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    初代の負の遺産

    @RED_black05

    ククク、闇の狭間へようこそ

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    初代の負の遺産

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    マイハン達の厄海での海水浴。

    まだ書きかけですが…

    海水浴ある船の中、四人の人物達が船旅を楽しんでいた。

    「は〜楽しみだな~海〜」

    青緑色の髪の少女、いや女性が無邪気に言う。

    「はしゃぎ過ぎじゃないかヴェルデ?もう少し落ち着けよ」

    「まあいいじゃないか、久し振りの我々の休暇だしな」

    女性、ヴェルデに対して二人のやや長い赤い髪をした長身の人物達が言う。

    ヴェルデは彼らに答える。

    「今回ばかりはレジーナに賛成かな。ホカゲはもっと楽しまなきゃ」

    ヴェルデに落ち着くように言った方はホカゲ、そのホカゲに対してなだめるように言った方はレジーナという。

    彼らはカムラの里のハンターであり、現在はエルガドに滞在している。

    ホカゲは捻くれつつも正義感の強い熱血漢、ヴェルデはどこか影がある印象を見せつつも基本は無邪気、レジーナは若干気取っている印象だが実際は面倒見の良い性格をしている。

    最近はモンスターの狩猟等の仕事が少ないので、たまには良いだろうととっておきの場所で海水浴に行こうとしているのだ。

    『四人』で。

    「そうだろそうだろ?なぁ、赤鬼もそう思うよな?」

    レジーナが賛同を求めようと目線を向けた先には、赤いデスギア装備という死神のような装束をした人物が腰を掛けていた。

    「ああ、そうかもしれんな」

    「だぁー!!おっさんに賛同求めたって、カウントされないぞ!適当に相槌打ってるだけだろうし!」

    ホカゲが言う。

    赤鬼、おっさんと二人から言われているが、この人物の名は

    「そんなことないよ!
    『RED』も楽しみと思って言ってるんだよ、ね?」

    ヴェルデはにこやかに言う。

    その人物は『RED』と言われているハンターであり、口数は少なく無機質な印象を与える。
    常にデスギア装備を着ており、髑髏の兜の下を見た者は殆どいないと言われている。

