがなければ、自分の空虚さに気づくこともない。
     僕の夢の中は、本来Aさんが記憶を整理するための場所だったのだろう。だから記憶同期を阻止された――立場上、こう言ってしまっていいのかわからないな――後は、Aさんが記憶を整理するためなのか、僕の夢の中に現れるようになった。
     別個の自我としてXとAが分かたれて、Aさんの記憶の整理の様子を僕が眺めたり、お互いに言葉を交わしたりしている。ときには僕の脳内上映会や脳内フレンドパークにAさんを付き合わせてしまったりも。脳を休ませるための時間でもあるのに、二人分の自我を別個に動かして思考して。ひょっとしたら僕の――正確にはAさんの、だけど――脳には予想以上に負荷がかかっていたりするのかもしれない。



     ふと思う。
     ダフネさんの言うところの“空っぽな人生”って何なんだろう。
     ダフネさんはずっと“自分は空っぽだ”と自覚して、何かが変わるかもしれないという期待を込めてL社のオフィサーになった。そこでもただ言われたとおりにスイッチを動かしたり、慣れないながらも紅茶を淹れさせられたり。それでも結局“空っぽである”という認識は覆らないまま。
     だからこそ、死ぬ前にせめて何か生きた証のようなものを残すために、逆行時計のゼンマイを回すことに協力したのだろう。完全に生きることを諦めていたならば、ランク5職員さんの手を取って起き上がることも拒否できたはずだ。
     でも、そうしなかった。

     生きるために必死でも、常に仕事に追われていても、“空っぽ”だと思ってしまうのは何故だろう。
     自分の意思で何かをしているという実感がそこにはなかったから、だろうか。
     裏路地では“死にたくない”からドブを漁ってでも生きながらえていたという。ただ生きるために生きる。目的のない人生。
     “死にたくない”というのは、自分の意志で生きようとしているのとどう違うのか。
     ただ言われたままに仕事をするだけならば、僕だって似たようなものだった。
     今日からあなたは管理人です。職員に指示を出してアブノーマリティからエネルギーを抽出してください。
     言われた通りにしていただけだ。でも僕はその毎日が空っぽだと感じたことはない。
     感じないように調整されていただけ、かもしれないし、
     必死過ぎてそんなことを考える余裕が無かっただけかもしれない。

     その管理業務すらも、ダフネさんに誘導されていたわけで。
     敷かれたレールの上を自動運転で走行していた、例えるならそんな状態。
     僕の意思に見せかけて、そこには全く僕の意思なんて介在していなかった。
     僕が必死に管理していると思っているその裏で、殆どは僕のメンタルに負荷をかけないようダフネさんが誘導してくれていた。なるべくしてなるように、ダフネさんがあらかじめ道を均しておいてくれた。僕はなだらかな道を歩きながら、毎日必死に管理しているつもりになって、充実している毎日だと感じて。

     あぁ、改めて裏側から見つめ直すとびっくりするほど虚無だ。滑稽とすら思えてしまう。
     さながらAさんとダフネさん、二人ぶんの糸で繰られる操り人形。
     そんな人形としての僕は、それでもまんざらではなかったと思っている。苦しいけど充実した日々を、僕自身が感じていた。職員の皆さんとのやりとりもかけがえのないものであり、得るものも多く楽しい時間だと感じている。
     いくら糸で引っ張ろうが、影響を受けない要素だっていくつもあったんだ。



     僕は器。
     Aさんの記憶を受け取るための器。
     そして、ダフネさんの親友の影を重ねるための器。
     元より虚無として生まれた、空っぽの器。
     それでも、僕は僕としてここにいる。その事実だけは誰も否定できない。

