酷い男2(読ロド)「わかった、もう、お前の事は抱かねぇよ」
流石に泣き出すとは思ってなかったのか、少し青い顔をした彼のその一言で、あっけなく私達の歪な関係に終止符は打たれた。あれ以来、退治人君からの呼び出しは来ない。ほっとした様な、惜しいような複雑な気持ちだけどこれで良かったんだと思う。そう言えば、私との相性がいいからと暫く他の女性達とは連絡をとっていなかったようだけど、関係を絶った今はどうなのだろうか。元に……戻ったんだろうなきっと。私一人抱けなくなったからって、相手に困るという事を知らない男だ。ああ、せめて私が女性であれば違ったんだろうか。そうしたら、彼とももう少し違った関係が築けたかもしれない。しかし考えても詮無い事は仕方がない。解放されたはずなのに重たく感じる身体を引き摺って棺桶に入り、それから私は二週間近く眠りについた。
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