    この四人は血は繋がっておらずそれぞれ訳ありなものの、一緒に暮らしている『家族』なのだ。

    「まあな、こういうのもたまには良いかもしれん」

    フムッと、『RED』は呟く。

    「ほらね〜」

    「ホカゲはもう少し、捻くれを改善するがいいさ」

    「ムムムムム…」

    船の上で会話が弾む。
    『RED』は返事のみはほぼ無言だが。

    「おっさん、今日行くところはタンジアの港の近くにあるっていう…」

    「『厄海』という場所だ。波が穏やかなな浜辺で魚も泳いでいるという」

    「へぇ〜」

    ホカゲに尋ねられ、『RED』が答える。
    そしてヴェルデとレジーナが目を輝かせて聞いている。

    だが、と『RED』は続ける。

    「ついこの前まで煉黒龍…『グラン・ミラオス』という古龍が再来して暴れていて、今はあるハンターに狩猟されたものの、その名残で打ち捨てられた船が残っている状態だ」

    「へ〜…」

    三人は関心を寄せる。
    そして、会話が盛り上がっていく。

    「ねえ、泳いでる魚って、どんなのかな?」

    ホカゲとレジーナも続く。

    「海が綺麗だと良いよな〜」

    「グルメも楽しみだな!」

    会話に花を咲かせつつ、タンジアに向かって船旅は続く。

    ______________________


    船がタンジアの船着き場に到着した。

    「さあ、着いたニャ。忘れ物が無いよう気を付けて降りるニャ」

    係員のアイルーが誘導する。
    一番先頭にいたヴェルデが背伸びをする。

    「あ〜やっと着いた〜。座り過ぎてお尻が痛いよ〜」

    その言葉にレジーナが反応する。

    「ほぅ尻が痛いなら、ワタシがマッサージでその痛みを和らげてやろう」

    「フフフ、レジーナ今すぐそこの縄で磯辺巻きになってからタライに乗り換えてまた船旅したい?」

    セクハラとも言えるレジーナの発言に対して、ヴェルデが笑顔で答えた…否、顔こそ笑顔だが、声が笑っていない。
    レジーナが怯む。

    「スミマセン、ナンデモナイデス」

    「これで何回目だよ、いい加減諦めろって」

    ホカゲが呆れて言い、話を逸らそうとREDに声を掛ける。

    「そういえばおっさん、厄海はここから近いのか?」

    「うむ、厄海は近場にあるらしいが、再度船に乗る必要があるな。今のうちに休憩しておくのが良いだろう」

    REDが答え、三人は各反応をする。

    「そうか、じゃあしばらくはそれぞれ自由行動にするか」

    「シー・タンジニャも見てみたいな〜」

    「ワタシは売店で売っている、タンジアチップスが興味あるぞ」

    「あれ〜?龍歴院のハンターさんじゃないですか〜?」

    盛り上がっているところに、女性の声が掛かる。

    「あんたは…」

    「忘れちゃったんですか〜?アイシャですよ」

    アイシャという女性は、懐かしそうにREDに話しかける。

    「ああ、確か…モガの村の受付嬢の」

    「そうですよ〜。ユクモ村で会った以来ですね〜。
    犯罪組織の自爆テロで重体になったって聞いて心配だったんですよ〜…」

    「まあな、今回は休暇でここに来た」

    「ねえRED、この人は?」

    ヴェルデが声を掛ける。
    この三人はアイシャとは会ったことが無い。

    「モガの村の受付嬢だ。俺が龍歴院に派遣されていた時に、依頼を受けていたことがある」

    「アイシャです〜」

    REDが紹介をし、アイシャも挨拶をする。
    三人もアイシャに挨拶を返す。

    「ヴェルデです、はじめまして」

    「ホカゲだ、よろしく」

    「レジーナという。うーむなんかとっつきづらい雰囲気が…」

    「それで、村の受付嬢がここで何をしている?」

    挨拶を終え、REDが訪ねる。
    アイシャがハッとしてから、答える。

    「あ、そうそう。実は最近孤島にラギアクルスが現れて、交易に支障が出ていて困っていたんですよ。
    他の拠点からハンターさん達をなんとか引っ張って来れないかギルドマスターに申請しに来たところなんですよ」

    困ったようにアイシャが言う。

    そういえば、最近は新大陸やカムラやエルガドにハンターの密度が集中している。

    恐らく平穏が続き、過疎化しているのだろう。

    レジーナがアイシャに訪ねる。

    「そちらに専属ハンターがいるのではないのか?」

    「あ〜…いましたけど、その人は…遠いところに旅立ってしまいました」

    「そ、そんな…そうか」

    レジーナに続き、ホカゲもヴェルデも沈痛な面持ちになる。

    REDは、うーむと再び考え込んだ後、声を掛ける。

    「ラギアクルスの狩猟、俺が引き受けよう」

    「え!?」

    アイシャ達四人が驚く。

    「いいんですか?休暇に来たんですよね?」

    「問題ない、俺一人で片付けよう」

    REDが早速、常時腰にマウントしている死神の鎌に形状を変化させたバゼルハートの状態をチェックしていた。

    ヴェルデはREDに声を掛ける。

    「RED、私も一緒に行くよ」

    「いや、お前達三人は海水浴を楽しんでいろ。折角の休暇なのだから羽根を伸ばしておけ」

    REDが制止する。

    「でもそれだったらREDだって…!」

    「ヴェルデ、おっさんはオレ達以上にハンターだから、ああ言い出したら聞かないよ」

    ホカゲがヴェルデを宥める。
    レジーナもやれやれと言う。

    「ワタシ達は目一杯楽しもう。赤鬼、ディナーまでには帰って来いよ」

    「ああ」

    レジーナの声にREDは答え、アイシャに案内されギルドの受付に向かっていく。

    三人になってそれぞれ話し合う。

    「…折角のお休みなのに、結局三人になっちゃったね」

    「まあ誰かがやらなきゃならないし、こうしてる間に被害が大きくなる場合もあるから仕方ないさ」

    「我々は我々に出来ること、海水浴を楽しむか」

    三人は少しの間、自由行動をした後に小船に乗り厄海に向かった。


    ______________________



    厄海に到着した後、彼等は水着に着替えた。

    ヴェルデは赤色のフレアビキニを着ていた。
    右腹部にある傷跡が若干目立っていたが、今は自身の過去の罪の証として受け入れていた。

    ホカゲは至って普通の男性用水着を着ていて、裸の上半身の上にパーカーを着ている。

    レジーナは日焼け防止の為か、縁が広すぎる麦わら帽子にサングラス、そしてバスローブにサンダルという奇妙な格好をしていた。

    「あっつ…」

    裸足が砂浜の熱で熱くなる。
    日差しも眩しく、波音が聞こえてくる。

    「良いところだね〜ここは」

    ヴェルデが眩しそうに手で目を日差しから庇いながら言う。

    レジーナも同意しつつ、周りを見渡す。

    「しかし、ここにいるのは我々だけか。他には人がいないな」

    「プライベートビーチみたいだな。それに…」

    ホカゲが続けて、浜辺に幾つか打ち捨てられている、船の残骸を見つめる。

    「これが、グラン・ミラオスとの激戦の傷跡か…」

    当時のまま残されているようで、まるで戦士達の墓場や記念碑の様にも見える。

    この場所は古龍が関係しているのだ。人によっては、恐れて近付きたくない者もいるのであろう。

    「こうして見ると、なんか静かな気持ちになるね」

    ヴェルデはそう言い、静かに黙祷を捧げた。

    しばらくした後、明るい雰囲気になった。

    「さあ楽しむか!」


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