     もともと空っぽであるならば。
     何でもかんでも入れられるじゃないか。

     入れる予定のものが無ければ、だけれど。

     僕はX。誰にも成ることのできない、“代入されるための存在”。
     記憶同期が始まった瞬間、Aさんの記憶が――わけもわからない状態だったけれど、それがAさんのものであるということは何となく察した――わっと押し寄せてきて、たちまちに僕を飲み込んだ。
     あぁ、このままAさんの一部になって、僕だったものは消えてしまうのか。そうなるべき現実を、半ば受け入れていた。なぜなら僕はそのための存在だから。Aさんの記憶の奔流に揉まれて流されて、意識が薄れゆくなかで“そう作った”ことを、“そう作られた”ことを、おぼろげに思い出した。
     半ば受け入れた――すなわち、完全には受け入れきれなかった。僕の“僕”である部分が叫ぶ。「生きたい」と。僕が僕であるがままに、僕はこの先を生きたい。

     役割を否定した器の片腕が、本来の記憶に沈みつつも天へ向けて伸ばされる。
     何かに縋りたくて。
     流れに逆らいたくて。
     舞台に立ち続けたくて。

     生きたい。ただ願った。

     役目を終えた役者は舞台を降りるのがあるべき流れ。
     あるべき流れに飲まれて、願いを込めて伸ばした腕も沈んでいく。役目を終えた舞台と共に。



    「お前、……どっちだ?」



     手首まで沈んで、もう諦めるしかないと思っていた。
     伸ばした腕から力が抜けていく。もう伸ばしていることもままならない。
     生きたい。……生きたかった。

     力なく垂れ下がろうとしていた僕の手を、既の所でがっしと掴む骨ばった手。その手に添えられたもう一つの手。
     掴み返す力もなく、ただぶら下がっているだけだったけれど。
     僕はまだ生きていて良いのか。消えてしまうことはないのか。
     手のひらから伝わる温もりが、たまらなく嬉しかった。
     生きようと思うと、心の奥底から力が湧いてくる。
     手を握り返す。腕が、体が、“僕”が、引き上げられる――



     直後、盛大にすっ転んだ。

     息も絶え絶えにもう限界だと訴える。呼吸を整えながら、何が起きていたのか記憶を掘り起こす――までもなく、目の前のルームランナーを見ておおよその事態は察することが出来た。
     ずっと研究しかしていなかった身体だから、急に走りながらクイズに答えろなんて言われたら、脳も筋肉もびっくりするに違いない。頭も身体もフル回転では、記憶同期なんて繊細な行為など続くはずもない。
     そういえば、僕を飲み込まんとする記憶の奔流が心なしか緩やかになっていたような気もする。あのときは半分諦めていて、自己が薄まっていたせいか感覚も曖昧だったけども。

     記憶の奔流のなかで僕に溶けて混ざり込んだ部分を、少しだけ引き出してみる。
     最後に走ったのは調律者が襲撃してきたときだろうか。……だとしたら、だいぶ前のことになるな。

     思い出せるけれど、実感は湧いてこない。ただ“襲撃があった”ことだけは知っている。この時点ではとても“覚えている”と言えるような状態ではなかった。
     Aさんが僕の経験したものを記憶同期によって傍観するように、中断された記憶同期で僅かに得られたAさんの記憶も、僕にとってはただの映像に過ぎなかった。
     今はとてもそんなこと言えないな。



     僕は器だ。
     僕の中にはAさんと僕が入っている。
     本来意図された形ではないけれど、僕はXだから。
     何にも成れない、何にでも成れる文字。代入されるための文字。
     Xに代入されるものが“僕とAさん”であっても、破綻していないのならそれでいいじゃないか。

     空っぽだと言っていたダフネさん。今はどうなのだろう。
     何かで満たされただろうか。満たされたのなら、それは一体何なのか。
     確信は持てないけれど、きっと今のダフネさんは空っぽではない、と思う。
     時折見せる笑顔がとても眩しいから。

