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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    twst夢/イデア
    謎行動に振り回されるイデア

    ##twst夢_SS

    虚無に戯れ 虚空を見つめている。いつも通りぬるっと部屋に上がり込んできたかと思えばカーペットの上で膝を抱えるなりぼんやりと。何かあるのかなって思ってそっちをチラっと見てみたけどまあ何もないよね。何もない天井があるだけだよね。逆に怖いんだよな。いっそゴーストとかいて欲しかった。嘘、何人たりとも立ち入って欲しくないです。普通にびっくりするし。不法侵入を許容する人間とかそうそういないと思うんですよ。
     君に視線を移す。どこまでも虚無としか形容しようがない顔をしている。目が虚ろっていうか死んでるっていうか。生きてる人間でここまでやばやばな目をすること、ある? いや現実すぐそこにありえてるんだけどさ。
     何かしてくるわけでもないし本当にただ虚無ってるだけだから実害は皆無なんだけど、それはそれとして気はなるよね。なぜ他人の部屋で虚無っているのか。自分の部屋でやっていればいいだろうに。拙者、仮にも先輩なんですけど。
    「……ねえ。さっきから何もないとこ見てるけどなんかあるの? 無言で佇まれるのシンプルに恐怖なんですが……」
     声を掛ければ緩慢に君の顔だけがこっちを向いた。目は相変わらず死んでいる。他が微動だにしないのあまりにも怖いんですけど。これなんてホラー?
     思わず体をびくつかせれど、君は特にリアクションもなくただただじっとこちらを見つめている。だから怖いんだってば!
    「………………」
    「え? なんて?」
     小さく口が開閉して何かボソボソ呟いたけど、距離もちょっとあったし声が小さいしで全然聞き取れなかった。人に何か伝えるならもっとハキハキ喋ってくれませんかね。もしくはチャットでメッセ送ってほしい。
     じ、と虚無顔をぶら下げたまま君がのそりと立ち上がる。何をする気だと身構えたらベッドの上にのそのそと上がり。ぼすんと横になった。いやそこ拙者のベッド。
     そこから何をするでもなく、しん……と反応がなくなった。虚空を見つめるかベッドの沈むかの違いだけしかないってこと? つまり拙者の部屋に入り浸るのは継続ってことですかそうですか。
    「え、何? 寝るの?」
     しばしの沈黙の後、布団に半分埋まった頭がこくりと縦に揺れた。マジでなんなのこの後輩、自由すぎか?
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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