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    94・💙🤎
    辻バレ官.ナギ衣食住の、食の話。

    美味しいですね! ナ≠″リさん!! 「ナギリさん、お願いであります。どうか、この血液パックを飲んで下さい!!」
     「誰が貴様からの施しを受けるか」
     
     「ナギリさん、お願いです。もう暫く、何も口にされていませんよね?」
     「黙れ。俺に構うなと言っているだろう!!」
     
     「これだけ言っても聞き入れて頂けないのでしたら、こちらにも考えがあります!!」
     「放っておけば良いだろう! 俺の事など!!」
     「放っておけないから言っているのであります!!」
     「…クソッ!!」
     「こちら、VRCの所長さんに頂いた吸血鬼誘引剤であります。本来は下等吸血鬼を引き寄せる程度の効果ですが、無理を言って少し強いものにして頂きました!! これを俺が飲んだら、どうなるか分かりますか?」
     「馬鹿か?! それじゃあ、下等吸血鬼どころか他の吸血鬼どもが来るかもしれないだろうが!!」
     「ですからその前に、ナギリさんが俺の血を吸って下さい。ええっと…。お口での吸血が苦手でしたら、血刀からでも良いので…」
     「俺にカッ斬られたトラウマがあるくせに、良くそんな事が言えるな」
     「ふふっ。何故でありましょうね」
     「知るか。そんな事。…首」
     「はい?」
     「服ごと斬られたいか?! 早く首筋を出せと言っている!!」
     「はっ、はい!!」
     (コイツに絆されて血を飲むことになってしまったが…どうする? まさか、首筋を血刀では…。口で? 首筋を? クソッ! 首と思わせて肩に手をやって、その手から血刀で…)
     「ナギリさん?」
     「うるさい。黙ってろ」
     (目が、回る…。誘引剤と空腹のせいで…)
     「っ!!」
     「んっ…。ちゅっ…んんっ…」
     (うわっ!! ナギリさん、俺の首筋にお口で?!! ひえっ! 息が!! 舌が!! がぶってなってべろーってやってちゅーってなって吐息が!! 耳にっ!!!!)
     「ぢゅっ…。ぷはぁ…。はぁ…」
     (あ、もう…)
     「ナギリさん、もう良いのでありますか?」
     「……………」
     「ナギリさん?」
     「もう、いっかい…」
     「足りないのでしたら、どうぞ…」
     「……………」
     (美味かった。久々の吸血。カンタロウの血。美味かった。もっと飲みたい。血。カンタロウの。美味い。甘い。もっと、欲しい)
     (ナギリさん。口許が血で赤く…。俺の血はお口に合ったんだろうか。ぽーっとして。お口に合えば良いけれど…。もう一度、おかわりされたら、ナギリさんの唇が俺の喉元に…。また息がかかって、耳元で声が…)
     「うぁ…」
     「ん…」
     「」「」「」「」「」
     「いかが…でしたか?」
     「あ…。まぁ、…ぅん」
     「美味しく吸血して頂けたなら光栄であります」
     「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」「」
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     『夜の散歩』と銘打って、カンタロウとナギリは連れ立って新横浜を歩いていた。特に目的も無かったり、必要な物を買いに行ったり、
     今夜は
     帰路の途中でカンタロウは言った。
     「ナギリさん。ヴァミマでコーヒー買っても良いでありますか?」
     「家にある粉のじゃダメなのか?」 
     「コンビニのとインスタントでは違うのであります!!」
     「あんな苦いもの良く飲める…。好きにしろ」
     「はい! では…あ…」

     「アイスカフェラテのエムをお願いします!」
     「ぁい~」

     「コーヒーじゃないのか」
     「はい! こちら、カフェラテであります!! 牛乳多めのコーヒーですよ」
     「コーヒー牛乳とどう違う?」
     「ええっと、割合ですね。カフェラテですとコーヒーと牛乳は一対四。コーヒー牛乳ですと割合に決まりはありません」

     「ナギリさん。一口どうぞ」
     「俺は別に…」
     「美味しいので! どうぞ!!」
     「……!!」
     「ね? 美味しいでしょう?」
     
     「更に、この上にあるフレーバー! これを使うと香りが変わるのであります!! 吸血鬼さん用にブラッドフレーバーもありますね。少しかけてみましょう!!」
     「だから俺は…」
     「はい!」
     「………!!」
     「気に入って頂けたようで何よりです。いかがですか? 一人で飲みきれそうですか?」
     「…ん」
     
     「カンタロウ。これ、もう一個買ってこい」
     「ええっと」
     「始めにコーヒーが飲みたいと言ったのはお前だろう。こっちはブラッドフレーバーを入れて俺用になったんだから、コーヒーでもカフェラテでもお前の分を買ってこい!!」
     「はいっ! 店員さん! アイスカフェラテのエムをもう一つお願いします!!」
     「ぁい~」
     「お待たせしました、ナギリさん」
     「」「」「」「」「」「」「」「」「」
     
     
     
     
     
     「ナーギリさん!!」
     「ヴワアァァァ?!!」
     「ヒエッ?! すいません! 驚かせるつもりは無かったのであります!!」
     「何だお前今帰りかっ?!」
     「はい! そう言うナギリさんはヘルパシの帰りでありますか?」
     「そっ、そうだ!!」
     「おや、それは…」
     「これは! 俺がヘルパシで稼いだ金で買ったものだから…!!」
     「そちらに手にしているのは、お仕事帰りのご褒美でありますね!」
     「ご褒美だと?」
     「」「」「」「」「」
     「そんなの無駄遣いだろう」
     「違うであります!! 」
     「」「」「」「」「」
     「良いのでありますよ、ナギリさん。もっと贅沢して下さい」
     「贅沢…」
     「」「」「」「」「」





     「ナギリさん!! どうして此処に? 今日はヘルパシのお仕事は無かったと思ったのですが…」
     「そろそろ仕事が終わる頃だろうと思ってな」
     「本官の事、待っていて下さったのですか?!」
     「」
     「」「」
     「ほら、カンタロウ。俺の奢りだ」
     「コーヒー! ありがとうございます! ナギリさん!!」
     「仕事を頑張ったご褒美だからな」
     (っあああああ!!!! その微笑みが本官何よりのご褒美でありまぁぁぁぁぁす!!!!)
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