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    suno_kabeuchi

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    suno_kabeuchi

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    twst夢/イデア・シュラウド
    お菓子をもらったはなし

    ##twst夢_SS

    ハロゥ、ハロゥ、ディアマイ 遠目に見えた姿に一も二もなく駆け出した。方向的に人の流れとは逆行するので端っこを陣取って、速やかに。
    「こんにちは、イデア先輩」
    「ひいっ!? な、なんだ君か……いきなり背後から声掛けてくるのやめてくださらんか?」
    「すみません。イデア先輩を見つけたので、つい」
     ぺこりと頭を下げれば「いやついって何……?」と心底解せぬという呟きと共に怪訝な眼差しを賜ってしまった。うーん心の距離。でもさっさと退散しようとされないあたり多少は気を許されているのかもしれない。帰りたいとは思ってそうだけど。
    「イデア先輩見つけたら渡そうと思ってたんですよね」
    「え、僕に? 何?」
    「コンポタ棒」
    「なんで? いや確かに美味しいし好きだけどあまりにも突然で草生える」
    「好きって言ってたからいるかなって」
    「脈略なさすぎて何も理解できないんだが?」
    「特に粉砕とかされてないですよ?」
    「そこじゃないんだよな。なんで僕に渡そうとしたのって話」
    「イデア先輩が好きって言ってたからですけど…?」
     イデア先輩の発言があまりにも難解で首を捻る。好きって言ってる人に渡したら喜んでくれるかなって気持ち以外の何物でもないんだけど、それ以外の理由って何がいるんだろう。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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