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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    twst夢/イデア・シュラウド
    ちょっとは気遣ってくれるはなし

    ##twst夢_SS

    ホット・デイにサービス スマホに浮かんだ君からの通話通知とヘッドホンから流れてくる通話音に思わず椅子から飛び上がってしまった。チャット愛好型の陰キャに通話とかいう異次元手段を要求してくるとかどういうつもりなんですかね。というかいつもメッセかチャットのくせになんで電話?
    「イデア先輩、助けてくださぁい…………」
    「あまりにも声が情けなくて草。何、どうしたの?」
    「外が暑すぎて溶けそうで……今部屋の前にいるんですけど入れてくれませんか……?」
    「いやそんなんチャットでいいじゃん。なんで電話した? まあ別にいいけどさ。ロック解除するからちょっと待ってて」
    「神~~~」
     部屋のロックを解除すれば自動でドアが開く。その向こうから運動着姿で汗だくの君が真っ赤な顔をしてよろよろと入ってきた。ぺしょりとそのまま床に倒れ伏す。えっ、これ大丈夫なんです? 熱中症とか脱水症状とかじゃないよね?
    「今日の気温があまりにもイカレすぎててキレそうでした。イデア先輩が運動系教科を全力で嫌がる気持ちがこの上なくわかりましたよ」
    「それは何よりだけど水分補給ちゃんとした? へろっへろすぎて流石の拙者も心配になるレベルなんですが……」
    「あ、はい。そのあたりはちゃんと。ふふ、床が冷たくて気持ちいい……」
    「ああそう……休憩するのは別にいいけど、後で床拭いといてよ」
    「もちろんでーす」
     力なく笑った君に思わず顔を顰めた。確かにちゃんと後でやってくれるとは思うけど、それはそれとして流石にちょっとへばりすぎじゃない? 合同授業でペア組んだ感じ、人並には体力ありそうなんだけどなこの子。
    「……アイス食べる?」
    「食べたいです!」
     がばりといきなり体を起こした君に「ひっ」と短く悲鳴を上げた。その目は太陽よろしくきらきらと輝いている。なんだよ、元気いっぱいじゃん。拙者の心配を返せ!
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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