     上層セフィラのコア抑制が終わったら、全て話すから。
     コア抑制直前のダフネさんは、僕が見てもわかるほどに切羽詰まっていた。
     かつてダフネさんが支えてきたXたちは、誰一人上層のコア抑制を最後まで成し遂げる事ができずに――あるいは、成し遂げる前にダフネさん自身が死んで置いていかれて――46日目という壁を越える最低条件すらも整うことなく、何度も繰り返していた。
     マルクトちゃんさんの抑制を終えたあと、ダフネさんは笑顔を見せてくれたけれど。
     嬉しさの中に、切なげで苦しそうで、言葉にするのは難しいけれど、何かとても大きくて重たいものを抱えている。そんな印象を受けた。

     ネツァクさんの抑制を終えたあと、ようやく全てを話せるという段階になって。
     初めてダフネさんの、心からの笑顔を見た。
     今まで溜め込んできたものが涙となって溢れても、ずっと笑っていた。
     その様子に少したじろいでしまったけれど、そんなダフネさんを見ていたら自分のことのように嬉しくなってきた。
     まぁ、46日目以降へ進むための鍵だったのだから、結果的に僕自身のためでもあるのか。

     全てを話してくれたダフネさんは、僕達を“友人”だと言ってくれた。
     この時点で、とうに空っぽではなかったのだと思う。
     自身を空っぽだと思っている人はあんなに朗らかな笑い方をしない。
     外に出たら森林浴に行こう、などと約束を取り付けたりもしない。

     約束というものは、楔だから。

     心を縛り付けるための楔。この点で生きると決めた、ダフネさんを繋ぎ止めるための楔。
     決意の現れ。

     以前、逆行時計を収容した際に「もし自分に何かあってもこのまま先に行ってくれて良い」と、ダフネさんらしからぬ台詞が零れた。
     あの時点でダフネさんは知っていた。もうすぐ上層のセフィラコア抑制が始まることを。
     もうすぐ、記憶同期で僕がAさんに飲まれてしまうことを。
     そんなダフネさんにとってとても重要な時期に、自分を置いていけなんて。

    「さっきコービンにせっつかれてさ」
     ばつの悪そうな顔で僕のところへ来たダフネさんが話してくれた内容に、胸が、心の何処かが、苦しくて締め付けられるようで、酷く辛いものを感じた。

     曰く、また時間を遡って親友のいた時間まで戻れないか、と。逆行時計を見た瞬間、親友と過ごした時間の記憶がいっぺんに思い出されて、全てを投げ捨てて戻りたくなってしまったのだと。
     ダフネさんがオフィサーのときに時を遡ったのは、きっと正常に起動しなかった逆行時計の誤作動によるものだろう。そんな奇跡なんてそうそう起きるものではないし、そもそもその状況すらも再現できていないし。
     何にしろ、ダフネさんが望む結果が起こる可能性は限りなくゼロに等しかった。状況を考えたら、実質ゼロだったのだろう。
     そんなゼロの可能性に、僕達と過ごしてきたこの点の全てを――いや、使用者は死亡する逆行時計だ。正常に作動させたらダフネさんは死んでしまう。数えきれない点を飛び歩いて、その情報は嫌というほど頭に叩き込まれているはず。
     この点の全てと、自分自身の命を賭けて、起こりもしない奇跡を求めて見えない糸に縋ってしまった。

     その結果、ダフネさんは“何もない場所”へ投げ出された。『まだ駄目、戻って』という不思議な声によってかろうじて戻ってこられたけれど。
     その時点で、自分が逆行時計を使えばどうなるか把握したはずなのに。
    「あんたが奈落に落ちて、どうしようもなくなった時。そん時ゃ、俺が回すからよ」
     自分の命を何だと思っているんだ、ダフネさんは。するべきことはまだ残っているじゃないか。46日目以降どうなるか見届けるんじゃないのか。

