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    第一週・金曜日 「レンジ使うぞ」「はぁい」…チーン。レンジからカップを取り出して口付けるナギリを見てカンタロウが微笑みを浮かべている。「何だ、ニヤニヤして気持ち悪い」「うふふ。ナギリさん、レンジを使いこなせるようになったんだなぁと思いまして」「ぐっ…。昔の事は忘れろ」せっかく甘くて暖かいホットミルクを飲んでいたのに、ナギリは思いっきり苦虫を噛み潰した顔になった。
     ───それはナギリがカンタロウと一緒に暮らし始めた最初の頃の話。
     ボンッとレンジの中から破裂音がした。「どうされました?! 辻田さん!!」「は? な、ぁ??」キッチンまで数歩の距離。ドタドタ足音を立ててカンタロウが走り寄る。レンジの前には呆然と立ち竦むナギリ。動けないナギリの代わりに、カンタロウがレンジを開けた。「あぁ。牛乳が爆発しちゃったのでありますね」爆発した原因が分からずに、ナギリは焦る。「玉子とネコはレンジに入れたらいけないと丸の主人から聞いていたが、牛乳も駄目だったとは聞いていないぞ!!」「これは、突沸でありますね」「とっぷつ」ナギリがカンタロウの言葉を復唱する。言い方が可愛らしい。「水がいきなり沸煮する現象のことを言います」「でも、今までレンジで牛乳を温めていたがこんな事は起こらなかった…」「突沸は様々な要因が関係して起こる現象で、今回たまたま起こってしまった様でありますね。カップが割れなくて良かったです」まだ熱いカップを流し台へ。布巾を手に取る。もう一度レンジの前へ来て、飛び散った牛乳を拭いていく。「本官も簡単なのでレンジを使うときは“おまかせ”をお使いくださいと伝えていましたが、この様な事を防ぐために、今度は“おまかせ”ではなく、六百ワットで三十秒とかワット数と時間を決めて温めましょう」「う、ぁ…」自分の失敗を気を遣われながら助け船を出されて居心地が悪い。「すまない。悪かった、カンタロウ…」「こんなの、拭き掃除すれば元通りであります。そう言えば最近レンジの掃除をしていなかったので丁度良い機会でした」それから暫くの間、レンジの爆発を怖がったナギリはレンジ使用の際は必ずカンタロウに声をかけてボタンを押して貰っていた。
     それが何時からか、ナギリはまた一人でレンジを扱えるようになった。ナギリの成長に喜ぶべきなのだろうが、カンタロウの胸に一抹の寂しさが漂う。
     「本日も、トマトケチャップであえたジャガイモにチーズを乗せたヤツ、美味しかったですよ」ナギリとしては、ラザーニャの代わりにジャガイモを使ってホワイトソースの無いラザニアのつもりだったのだが、カンタロウが美味いと言うなら料理の名前など何でも良かった。「オータムから新ジャガを貰ったからな。また作ってやる」「楽しみであります!」
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    ゆき(ポイピク)

    MEMOブラックバニーの辻田さんメモ4
    モブ氏は見た。
    ブラックバニーの辻田さんメモ4 僕の推しであるブラックバニーの辻田さんは、ドラウサキャッスルで一番塩対応の兎さんだ。どんな客にも媚びない姿はさながら女王様のようで、ドM客の間では辻田さんを指名して、高い酒を注文して自分で飲み干したご褒美に、客が自ら四つん這いになって椅子になり、背中に座って辻田さんに貰うのが流行っていた。辻田さんに座られると鼻息が荒くなり腰が揺れてしまう椅子に対して、座り心地が悪い!と辻田さんは尻を叩く。ドM客にとってはそこまでがセットでご褒美である。汚い悲鳴を上げる客の背中から退き、心底気持ち悪いといった顔で見下ろす。
     辻田さんはとても素直な人だ。他のキャスト達が客に対して、会えて嬉しいとかカッコイイと心にもない言葉で煽てるのに対して、辻田さんはお世辞や嘘を付かない。客がどれだけ大金を使おうと靡かない。いつも不機嫌そうで、つまらなそうでいる。でも、酔っ払った客が吐いてしまった時は、自分が汚れるのも気にせず掃除したり、介抱してくれる。飲み過ぎだ馬鹿と怒りながら水を飲ませたり、汚れた服を脱がせてやったり、落ち着くまで面倒を見たりタクシーを呼ぶのは黒服に任せてしまえばいいのに、彼は黒服に他の仕事をしろと言って面倒事を引き受けてしまう。キャストの仕事ではない。けれど、とても頼もしくて、周りはつい彼に甘えてしまうのだ。ドMでなくても、頼りになる兄貴分のような辻田さんに惚れてしまう客は多い。
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