狐の窓神楽ちゃんが狐の窓にハマって色んな人を見る(言葉が間違ってるから正しく見えない)
沖田に間違いを指摘されて、改めて正しい言葉で沖田を見る。
意識を失い倒れた神楽を沖田が万事屋へと運ぶ
2日経っても起きない神楽を医者に見せるが異常なし
沖田から神楽が直前に狐の窓をやってたと聞いた銀時は、ダメ元でアネモネに連絡し、来てもらった。
「……狐の窓……ね……」
大きなため息を着いたモネ。
「これは私達じゃどうすることもできない。だけどこのままだとこの子は一緒目覚めないし、近いうちに居なくなるわ」
「はぁ?」
「厄介なのに目をつけられたわね」
「ど、どうにかなりませんか?」
「詳しい奴がいることにはいる。ちょっと厄介たけどね。……まぁ、あなたとあなたなら大丈夫じゃない?」
モネが銀時と土方を指さして言った。
「おれも?」
「ええ、それからこの子とこの子が狐の窓した時の対象者も連れて行きなさい。そうしないと意味ないから」
「おい、総悟」
「へい」
「対象者連れてこい」
「土方さん、その必要はねぇですぜぇ」
「はぁ?総一郎くん話聞いてた?」
「総悟ですぜぇ旦那。話は聞いてやしたよ。だからこそわざわざ呼ぶ必要はねぇって行ったんでさぁ」
「どうゆう……」
「対象者が俺だからでさぁ」
「お前!早い言えよ!!」
「うっせぇ土方!!」
2人の怒号が飛び交いそれを諌める声も飛び交い、騒がしい中、モネとアネが顔を見合わせてため息をついた。
「……随分と粘着ね」
ため息もその言葉も騒音の中に消えた。
次の日、銀時たちは早速、アネモネに教えてもらった場所に向かうことにした。
江戸から少し離れた場所にある山の麓からかなり山中へと進み、その先にある滝の裏にある洞窟の奥どのことだ。随分と辺境に住んでるらしい。仙人かなんかかとも思ったが、狐の窓などというオカルト的なものに詳しいとあればなかなか人付き合いは厳しそうだからだろうという考えで落ち着いた。
メンバーは銀時、その背に未だに意識のない神楽、新八と土方、山崎、そして対象者の沖田。計6名のそこそこの大所帯で向かう。
そこそこ険しいが、銀時達にはなんてことなく、順調に進み、日が昼過ぎ頃には目的地の滝へと到着した。あたりは霧が出できてはいるが視界が悪く歩けないという程でもないので、そのまま滝の裏へと進み、洞窟の中へと入っていった。
その洞窟は入口こそ、分かりにくく近づかないと分からないようになってはいたが、中に入ると蝋燭が並び照らしているためかなり見やすかった。アネモネが連絡は入れておくと言っていたので、来訪を知っていたからの配慮なのかもしれない。
蝋燭の明かりを頼りに先に進むと、開けた場所に出た。そこには綺麗に透き通ったかなりの大きさの地底湖があったが人の姿はない。
「誰もいませんね?」
『よく来たな』
どこからともなく声が聞こえた。。いや、耳からではなく直接脳に響いたような不思議な感覚だった。
「誰だ?」
『ふふ、久しいというのに随分な物言いじゃないかい。あーそうか。今世では初めてだったね』
「いい加減出て来やがれ!」
『相変わらず、お前さんはせっかちだねぇ。わかったよ』
そう響いたあと、先程まで水紋ひとつなかった穏やかな地底湖がバシャバシャと動き出し渦を巻いた。その渦の中心から、大きな白い大蛇が姿を表した。
「うわぁぁぁ」
新八が驚き尻もちをつき、そこに山崎が駆け寄る。
『なんだい。相変わらず肝が小さいねぇ』
「てめぇが狐の窓に詳しいって奴か?」
『あぁ、そうだよ。狐の窓にと言うよりか妖怪、妖術にと言った方がいいかねぇ……ま、とりあえず、この子からどうにかしようね。そろそろ危ない』
大蛇の周りに白い霧が現れ、大蛇の姿を隠す。すぐに霧は消え、そこにいたのは大蛇ではなく、白く長い髪の男だった。その口から長い舌が時折覗くのを見るに、先の大蛇なのだろうとわかる。
「こっちの姿は久しいがまぁいい感じだね」
人は驚き過ぎると何も話せなくなるようだ。それは新八が1番体現している。最初こそ声を上げたが、今では石像のように固まってしまっている。
「ほれ、きゅう……じゃなかった。えーと白髪の奴。この子をここに寝かせな」
大蛇だった男は平らない大きな石を指さし、銀時に指示を出した。
銀時は迷わず頷くと背負っていた神楽を寝かせた。
「それにしても粘着質だねぇ。対象者はその茶髪だろ?こっち来い」
「……へい」
「この子地球外の子か?あーでも、行けそうだな」
大蛇だった男は神楽と沖田に手をひらを向けるように手をかざすと、何やら小さくつぶやき、また白い霧で辺りが覆われた。この霧はまたすぐに消えた。そこには神楽と沖田がたっていたが姿が違う。神楽には猫耳のようなものが頭着いて、背中からしっぽが2本見え隠れしている。沖田の方はあまり変化はないようだが、明らかに違う。
「うわっお前それどうした?」
突然の土方の声に振り向くと、土方の姿も変わっていた。背中に黒く大きな翼が生えていた。その後ろで山崎にも黒い翼が生え、新八には猫耳のような耳と狐のようモフっとしたしっぽが生え、近藤には……何も変化がない。ゴリラはゴリラのままだった。
「お前それ重くねぇのか?」
土方が指さして来たので視線を自分の背中の方へと顔を背けて見ると、そこには新八と同じようなモフっとした真っ白にしっぽが複数あった。
「その姿懐かしいなぁ」
驚く一同を置き去りに、大蛇だった男だけが楽しげに笑っていた。
初対面のはずだ。そのはずなのに、懐かしいと笑う男はどこか見覚えがある気がする。
そうこうしているうちにまた白い霧があたりを覆い、そしてまたすぐに消えた。
そこにはいつもと変わらない皆の姿があり、神楽もしっかりと目覚めていた。
「さてと、改めて自己紹介といこうか」
大蛇だった男がニコッと笑い手を叩くと、突然果物だとが乗ったテーブルと椅子が、現れた。