     今なら何となくわかる気がする。
     あのときのダフネさんは、繰り返しすぎて心にヒビが入ってしまっていたのだろう。
     逆行時計を見て、その衝撃でギリギリ保っていたヒビから心のどこかが砕けてしまって、空っぽどころか心に溜め込み始めた期待という中身すら零れてしまった。僕はそう解釈している。
     何度も何度も期待を込めて、潰されて。その過程はティファレトくんを彷彿とさせる。
     ティファレトくんが管理人の影響を受けて期待の末に壊れてしまったように。
     ダフネさんも期待と落胆の繰り返しで心が脆くなっていたのだろう。
     多かれ少なかれ、ルーチンワークだと割り切っているつもりでも反動は返ってくるものだ。



     今なら言える。
     僕も、ダフネさんも、空っぽじゃない。
     器として生まれてAさんに飲まれるはずだった僕は、Aさんと共存し、Aさんの記憶を取り入れて生きている管理人Xだ。
     空っぽだと自覚したダフネさんは、46日目から先へ進めることへの期待と、この点の僕達と生きたいという願いで満たされているに違いない。
     空っぽなら、何かを入れる余地がある。そういうものだ。



    ――だけど。
     僕は、その満たされた期待を裏切ってしまうかもしれない。
     全てのコア抑制を果たさないままに、設計チームまで開放してしまったから。
     上層全てのコア抑制が46日目の扉の鍵。ダフネさんはそう言った。
     ならば中層は?下層は?

     ビナーさんの抑制を残したまま、記憶貯蔵庫の更新がなされてしまった。もう戻れない。
     最後の最後、“鍵”が足りなかったら……?

     その事実に気づいて、絶望して、皆に合わせる顔がなかった。
     あくまで仮定の話ではあるけれど、もしかしたら――

     休暇を迎えることが出来ないかもしれない。



     設計チームのコア抑制という名目で、“失敗したAさんたち”に試される。
     新たな試練。再び起きるようになったクリフォト暴走。
     職員さんたちの装備の再編。属性の耐性。気にかけることがここに来ていっぺんに増えた。
     頭も身体も疲弊しきっているというのに。
     管理人たる僕がしっかりと休んでおかなければいけないのに。

     目尻から一筋雫が伝う。

    ……眠れない。
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    アロマきかく

    DOODLEたまにはサブ職員さんの解像度を上げてみよう。
    49日目、オフィサーまでも一斉にねじれもどきになってその対応に追われる中、元オフィサーであったディーバにはやはり思う所があるのではないか。そんな気がしたので。
    甲冑で愛着禁止になったときも娘第一的な思考だったし。
    なお勝手に離婚させてしまってるけどこれは個人的な想像。娘の親権がなんでディーバに渡ったのかは…なぜだろう。
    49日目、ディーバは思う 嘔吐感にも似た気色の悪い感覚が体の中をのたうち回る。その辛さに耐えながら、“元オフィサー”だった化け物共を叩きのめす。
    「クソっ、一体何がどうなってやがんだよ……ぐ、っ」
     突然社内が揺れ始めて何事かと訝しがっていたら、揺れが収まった途端にこの有様だ。
     俺がかろうじて人の形を保っていられるのは、管理職にのみ与えられるE.G.O防具のお陰だろう。勘がそう告げている。でなければあらゆる部署のオフィサーばかりが突如化け物に変貌するなどあるものか。

     もしボタンを一つ掛け違えていたら、俺だってこんな得体のしれない化け物になっていたかもしれない。そんなことをふと思う。
     人型スライムのようなアブノーマリティ――溶ける愛、とか言ったか――が収容された日。ヤツの力によって“感染”した同僚が次々とスライムと化していく。その感染力は凄まじく、たちまち収容されている福祉部門のオフィサーが半分近く犠牲になった。そんな元同僚であるスライムの群れが目前に迫ったときは、すわ俺もいよいよここまでかと思ったものだ。直後、管理職の鎮圧部隊がわらわらとやって来た。俺は元同僚が潰れてゲル状の身体を撒き散らすのを、ただただ通路の隅っこで震えながら見ていた。支給された拳銃を取り出すことも忘れて。
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