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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    twst夢/イデア
    カフェデートしてるイデアのはなし

    ##twst夢_SS

    おいしいものには逆らえませんので イデア先輩と外デート。一体誰がこのパワーフレーズを信じてくれるだろう。少なくとも当事者である私は疑ってかかっている。現在進行形なのにね。でも言葉のつながりとしてあまりにもパンチが効きすぎてるからね。仕方ないね。
    「あ、これ美味しい」
    「ほ、本当ですか!? よ、よかったあ……」
     心臓ごと跳ね上がった私を見てちょっと引いてるイデア先輩は何とも言えない顔でハンバーガーにぱくついた。意外と大きなおくちをしていてきゅんと胸が甘く疼く。覗いた独特な鋭い歯列も含めてあまりにも好きとしか言えない。
    「こういうお店、てっきり人でごった返してるもんだとばかり思ってたけど……意外といないんだね」
    「あ、予約限定なんですよ。一日十組までなんですって」
    「そういうこと……納得。ま、拙者としてはありがたいですけど」
     心底どうでもよさそうな顔をしてもそもそハンバーガーを食するイデア先輩があまりにも良すぎて眩暈がしてきた。本当にこれは現実なのだろうか。解像度が異様に高い白昼夢なのでは。いや、ある意味超絶低解像なのかもしれない。私の願望を反映させすぎているので。
    「……食べないの?」
    「えっ!? あ、た、食べます! 食べますともっ」
     怪訝な目を向けられて慌てて運ばれて少し経つサンドイッチにかぶり付く。レタスの瑞々しさとトマトの甘やかな酸味に混ざってカリカリのベーコンが舌に乗った。えっなにこれおいしい。これまで食べてきたBLTサンドの中でダントツ一位に躍り出てきた。さすが予約戦争が起こるだけのことがある有名店。なにこれおいしすぎるんですけど。
     夢中になって貪っていたら吹き出す声が聞こえてぴたりと止まる。静かに血の気が引いた。やばい、デートなのに餓えた獣みたいな貪り方しちゃったんだが。
    「ふひっ……ひひっ。必死すぎワロタ。食い意地張りすぎ。誰も盗らないんだからゆっくり食べればいいじゃん」
     半分ほど食べたハンバーガーを皿の上に置いてイデア先輩が笑っている。それはもうにやにやと意地悪く。かっと頬に熱が上る。己の食い意地をこれほど恨んだことはない。でも美味しいんだよなあ!
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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